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Pandocの比較的簡単なインストール方法

(更新:2018年9月12日)

私はよくTwitterでPandocをキーワードに検索するのですが、
Pandocのインストールについて「失敗した」「難しい」という声をよく聞きます。

そこで、今回はもう少し簡単にPandocをインストールする方法を紹介します。

マウス操作でインストールしたい:インストーラを使う

最も簡単な方法はこれです。
コマンドラインにあまり馴染みのない方は、インストーラを使うことをおすすめします。

まず、下記のダウンロードページに行きます。

https://github.com/jgm/pandoc/releases/latest

リストの中から、自分のOSに合ったものを選んでください。
2.x.xの部分はバージョン番号なので、その都度変わります)

  • pandoc-2.x.x-macOS.pkg
    • macOSの場合
  • pandoc-2.x.x-windows-x86_64.msi
    • Windows(64bit)の場合
  • pandoc-2.x.x-windows-i386.msi
    • 古いWindows(32bit)の場合

あとは、ダブルクリックをして、インストーラの指示に従えばPandocをインストールできます。

ただし、Pandoc本体を使う際はコマンドラインでpandocを使う必要があります。

  • macOS
    • ターミナル
  • Windows
    • コマンドプロンプト
    • PowerShell

Windows 10以降のUbuntuアプリ上で使いたい場合は、下記「パッケージマネージャでインストール」を参照

※ 「Typora」というMarkdown専用エディタを使うと、
コマンドラインを使わずにMarkdown→各種ファイルの変換が可能です。(裏でPandocを使っています)

コマンドで簡単にインストール: パッケージマネージャでインストール

その次にお手軽なのは、各OSに対応したパッケージマネージャを使う方法です。
バージョンが古い場合があることに注意すれば、コマンドラインを普段から使う人には最もおすすめです。

Mac

macOSではHomebrewが利用できます。
Homebrew本体のインストール方法は公式サイトを参照してください。

$ brew install pandoc

Windows(コマンドプロンプト・PowerShell)

コマンドプロンプト・PowerShellでは、Chocolateyが利用できます。
(どちらか一方でインストールすれば、両方で使えます)

1行スクリプトをコマンドプロンプトに貼り付けて実行します。

Chorolatey本体のインストール方法

(参考:Installation - Chocolatey

a) コマンドプロンプトを使う場合

コマンドプロンプト(管理者権限付き)を開きます。
(Windows 10:検索バーで「cmd」と検索→右クリックで「管理者として実行」をクリック)

@"%SystemRoot%\System32\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe" -NoProfile -InputFormat None -ExecutionPolicy Bypass -Command "iex ((New-Object System.Net.WebClient).DownloadString('https://chocolatey.org/install.ps1'))" && SET "PATH=%PATH%;%ALLUSERSPROFILE%\chocolatey\bin"

b) PowerShellを使う場合

PowerShell(管理者権限付き)を開きます。
(Windows 10:検索バーで「powershell」と検索→右クリックで「管理者として実行」をクリック)

Set-ExecutionPolicy Bypass -Scope Process -Force; iex ((New-Object System.Net.WebClient).DownloadString('https://chocolatey.org/install.ps1'))

Chocolateyを使ったPandocのインストール

Chocolateyがインストールできたら、下のコマンドでPandocをインストールします。

> cinst pandoc

コマンドプロンプトでpandoc -vを試してみて、 うまく起動できない場合は一旦ログオフして再ログオンしてみてください。

Linux / Ubuntuアプリ(Windows 10)

Ubuntu/Debianの場合はapt-get、Redhat系(CentOS, Fedoraなど)はyumを利用します。

Windows 10以降で利用できるUbuntuアプリを利用する場合も、apt-getでインストールします。

apt-get

$ sudo apt-get install pandoc

yum

$ sudo yum install pandoc

最新版を使いたい: Stackを用いたインストール

※ この記事の公開初期はcabal sandboxを使った方法を紹介していましたが、
2018年9月現在ではStackを使った方法を推奨します。

Pandocは比較的開発ペースが速い方のツールなので、最新機能やバグ修正がすぐに出てきます。

上記のようなパッケージマネージャのPandocはバージョンが古い場合もあるので、
Pandocの最新バージョンを利用したい場合は、Stackでのインストールを推奨します。

PandocはHaskellというプログラミング言語で書かれています。
Haskellの開発環境を整えるツールが、Stackです。
このStackを使って直接、最新版のPandocをインストールすることが可能です。

Stackのインストール

Stackを用いたPandocのインストール

一度Stackがインストールできれば、コマンドラインで次のように実行できるはずです。
(内部でソースコードからビルドするので、時間がかかります)

