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【一皮剥けたいテスタへ】低給ドリブン・テスタスキルアップメソッド

Last updated at Posted at 2025-12-29

【一皮剥けたいテスタへ】低給ドリブン・テスタスキルアップメソッド

ChatGPT Image 2025年12月29日 00_30_40.png

背景(興味がない方は「覚醒」まで読み飛ばしてください)

25歳の夏、私は転職して、とあるシステム開発会社の 「テスト部隊」 として採用されました。

Webシステム開発とは何か。
ソフトウェアテスト・品質管理とは何か。

そういった基礎を自社の研修カリキュラムで一通り学び、
実際の開発プロジェクトにテスタとして参画しました。

業務内容はシンプルです。

  • テストケースに沿って操作を行う
  • 期待しない動作・表示であれば NG → 不具合報告書を起票
  • 期待通りであれば OK

それを淡々とこなし、迎えた初めての給料日。
そこで、目を覆いたくなる現実が襲いかかりました。

や、安すぎる……!
前職の 3分の2 しかもらえていない……!!

25歳の私は、給料がまったく期待値を満たしていなかったため、
思わず 人事・総務宛てに不具合報告書を起票しかける ところでした。

同時に、こうも痛感しました。

「テストで食っていくなら、もっとレベルアップしないとダメだ……」

ChatGPT Image 2025年12月29日 00_15_03.png


覚醒 〜俺の仕事はテストケースを埋めるだけじゃない〜

価値のあるテスタとは、どんなテスタなのか。

  • 不具合をたくさん見つけられる人?
  • 分かりやすい不具合報告書を書ける人?

そもそも、
不具合報告書は何のために書くものなのか?

考え続けた末、自分の中で一つの答えにたどり着きました。

「NGの向こう側」を知り、それを開発に共有すること

ChatGPT Image 2025年12月29日 00_34_00.png


本質 〜価値はNGのその先にある〜

不具合を発掘し、NG判定をして、不具合報告書を起票する。
それだけでも、テスタとしての役割は果たしています。

しかし私は、
NG判定を出した「その後」にこそ、テスタの価値がある
と考えています。

ChatGPT Image 2025年12月29日 00_18_10.png


例:性別表示がおかしいケース

例えば、次のような不具合を発見したとします。

  • 男性で会員登録した
  • 会員情報確認画面を見ると、性別が「女性」と表示されている

多くの場合、ここで

「性別表示が不正です」

として起票して終了します。
これは 「よくいるテスタ」 です。


洞察 〜NGの向こう側へ〜

ここからが本題です。

会員情報編集画面では、性別はどう表示されているか?

  • もし 「男性」 と表示されていれば
    → 登録データ自体は正しく、
    確認画面の表示ロジック(フロント側)の不具合では?

女性で会員登録した場合はどうなるか?

  • もし 「男性」 と表示されていれば
    マスタデータと表示ロジックの不整合では?
  • もし 「女性」 と表示されていれば
    → 男性登録時のみ、データ登録に問題があるのでは?

このように、

「どこまでが正常で、どこからが壊れているのか」

を切り分けていくことで、
不具合報告書は単なる 「NG通知」 から、
「原因特定を助ける情報」 へと変わります。

ChatGPT Image 2025年12月29日 00_22_01.png


まとめ:テスタの価値は「原因にどれだけ近づけたか」

テスタはコードを書かなくても、

  • どのレイヤーまで正常か
  • どこから壊れている可能性が高いか

再現条件と正常系との差分を整理し、共有することができます。

NGを見つけるだけなら他のテスタを越えられない。
NGの向こう側を考え、共有できるテスタは強い。

低給は、
視点を変えるきっかけになりました。

同じような境遇のテスタの方の、
何か一つでもヒントになれば幸いです。

ちなみに私は1年後に無事昇給しました。
しかし、NGの向こう側の旅はまだまだ長いのです。

NGの向こう側で会おうぜ


おまけ

あなたをNGの向こう側へと誘う翼を授けます。
実務では、この切り分けは次のようなレイヤー視点で考えると整理しやすくなります。

  • フロントエンド
    • 表示ロジック
    • ラベル・マッピング
  • APIレスポンス
    • 値自体が正しいか
    • 想定外の値が返っていないか
  • DB
    • 登録時点で壊れていないか
    • 性別コード・マスタ参照は正しいか

わかんねえよ、技術系は知らねえよ、ってなった方。
細かい技術的な話は出来なくてもいいのです。
少しでも情報を開発者に渡すことができれば、開発者が「どの層まで正常か」を読み解いてくれるかもしれません。

それだけでも不具合報告の精度は一気に上がります。

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