はじめに
リンクラフト株式会社の大平と申します。
リンクラフトアドベントカレンダーのクリスマスイブを担当します。
せっかくのイブなのでちょっと無理矢理にでもサンタさんと紐づけてみます!
導入
12月24日26時。
喉が渇いて水を飲みに行ったリビングで、私は赤い服を着た大柄な男と目が合ってしまった。
彼の手には、私宛てのプレゼントらしき包み。
暖炉はないのに、なぜか窓が開いている。
これは——真実の瞬間(Moment of Truth) ってやつでは?
この瞬間をどう扱うかで、私のクリスマス、いや人生が変わるかもしれない。
そんなとき役立つのが、今回紹介するMMOT(The Managerial Moment of Truth) というフレームワークなんです。
MOT(Moment of Truth)とは
「真実の瞬間」という概念は、もともとスカンジナビア航空のCEOヤン・カールソンが提唱したもので、顧客と企業が接触する決定的な瞬間のことを指します。
その瞬間の対応が、顧客の印象を決定づける。
つまり、今まさにサンタと目が合ったこの瞬間こそがMOTなわけです。
MMOT(Managerial Moment of Truth)とは
MMOTは、Bruce BodakenとRobert Fritzが開発したマネジメント手法です。
「期待」と「現実」にズレが生じたとき、そのズレにどう向き合うかを4つのステップで整理してくれます。
- 悪いズレ(目標未達、納期遅延など)
- 良いズレ(期待以上の成果)
どちらの場合にも使えるのがいいところ。
では、サンタさんとの遭遇を例に、4つのステップを見ていきましょう。
サンタさんで学ぶMMOT 4ステップ
ステップ1:現実を見る(Acknowledge the Truth)
まずは、期待と現実のズレを認識するところから。
【私の期待】
サンタクロースは存在しない。
少なくとも、自宅のリビングにはいない。
【現実】
目の前に、赤い服を着た白髭の大男がいる。
ここで重要なのは、「なぜ」「誰のせい」を考えないことなんですよね。
「なんで窓から入ってきたんですか?」
「不法侵入じゃないですか?」
これはステップ1ではありません。
ただ純粋に、 「ここに、サンタらしき人が、いる」 という事実だけを確認する。
科学者が実験結果を観察するように、客観的に見つめる感じです。
私「あなたは……サンタさん、ですか?」
サンタ「そうだよ」
私「なるほど、サンタさんが、いま、ここに、いるんですね」
サンタ「そうだね」
これでステップ1は完了。シンプルですよね。
ステップ2:どうしてそうなったかを分析する(Analyze)
次に、なぜその現実に至ったのかを理解していきます。
ここでのポイントは、相手の思考プロセスを尊重すること。
責めるんじゃなくて、純粋に「なぜ」を探求するイメージです。
私「どうして私の家に?」
サンタ「君の名前がリストにあったからね」
私「リスト……? 私、今年いい子でしたっけ」
サンタ「12月に5件もプルリク出しただろう。立派なものだ」
私「そ、それがいい子の基準なんですか」
サンタ「オープンソースへの貢献は、世界を良くしている」
なるほど、サンタにはサンタの評価基準があるんですね。
相手の視点を理解することで、次のアクションが見えてきます。
ステップ3:計画を立てる(Plan)
現実を認識し、原因を理解したら、次にどうするかを合意します。
私「では、そのプレゼントを受け取ればいいんですね」
サンタ「そうだ。ただし条件がある」
私「条件……?」
サンタ「来年も、いい子でいること」
私「具体的には?」
サンタ「最低月1件のプルリクだ」
私「……年間12件ですか」
サンタ「できるね?」
私「……やります」
計画は具体的で測定可能であるべき、とよく言われますよね。
「いい子でいる」ではなく「月1件のプルリク」。
これなら達成したかどうかが明確にわかります。
ステップ4:フィードバックの仕組みを作る(Feedback System)
最後に、計画が実行されているかを確認する仕組みを作ります。
私「でも、どうやって確認するんですか? 来年まで会えないですよね」
サンタ「GitHubのコントリビューショングラフを見ている」
私「監視されてる……」
サンタ「フィードバックシステムだよ。君のためだ」
私「た、確かに……」
サンタ「それに、何かあればIssueを立ててくれ」
私「サンタさんのリポジトリがあるんですか」
サンタ「プライベートリポジトリだがね。ホッホッホ」
フィードバックはリアルタイムで確認できる仕組みが理想的です。
年に1回の評価面談だけだと、ちょっと遅いですよね。
GitHubのグラフのように、日々の進捗が可視化されていると、軌道修正もしやすくなります。
真面目な話:現場でのMMOT活用
時期が時期なので無理矢理サンタさんと紐づけてみましたが、実際のエンジニア現場での活用例を考えてみましょう。
例:納期に間に合わなかったメンバーとの1on1
ステップ1:現実を見る
「今回のリリース、予定より3日遅れたね」
責めない。ただ事実を確認するだけ。
ステップ2:分析する
「何が起きたのか、教えてもらえる?」
言い訳を引き出すんじゃなくて、思考プロセスを理解するのが目的です。
- 見積もりが甘かった?
- 想定外の技術的課題があった?
- 他のタスクと競合した?
ステップ3:計画を立てる
「次回同じことを防ぐために、何ができそう?」
本人に考えてもらうのがコツ。押し付けじゃなくて、合意を作っていきます。
ステップ4:フィードバックの仕組みを作る
「デイリーで進捗共有する形にしてみる?」
次のMMOT(真実の瞬間)に備える仕組みを作っておく感じですね。
MMOTのポイント
- 責めない、裁かない — 科学者のように事実を観察する
- 相手の視点を理解する — 自分の正しさを押し付けない
- 具体的な計画を合意する — 曖昧な「頑張ります」で終わらせない
- 仕組みで解決する — 精神論じゃなくて、システムを作る
まとめ
MMOTは、期待と現実のズレに向き合うためのシンプルなフレームワークです。
部下との1on1でも、チームの振り返りでも、サンタさんとの深夜の邂逅でも?使えます。
大切なのは、真実の瞬間から逃げないこと。
その瞬間をうまく扱えれば、信頼関係が深まって、チームのパフォーマンスも上がっていくはず。
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メリークリスマス🎄
参考文献
- Bruce Bodaken, Robert Fritz『The Managerial Moment of Truth』