$ stack install pandoc

※ 手動でソースコードをダウンロードしてインストールしたい場合は、公式サイトの手順を読んでください。

Pandoc - Installing pandoc

共通:Pandocの動作確認

インストールが完了したら、pandoc -vを実行すると、インストールされているかどうかが確認できます。
(下記のような表示が出たらインストール成功。詳細は異なります)

$ pandoc -v 
pandoc 2.2.1
Compiled with pandoc-types 1.17.4.2, texmath 0.11, skylighting 0.7.1
Default user data directory: /Users/(ユーザー名)/.pandoc
Copyright (C) 2006-2018 John MacFarlane
Web:  http://pandoc.org
This is free software; see the source for copying conditions.
There is no warranty, not even for merchantability or fitness
for a particular purpose.

おまけ:PandocでPDFを出力するためのインストール手順

Pandocだけでは、PDFを直接出力できません。他のソフトの力を借りることになります。

Pandocを用いて日本語文書から直接PDFに変換するためには、次の方法があります。

  • 「wkhtmltopdf」を使う
    • 内部でHTMLに変換してからPDFに出力します
    • 手っ取り早い。美しさはまあまあ?(HTML/CSSで調整は可能)
  • 「LuaLaTeX」または「XeLaTeX」を使う
    • 組版の美しさに定評のあるTeX環境を使って、PDFに出力します
    • 欧文TeX環境として有名なpdfTeXは、日本語組版をうまくできないようです。(難易度高)
    • 日本語圏で有名なpTeX(pLaTeX)については、Pandocが直接サポートしません。どうしてもpTeXを使いたい場合は BXjscls を使う方法もあります。

※ 面倒な場合、「Word(-t docx)またはLibreOffice Writer(-t odt)に出力して、Word/WriterでPDFに変換する」方法もあります。

wkhtmltopdfを使う場合のコマンド例(どちらでもOK)

$ pandoc hoge.md -s -o hoge.pdf -t html5 
$ pandoc hoge.md -s -o hoge.pdf --pdf-engine=wkhtmltopdf

LuaLaTeXを使う場合のコマンド例(ltjsarticleという、LuaTeX-jaによる日本語文書向けドキュメントクラスを使用)

pandoc hoge.md -o hoge.pdf -V documentclass=ltjsarticle --pdf-engine=lualatex

wkhtmltopdfのインストール

wkhtmltopdfのダウンロードページから、自分に合ったOSのものをダウンロードしてください。

  • Windows(最新バージョンの場合): MSVC win64
  • macOS(最新バージョンの場合): Cocoa 64-bit

あるいは、上記の各種パッケージマネージャでもインストールできるはずです(割愛します)。

TeX環境のインストール

最も手っ取り早くTeX環境をインストールするには、TeXLive(scheme-full)を利用するのが無難です。
全部入りなので、パッケージが足りなくてトラブルになることが少ないからです。

ただし、TeXLiveのscheme-fullは非常に巨大(数GB)なので、ディスク容量に余裕を持たせてからインストールを実行しましょう。

Windowsの場合は「TeXインストーラ 3」がお手軽かつ容量少なめのようです。
LuaLaTeX/XeLaTeXも含まれているので、通常の用途で困ることはあまりないでしょう。

以下、インストール方法はTeX Wikiの説明に譲ります。

TeX環境の容量をできるだけ抑えたい人向け:BasicTeX

より軽量なTeXディストリビューションとして、BasicTeXがあります。
TeXLive(scheme-full)よりもかなりインストール容量を抑えられます。

ただし、インストール作業が面倒です。
tlmgrというTeXLive附属のパッケージマネージャを駆使するので、下記ページを一読するのをお勧めします。

tlmgr - TeX Wiki

以下、macOSを例に説明します。

まず、Homebrewを用いてBasicTeXをインストールします。

brew install ghostscript
brew install imagemagick
brew tap phinze/homebrew-cask
brew cask install basictex
brew cask cleanup

インストールが終わったら、.bash_profileなどにパスを通しておきます。

export PATH=/usr/texbin:$PATH

次に、tlmgrを用いて、LuaLaTeXをインストールします。
(collection-langcjkをインストールすれば、自動的にLuaLaTeXもついてきます。)

sudo tlmgr update --self
sudo tlmgr update --all
sudo tlmgr install collection-langcjk

おまけ:pTeXを利用するには、次のようにします。

sudo tlmgr install ptex ptex2pdf jfontmaps jsclasses japanese-otf

BasicTeXについての参考資料