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Google Play を導入せずに Windows Subsystem for Android を最大限活用する

Last updated at Posted at 2022-02-15

はじめに

2021 年 10 月にリリースされた Windows 11 の目玉機能の一つが Windows Subsystem for Android (WSA) です。WSA によって、サードパーティ製のエミュレータなしで Android アプリを Windows 上で実行することが可能になりました。
日本国内での利用も、2022 年 2 月現在ではマイクロソフト公式の方法ではできないものの、外部サイトを介してパッケージを直接ダウンロードすることで可能となりました。
しかしながら、現状の WSA にはパッケージの改変なしに Google Play を導入することができないという欠点があります。また、Google Play 開発者サービスのオープンソース互換アプリである microG を導入してもなかなかうまく行かない状況にありました。
そこで、本稿ではパッケージそのものを改変することなく Windows Subsystem for Android を最大限活用できるように、以下のことを目指していきたいと思います。

  • Google Play 開発者サービスなしでは動かないアプリを動かす
  • microG を機能させ、アプリの通知を有効化する

注意:以下のやり方の中にはリスクを伴うものがあります。自己責任でお願いします。また、記事に誤り等ございましたら遠慮なくご指摘ください。

セットアップ

以下に WSA を導入し、最低限楽に扱えるようにする手順を示します。

WSA の導入

まず、WSA を導入していきます。手法は、こちらの記事を参考にしました。

WSA_Pacman の導入

続けて、APK ファイルを簡単にインストールできるようにするツールである WSA_Pacman を導入します。手法は、こちらの記事を参考にしました。

Smart Drawer のインストール

今後インストールする Android アプリを一括で管理できるように、ランチャーアプリをインストールします。APK ファイルは APK Downloader から取得します。使い方はこちらの記事に記載してあります。インストールは WSA_Pacman を用います。

Aurora Store のインストール

Android アプリを一々 APK ファイルを取得することなくインストールするために Aurora Store をこちらからダウンロードします。インストールは WSA_Pacman を用います。

検証

これまでの作業で Windows 上で簡単に Android アプリをインストールし、一括管理できるようになりました。では、実際にアプリを動かしてみたいと思います。以下は筆者がいくつかのアプリをインストールした際の備忘録です (Smart Drawer と Aurora Store はこの時点で無事動きましたことを念のため記載しておきます) 。

Brave

WSA 内で動作するブラウザを入れておきたかったこともあって Aurora Store よりインストールした結果、無事動作しました。

ニコニコ漫画

PC を漫画用の大型タブレットとして活用してみたかったこともあり、Aurora Store よりインストールしましたが、起動時点でクラッシュしました。

Discord

よく使う通信系アプリであることもあり、Aurora Store よりインストールした結果、無事動作しました。しかしながら、アプリ通知は機能しませんでした。

YouTube Vanced

Google そのもののサービスは利用できなくても、互換アプリならいけるのではないかと思い、インストールしました。その際、関連するアプリも併せてインストールしました。なお、インストールはこちらの記事を参考に行いました。その結果、無事動作させることに成功しました。また、アプリの通知についても機能しました。
2022.03.25 追記:Youtube Vanced は開発を終了しました。

問題点の解決策

試行錯誤の結果、以下の事柄を実施することによって問題点を解決することができる可能性が見出されました。なお、以下に記載する内容は未だ検証途中のものであるので、今後さらなる知見が得られた場合は順次アップデートしていきます。

microGの導入

こちらの記事の手順に従って microG を導入します。

App Clonerの導入

Android アプリを複製、改造できるアプリである App Cloner を導入します。導入方法および操作方法はこちらの記事の通りです。

アプリの複製

App Cloner を用いて、インストールしたアプリを次のような設定で複製します。

  • クローニングオプション
    • クローニングモード:Manifest
    • クラッシュを無視する
    • Google Play サービスの回避策
    • Google Play サービスの非表示

上 2 つの設定は、複製したアプリがクラッシュすることを回避するために必要です。また、下 2 つは Google Play 開発者サービスとの連携が必要なアプリを単独で動かすために必要です。これらの設定の下で複製したアプリは複製元のアプリの通知が機能しなかったものであっても microG を通じて通知を受けることができました。

おわりに

WSA に関する情報が日本国内ではまだ少ない現状を鑑みて、このような記事を書いてみました。まだまだ検証段階の内容も多いですし、この記事の内容をもとに WSA がより使いやすいものへと変わっていけば幸いです。

参考文献

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