パイソンについて
うすうす感づいているかもしれませんが、この記事にはPython言語の話は出てきません。それでもこうしてこの記事に出会えたのも何かのご縁、ちょっとだけでも覗いていっていただけませんか。
普段Python言語を使っているソフトウェアエンジニアの方でも本物のパイソンを見たり触ったりしたことのある人は少ないのではないでしょうか。今日はそんなパイソンの魅力だけでもおぼえて帰っていただければと思います。
パイソンは日本語でニシキヘビと呼ばれていますが日本の野生では生息していません。美しい模様と、いかつい顔立ちが特徴のヘビです。
毒を持たず、鳴き声やにおいもなく、アレルギー源となる体毛もなく、餌は週に1回、寿命も10〜20年と長く飼いやすいため、犬や猫を飼えない事情がある人でも飼育できるペットとして近年人気が出ています。
特にボールパイソンは性格もおとなしく、大きくなりすぎないため初心者でも比較的安心して飼育できます。また、ボールパイソンはペットスネークの中でも美しいモルフのバリエーションが圧倒的という点でもおすすめです。
モルフとは
模様や色で分類される品種をモルフと呼びます。ボールパイソンは非常に多彩なモルフが特徴で、希少で人気のあるモルフは高額で取引されます。飼育下でのヘビの繁殖はそれほど難しくなく、好みのモルフを掛け合わせてあらたなモルフを作出する愛好家も多いです。
そのためここ数年で膨大な種類のモルフが生み出されてきました。これらのモルフの特徴をおぼえるのが大変なので作ったのが、今回紹介するウェブアプリBall Python Virtual Morph Makerです。
Ball Python Virtual Morph Maker
https://smallpinkmouse.github.io/virtualmorph/
https://github.com/smallpinkmouse/virtualmorph
色や模様の特徴をGUIで設定することができます。望むパターンができたら、Renderingボタンを押すとトグロを巻いたイラストが生成されます。
フレームワークはReactを使用、グラフィックの描画はp5.js、スライダーはrc-slider、カラーピッカーはreact-colorを使っています。
設定したパラメータをjson形式でローカルに保存して、後から再現できるようにしています。
モルフの特徴
ノーマルモルフのボールパイソンは逆三角形の斑紋(Blotch)とその中の2つの点が特徴で、宇宙人の顔に見えるためAlien Headと呼ばれています。
モハベモルフの場合、斑紋の黄色味が強くなり中の点の数もひとつになります。Keyholeとも呼ばれます。
スパイダーモルフの場合は、斑紋が大きくなり隙間が蜘蛛の糸のように細くなります。中の点は消失します。
生成したイラスト
レンダリングしたイラストはこのようになります。
野生下ではニュースになるくらい希少なアルビノも、爬虫類ブリーダーの間では遺伝を管理されているため、入手しやすいポピュラーなモルフとなっています。黄色の色素は残るため体色は完全に白にはならず、また目は赤くなります。
パイドとかパイボールと呼ばれる、印刷ミスのように模様が白く抜けるモルフも人気があります。
スパイダーは前述のように蜘蛛の巣のような模様が特徴です。頭部や虹彩も少し色が抜けて、猫目になる個体が多いようです。
横の斑紋が完全に消失して、背中の線だけが高速道路のセンターラインのように残るフリーウェイという品種です。
最後に
ボールパイソンがいかに多彩で美しい模様を持つかが伝わったでしょうか。
苦手な人もいるかと思うので、実物の写真はここまで出しませんでしたが、もし興味がわいたなら世界最大のボールパイソン情報サイトWorld of Ball Pythonsを見てみてください。
http://www.worldofballpythons.com/
最後に我が家で飼っているナムパイ君をごらんください。パステルクラウンというパステルとクラウン両方の特徴を引き継いだモルフになります。