はじめに
PLATEAUアドボケイトってことでPLATEAUアドカレ用の記事を書きます
PLATEAUってデジタルツインの側面が強く、しばしばシミュレーションで使われるケースが見受けられます。
シミュレーション内容としてよく見るのは、ドローンの航路や日照条件、災害等でしょうか。
今回私の記事としてもシミュレーションを行いますが、分野はパブリックセキュリティです
パブリックセキュリティとはなんぞやというと、まあいわゆる警備や治安維持、対テロとかそこら辺です。
本題
今回のシミュレーションは要人警護における狙撃ポイントの算出です。
日本国内において、要人の狙撃暗殺というのはなかなか考えにくいものではありますが、とはいえその想定を裏切った形での総理大臣暗殺がありました。
そうした情勢を踏まえて、今回事前に狙撃ポイントを算出することで要人警護におけるリスクの軽減を実現できるようなシミュレーションをしてみました。
場面は比較的簡易なもので、東京駅前の広場で要人が演説しているところを想定しました。
立地として高層ビルに囲まれた開けた場所であるためわかりやすいというのが理由です。
実際あんなところで演説はそうないですし、周囲のビルは三菱地所の掌握圏なのでまあ危険度は低いでしょう。
しかし今回はあくまでもわかりやすさ重視ですのでよろしくお願いします。
方式
- WebIGSにPLATEAUの千代田区2023年データ(LOD2)を読み込み
- 特定の座標を選択
- 特定の座標から500mの範囲で360度スキャン
- PLATEAUの階数からある程度のフロアの場所を算出
- 各フロアごとにレイキャストの集中度合いからヒートマップ化
注:今回はヴィジュアル的にわかりやすくするためにGoogleのPhotorealistic 3D Tilesを併用しています。Photorealistic 3D TilesのオブジェクトとPLATEAUのデータを重ね合わせています。
レイキャストイメージ
実際に360度のレイキャスト(紫線)描画するとブラウザ落ちちゃうので、下記画像は範囲を絞っています。(実際は計算するだけなので描画をしていません)

実際のヒートマップ
赤点が狙撃リスクポイントです。
高所から。意外と遠くでも射線が通ってるんですね(まあ実際この距離はビル風とかで無理ゲーですが)

低所から。一応3階以上を対象にしています。それより下を含めるとあまりに現実離れするので。
画像真ん中あたりの広場にある緑点が選択した座標です。

最後に
こんな感じでPLATEAUってこういう警備系にも使えるんですよーという一例でした。
もっと人流データとかいろんなデータと組み合わせるとさらに精度は上がる見込みです。
今回使用したWebGISはAlchana Essenceです。
まあ作ってるのは弊社なので今回の記事用の実装は未公開機能ですが(汗
そのうち地下データとか使ってバイオテロ(サリンみたいなやつ)のシミュレーションとかもできるようにしたいなーとかとか