本記事は Microsoft Azure Tech Advent Calendar 2024 12/20 分の記事となります。
What is this?
Microsoft の提供するクラウド サービス Azure ですが、名前は知っていても触れる機会があまりないのではないでしょうか。
それが個人であれば猶更です。
しかしながら、Azure には無料枠があります。
無料です。タダです。使うだけお得です。
という訳でご興味のある方には是非とも触れて頂きたい。
…という趣旨の内容を こちらの IT エンジニア向け勉強会 用の資料として準備していたものになります。
こちらの勉強会は大阪で開催されておりますので、ご興味ある方は是非ご参加いただければと思います。
対象
Microsoft Azure に触れたことのない個人を対象とします。
前置きとして
この記事は
2024年12月時点での情報であることにご留意ください。
多分一番知りたいこと
クラウド サービスの利用について、多くの方が最も気にするところは
「何をトリガーとして課金が発生するか」かと思います。
結論から言うと、Azure サブスクリプションのオファーを従量課金にアップグレードしない限り課金は発生しません。
サインアップ時にクレジットカードの登録が必須なことを気にされると思いますが、
あれは本人証明が目的です。登録だけで請求が発生することはありません。
(ついでに言うと従量課金の性質上未使用でも当然 0円課金です)
つまりキーは "うかつにサブスクリプションのアップデートはするな"、
これに尽きます。ここだけ守れば安心安全です。
逆に言うと、気軽にアップグレードすると泣きます。ガチで。(1敗
Azure におけるサブスクリプションとは
Azure の世界における "サブスクリプション" という固有名詞が指すものは、"支払を行うための単位" というのがしっくりくるかもしれません。Azure の提供する様々なサービスを、自分のサブスクリプションの中にて動作させる。中で使ったサービスについて、使った分だけお支払いいただく。Azure の課金体系はこういったものです。
サブスクリプションにはプラン、またはオファータイプと呼ばれる種別が存在します。
無料契約の場合は プラン番号 "0044P" の "無料試用版" が割り当てられます。
この無料試用版は手続き =アップグレードによって "0003P" の "従量課金制" に変更可能です。
先の項で "アップグレードをうかつにはしてはいけない" という理由がここにあります。
なお、プランについてはMicrosoft Azure プランの詳細にて、
どのようなプランが存在するかの確認が可能です。
サインアップ
前提条件
試用を開始するにはクレジットカードとネットワーク、
そしてブラウザベースで手続きを行いますので、対応したブラウザが必要です。
なお、手続きの際は Microsoft Edge で言う "InPrivate モード" などの
情報を残さないモードで実施することをお奨めします。
なお、試用サインアップの再登録 (複数回の仕様) はどうにも複雑怪奇な仕組みによってできない模様です。
既に一度試用を済ませてしまった方の再試用については諦めてください (2敗)。
サイトアクセスとアカウントによるログイン
Azure のプロダクト サイトにアクセスし、"無料で始める" を押下します。
Azure の管理者1となるアカウント2でサインインを行います。
情報の入力
先んじて、SMS 等による個人認証が必要になります。
お奨めは "テキストメッセージを送信する" です。
こちらのエリアは認証を済ませると消滅し、サインアップが進められるようになります。
"カードによる本人確認" 領域を入力していきます。
こちらは本人確認用の情報入力です。
クレジットカードを入れることに抵抗があるとは思いますが、
前述の通りサブスクリプションを従量課金に移行するまでは課金は発生しません。
"アグリーメント" にて "顧客契約に同意する" にチェックを入れます。
その他の設定は任意です。
なおここで出ている "顧客契約" というものは MCA (Microsoft Customer Agreement) と呼ばれるオンラインで結ばれる契約です。契約にはほかに企業間で結ばれる EA (Enterprise Agreement) やパートナーを介して契約を行う CSP (Cloud Solution Providor) 契約などがあります。
覚える必要はありません。
"テクニカルサポートを追加する" は、テクニカルサポートを利用しないので最後の項目を選びます。
二段階認証を要求が済んでいれば、サインアップ ボタンを押下できます。
押下することで各種処理が完了し、クイックスタートセンターが表示されます。
試用が開始したら
再三の内容になりますが、
"200 ドルのクレジットを使った後、または最初の 30 日の経過後、従量課金制価格に移行しなかった場合、請求はされませんが、アカウントとサービスは無効になります。"
とあるように "従量課金制価格 (=従量課金サブスクリプション)" に移行しない場合、請求はなされません。
サブスクリプションの確認
画面上部のテキストボックスにて、提供中のサービスや自分が利用中のサービスのリソースの検索が可能です。
試しに "サブスクリプション" を入力し、検索を実施します。
サブスクリプションのページに遷移します。自分が所持しているサブスクリプションの一覧が表示されますが、ここに "無料試用版" というサブスクリプションがあるはずです。
各種サービスを試してみる
Azure には既定で無料サービスがあります。
また、試用版では 200 USD のサービスクレジットがあります。
使い切ってもサービスが止まるだけで請求はされません。
というわけで好きなサービスをご自由に使って大丈夫です。
試しに触れてみるのに個人的お奨めなサービスは Virtual Machine / Blob Storage / Logic Apps です。
なお、いくつか課金必須なサービスも存在します。
そ奴らは利用しようとすると都度 "従量課金サブスクリプションへのアップグレード" を促してきますので、うっかりアップグレードしないようにしましょう。
試用の終了
200 USD の全消費または、サインアップから 30 日経過によって、サブスクリプションが無効化されます。
あえて特に何かする必要はありません (無効化されたサブスクリプションでは請求が発生しようがない) が、可能ならリソースを消し、サブスクリプションを消し、テナントまで消していただけると、世界のどこかの誰かがその領域を再利用できるのでエコです。持続可能ではないので SDGs ではないです。
終わりに
2024年、個人的にはチームが変わり、Microsoft Edge (=オンプレミス製品) から Azure (=クラウド製品) の担当となったことにより様々な学びが新しく始まった一年でした。
しかもチームは Azure Subscription Management Support、課金関連の部門です。
まず外には出ないような情報と触れられて日々充実しております関係上、ASMS チームの皆様には足を向けて寝られません。
唯一の悩みとしては、このチーム全アジア地域にいらっしゃるので真面目に上記を守ろうとすると立って寝ることしか許されないことでしょうか。
クラウドこわい、と私も思っていましたが触ってみると意外といい奴なので、興味をお持ちの方はぜひ無料のお付き合いから始めて仲良くなってみて下さい。
補足 : 既に Azure の試用を利用済みと判断された場合
サインアップ後に下記のような画面に遷移します。
この瞬間から何か有料サービスを使うと課金されます。コワイ!
という訳でこれが出た場合はおとなしく引き下がりましょう。