1. はじめに:ポートフォリオの先にある「覚悟」
エンジニアにとって「個人開発」という言葉は、非常に身近なものです。新しい技術を試すための実験場、あるいは転職活動を有利に進めるための実績作り。多くの人が、何らかの形で自分のプロダクトを作った経験があるでしょう。
しかし、私は今回のプロジェクトを立ち上げるにあたって、一つの明確な境界線を引くことにしました。
それは、「自己研鑽」や「趣味」で終わらせず、一つの「事業(ビジネス)」として向き合うということです。
単に作ったものを並べるだけの「ポートフォリオサイト」ではなく、一つのブランドとして価値を提供し続ける拠点。それが、今回私が立ち上げた 「solooo.dev」 です。
なぜ今、わざわざブランドという器を用意したのか。その裏側にある想いと、戦略についてお話しします。
2. ドメイン「solooo.dev」に込めた連続性の哲学
ブランドを象徴するのは、その名前とドメインです。私が選んだのは 「solooo.dev」 という文字列でした。
「solo」+「dev」という直球のアイデンティティ
まず、個人開発であることを示す「solo」と、開発者としての矜持を示す「.dev」ドメインを組み合わせることは、最初から決めていました。昨今、技術者向けのドメインとして定着した .dev は、URLを見ただけで「ここから何かが生まれる」というワクワク感を演出してくれます。
なぜ「o」が3つ並ぶのか:freeeから得た着想
当初はシンプルに solo.dev を検討していましたが、当然ながら既存の取得者がいました。そこで「では、どう表現を変えるべきか」を考えたとき、一つのインスピレーションが湧きました。
それは、クラウド会計ソフトの 「freee」 さんです。末尾の文字を連続させることで、本来の意味に独自の響きとキャラクター性を付与する手法。私はこれを取り入れ、自分のイニシャルである 「O」 を重ねることにしました。
プロダクトが連なる「O O O」のイメージ
私の名字の頭文字である「O」。この「O」が3つ連続している様には、一つの願いを込めています。
それは、「個人開発者として、次々と新しいプロダクトを世に送り出し、それを連続させていく」 というビジョンです。一つ作って終わりではなく、二つ、三つと価値を積み上げていく。その開発のサイクルとプロダクトの連なりを、3つの「O」で表現しました。
3. 覚悟の投資:Google AI Proプランという「最高の相棒」
ブランドの構想を練り、ドメインを取得しました。
次に必要だったのは、その器を満たすための「実行力」です。
私は、2025年の年末、自分への投資として Google AI (Gemini 1.5 Pro) のProプラン を契約しました。
ちょうど半額のセールをやっており、職場の同僚に共有されたのがきっかけです。
「形から入る」ことの重要性
新しいことを始めるとき、皆さんはどう動きますか?私は、まず「環境」を整えることから始めます。資格の勉強をするときに、まずは定評のある参考書を一通り買い揃えるのと同じ感覚です。
有料プランを契約するということは、自分に対して「もう後戻りはできない」というサンクコスト(埋没費用)を発生させることでもあります。月額料金を支払うことで、自分の中に「使い倒さなければならない」というポジティブなプレッシャーを生み出しました。
AIは「ツール」ではなく「パートナー」
これまでに多くのアイデアをノートに書き溜めてきました。しかし、個人開発者の最大の敵は「リソースの限界」です。設計、コーディング、デバッグ、デザイン、そして利用規約の作成……。これらを一人でこなすには時間が足りなすぎます。
しかし、Gemini 1.5 Proという強力なパートナーを得たことで、その限界は突破されました。AIは単なるコード生成ツールではありません。私の構想をぶつけ、壁打ち相手になってもらい、最速でプロトタイプを形にするための「共同創業者」に近い存在です。この投資が、後の怒涛の開発スピードを生むことになります。
4. solooo.dev が掲げる3つのフィロソフィー
ブランドとして運営する以上、揺るぎない「哲学(フィロソフィー)」が必要です。私が solooo.dev で大切にしているのは、以下の3点です。
① 圧倒的な開発スピードとリリース頻度
個人開発の最大の武器は「機動力」です。大企業のような複雑な意思決定プロセスはありません。AIをフル活用し、思いついたその日のうちにプロトタイプを動かし、数日以内にはデプロイする。このスピード感こそが、solooo.dev のアイデンティティです。
② 基本無料・低価格による価値提供
サーバーコストを極限まで抑えた設計(クライアントサイド処理の優先など)を行うことで、ユーザーには基本無料で高品質なツールを提供します。個人だからこそできる「身軽な運営」を、ユーザーのメリットに直結させます。
③ ハイパフォーマンスなユーザー体験
「個人が作ったから、重くても仕方ない」という言い訳はしません。最新のWeb技術を駆使し、爆速で動き、直感的に使えるUIを追求します。また、ユーザーからのフィードバックに対しては、AIと共にその日のうちに修正・改善を行う。この「反応の速さ」もブランドの信頼に繋げたいと考えています。
5. おわりに:ここからが、真のスタート
solooo.dev という器は完成しました。そして、2025年→2026年の年末年始、私はこのブランドの第一号となるプロダクトのリリースに向けて、最初の一歩を踏み出しました。
多くの人が休みを満喫している中、私は画面に向かい、AIと対話し、一つひとつのコードを積み上げていきました。その過程は、単なる作業ではなく、自分のアイデアが「solooo.dev」というブランドの色を帯びて世界へ解き放たれる、最高のエンターテインメントでした。
次回の記事では、この年末年始の休暇中に産声を上げた最初のプロダクト 「Nengo Master」 の開発記録について詳しくお話ししたいと思います。
AIをどう活用したのか、技術選定はどうしたのか、そして公開までにどのような試行錯誤があったのか。
これからも、solooo.dev から生まれる「連鎖」にご期待ください。
次回予告
「Google AIを相棒に駆け抜けた7日間。最初の一歩『Nengo Master』ができるまで」
乞うご期待!
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