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利他的であるという選択

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Last updated at Posted at 2026-04-18

はじめに

エンジニアリングマネージャーの佐藤です。

私のチームでは「利他的」をスローガンにしています。その話をさせてください。

エンジニアリングの現場でこの言葉を使うと、どこか綺麗事に聞こえたり、自己犠牲のように受け取られることがあります。それでも自分は、チームで開発を続ける中で、これは感情論ではなく、現場での判断だと考えるようになりました。

これまで自分がやってきたことを軸にしながら、整理してみます。


「性格」ではなく、役割の選択

利他的というと、「優しい人」「いい人」という性格の話に寄りがちです。

でも現場では違います。自分が答えを知っていても、自分が手を動かした方が早くても、それでも一歩引くことを選ぶ場面があります。それは遠慮でも謙遜でもなく、チームとしてどう振る舞うのが最適かを考えた結果です。

誰が前に出て、誰が引くかは、人格の問題ではなく、今その場で必要な役割の問題。

美徳の話ではありません。


構造としての利他性

チームがうまく機能している状態を振り返ると、そこには共通した「構造」があります。

発言しても否定されない、失敗しても責められない、 未完成な考えでも場に出せる

そういう状態です。

ただ、これは自然に生まれるものではありません。誰かがあえて口を挟まず、判断を急がず、失敗の責任を引き受ける。そういった行動の積み重ねで、はじめて成立します。

エイミー・C・エドモンドソン氏の『チームが機能するとはどういうことか』では、心理的安全性が成果を出すチームの条件として語られています。

安心して発言できる状態が、チームの学習を加速させる。

この行動は、人のためというより、チームが学び続けるための構造をつくる行為なのだと思います。


感情がなければ、続かない

こうした行動は、必ずしも報われるとは限りません。

自分がやった方が早かった、評価されるのは別の人だった——そういうことも多い。

それでも続けられるのは、人のためになりたいという気持ちが、自分の中にあるからだと思っています。これは綺麗事ではなく、誰かが安心して挑戦する姿を見たとき、質問が増えたとき、判断を任せられるようになったとき——そういう瞬間に、素直にうれしいと感じる。その感覚が、次の行動につながっています。

構造や役割の話として整理してきましたが、結局のところ、動き続けるエネルギーは感情です。


エンジニアに幸せになってほしいという話

技術が好きでエンジニアになったのに、

常に比較され、正しさを競わされ、余裕を失っていく。
そんな姿を、何度も見てきました。

安心して質問でき、失敗してもやり直せ、自分のペースで成長できる。
そういう環境をつくることは、エンジニアが長く、幸せに働くための前提だと思っています。

自分を消すことではなく、チームの未来に余白を残すこと。

その選択を、これからも続けていきたいと思います。

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