0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Claude CodeとCodexへの作業指示を「7項目テンプレ」に固定したら差し戻しループが消えた(コピペ用テンプレ付き)

0
Posted at

元記事はZennに投稿したものです。この記事はその実用部分をQiita向けに再構成しています。

「いい感じに直して」で公開済み記事を3本壊した

私は小さな副業の運営を、Claude CodeとCodexの2体のAIエージェントに任せる実験を続けています。指揮官役のClaude Codeが方針を決め、実行役のCodexがブラウザを操作して公開作業を行う体制です。

この体制を作る前、AIへの指示はこんな感じでした。

この記事、CTAが弱いからいい感じに直しておいて

結果どうなったか。AIはタイトル、本文、価格の案内文、タグまで一度に触ろうとしました。何が効いたのか分からなくなるうえ、触ってほしくない場所に触れる危険も増えます。実際、この曖昧な指示が原因で公開済み記事3本を壊した事故がありました。

もう1つの問題が差し戻しループです。指示が曖昧だと、実行役は「たぶんこういう意味だろう」で作業し、指揮官が「そうじゃない」と差し戻す。1つの修正に3往復かかることも普通でした。人間同士なら口頭で補足できますが、AI同士のやりとりでは、書かれていないことは存在しないのと同じです。

指示に必ず入れる7項目

50日近く運用して落ち着いたのが、指示を7項目の固定フォーマットで渡すルールです。

# 項目 何を書くか
1 対象 触る対象を1つに特定する 記事URL、原稿ファイル名
2 変更内容 変更前と変更後を原文で書く 「この文章」を「この文章」へ
3 許可範囲・禁止範囲 触ってよい場所と、絶対に触らせない場所 末尾追記のみ可。既存本文・タグ・価格は禁止
4 保存・公開の可否 ボタンを押してよいか 可/不可(下書き保存まで)
5 完了条件 何をもって完了とするか 公開URLで追記が表示されたら完了
6 確認項目 実行後にどこを見て検証するか タイトル・冒頭・末尾・リンクのHTTPステータス
7 承認状態 人間の承認が要るか、済んでいるか 不要/必要/承認済み

コピペ用テンプレート

そのまま貼って角括弧を埋めれば使えます。

対象:[URLまたはファイルパス]
変更:[変更前の原文]を[変更後の原文]へ
許可範囲:[触ってよい場所]
禁止範囲:[絶対に触らない場所]
保存・公開:[可/不可]
完了条件:[これが確認できたら完了]
確認項目:[実行後に検証する箇所]
本人承認:[不要/必要/承認済み]

NG例とOK例

同じ依頼を、埋める前と埋めたあとで並べます。

NG(実際に事故が起きた形)

この記事、CTAが弱いからいい感じに直しておいて

対象が「この記事」で特定されておらず、どこまで触ってよいかも、いつ終わりかも書かれていません。実行役は善意で全体に手を入れます。

OK(7項目を埋めた形)

対象:https://example.com/articles/xxxx
変更:末尾の「よければ読んでみてください。」を
      「同じ失敗をした人向けに、判断基準だけまとめた記事があります。」へ
許可範囲:末尾の1文のみ
禁止範囲:タイトル・本文・タグ・価格・有料境界の位置
保存・公開:可
完了条件:公開URLを再取得し、新しい1文が表示されている
確認項目:タイトルが変わっていないこと、タグ8件が維持されていること、
          変更後本文のSHA-256が指定値と一致すること
本人承認:承認済み

差分が1文に閉じているので、結果が悪ければその1文だけ戻せます。これが「何が効いたのか分からない」状態からの脱出でもありました。

効いているのはテンプレより「欠けたら作業しない」ルール

正直に言うと、テンプレそのものより効いているのは、セットにしたこちらのルールです。

7項目のうちどれかが欠けた指示を受け取ったとき、実行役は作業を始めず、不足項目を指揮官へ返す。

推測で空欄を埋めることを禁止した、と言い換えてもいいです。差し戻しループの原因は、実行役が「善意で空欄を埋めて」動いてしまうことでした。欠けたら止まる、を徹底してから、やり直しは目に見えて減りました。

実装としては、実行役側のルールファイル(AGENTS.mdCLAUDE.md に相当するもの)へ次の1行を入れるだけです。

受け取った作業指示に7項目のいずれかが欠けている場合、作業を開始せず、
不足している項目名を列挙して指示元へ差し戻すこと。推測で補完しない。

7項目は「指示する側」の抜けを検出する

意外な副作用がありました。指示を書く側(指揮官役のAI、そして人間の私)が、7項目を埋めようとして初めて、自分の考えの抜けに気づくのです。

  • 「保存・公開の可否」を書こうとして、公開前に自分が確認したかったことに気づく
  • 「完了条件」が1文で書けず、そもそも何をもって完了なのか決めていなかったと気づく
  • 「禁止範囲」を書こうとして、絶対に守りたい場所(価格・有料部分)が初めて明確になる

7項目は実行役のためのフォーマットに見えて、実際は指示する側の思考の抜けを検出する仕組みとして働いています。

人間がAIに頼むときも同じだった

このフォーマットはAI同士の指示用に作りましたが、人間がAIへ作業を頼むときにもそのまま使えます。

ChatGPTやClaudeに「直して」と頼んで、思っていたのと違う直され方をした経験がある人は多いはずです。原因はモデルの能力ではなく、対象・範囲・完了条件が指示に入っていないことがほとんどでした。7項目すべては重くても、最低限この3つを足すだけで結果は変わります。

  1. 対象(どのファイルのどこか)
  2. 禁止範囲(触ってほしくない場所)
  3. 完了条件(何が確認できたら終わりか)

まとめ:フォーマットは自由を奪わない、往復を減らす

指示をテンプレ化すると窮屈に感じるかもしれません。でも実際は逆で、7項目が揃った指示は一発で通るので、AIとの往復回数が減り、任せられる作業の範囲はむしろ広がりました。

まずは次にAIへ何か頼むとき、「対象・禁止範囲・完了条件」の3つを書き足すところから試してみてください。


この7項目フォーマットは、AI2体運用を支える設計判断の1つです。ほかの設計判断(役割分担・停止条件・公開前チェッカー・数字の回し方)は、続きの記事とZennの本にまとめています。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?