はじめに
フリーランスエンジニア(QA、React/TypeScript、Playwright)2年目の筆者が、ClaudeとともにObsidianを「第二の脳」として育てた3日の記録です。
本記事は3部作の第1弾です:
- 第1弾(本記事): Vault基盤構築・タグ体系・スマホ同期
- 第2弾: Claude Code連携(Claudian + obsidian-skills + defuddle)
- 第3弾: 業務効率化(カスタムコマンド + Agent Teams + Dataview)
すべて3日で完成させた記録なので、「Obsidianを始めたい」「AIで知識管理を強化したい」エンジニアの方の参考になれば幸いです。
なぜObsidianなのか
課題: 知識が散らばっていた
- 学習ノート(紙、PDF、Wordバラバラ)
- 仕事の技術メモ(Notion、Slack、メモアプリに散在)
- ブックマークした記事(読まずに溜まる)
- AIツール関連の発見(Twitter/Xで流れていく)
Obsidianに期待したこと
- ローカルファースト: ファイルが自分の手元に残る(Notionの「サービス終了したら?」不安がない)
- Markdown: エンジニアとして馴染みのある形式
- 双方向リンク: 鍼灸の経絡・経穴・症状の関連性を視覚化したい
- AI連携: Claudeと統合して知識作業を自動化したい
完成した構成
最終的に以下の構造になりました:
teck-vault/
├── CLAUDE.md # Claude Codeへの指示書
├── .gitignore
├── .obsidian/ # Obsidian設定
├── 10_趣味/
└── 20_AI_Tech/ # AI/技術メモナレッジベース
├── 00_Inbox/ # Web Clipperのデフォルト保存先
├── Claude/
├── LLM全般/
├── ツール/
├── 記事ネタ/
└── ブックマーク/
├── X/
└── Qiita/
ステップ1: Vault基盤の構築
ノートの作成(PDFから自動生成)
筆者の場合、健康・医学PDFや授業のPPTXがあったので、Claudeに依頼して66ノートを一括生成してもらいました。
ノートのテンプレート
---
tags:
- 筋肉/筋/骨格
---
# 上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
## 位置
起始 長頭:肩甲骨の関節上結節 短頭:烏口突起
停止 橈骨粗面、上腕二頭筋腱膜
## 動作
肘関節の屈曲
前腕(橈尺関節)の回外
肩関節の屈曲
4階層タグ体系の設計
タグは平面的に並べるのではなく、階層化しました。
#体
├ 筋肉/筋/骨格
└ 五輸穴/井穴|滎穴|兪穴|経穴|合穴
#bookmark
├ Qiita
├ X
├ blog
└ docs
#status
├ 未読
├ 読了
├ 要再読
└ 記事化候補
メリット:
これにより、横断的な検索が一発でできるようになりました。
ステップ2: GitHub同期セットアップ
失敗談2: SSH鍵の登録忘れ
PCで git push したら認証エラー。原因はSSH鍵がGitHubに登録されていなかったこと。
学び: 既にid_rsa.pubが手元にあるなら、それをGitHubに登録するだけ。新規生成は不要。
# 公開鍵の確認
cat ~/.ssh/id_rsa.pub
# GitHubに登録(Settings → SSH and GPG keys → New SSH key)
# 動作確認
ssh -T git@github.com
# → Hi koyamatea! You've successfully authenticated...
失敗談3: .gitignoreが「gitignore」になった
ブラウザでファイルをダウンロードしたら、ドット(.)が落ちて gitignore として保存されていました。
解決:
mv gitignore .gitignore
地味だけど、見落としがちなポイント。
Obsidian Gitプラグインで自動同期
PC側で Obsidian Git プラグイン(作者: Vinzent03)を導入。
主な設定:
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Auto commit-and-sync interval | 10分 |
| Auto commit-and-sync after stopping file edits | ON |
| Pull on startup | ON |
これでファイル編集を止めて10分経つと自動コミット&プッシュされる運用が完成。
ステップ3: スマホ同期(最大の難所)
選択肢の検討
| 方法 | コスト | 難易度 |
|---|---|---|
| iCloud Drive | 無料 | 低(ただし不安定) |
| Obsidian Sync | 月$4〜10 | 低 |
| Working Copy + Git | 一回2,000円 | 中 |
| Obsidian Git on iOS(PAT認証) | 無料 | 中 |
| Remotely Save | 無料(要S3等) | 中〜高 |
最初、Working Copyの2,000円を払う気でいましたが、YouTubeで「Working Copyを使わずGitHubと同期する方法」を見つけて方針転換しました。
Personal Access Token (PAT) で認証
iPhoneのObsidian GitプラグインはSSH鍵が使えないので、PATで認証します。
PAT生成手順
GitHubの設定 → Developer settings → Personal access tokens → Fine-grained tokens → Generate new token
設定値:
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Token name | obsidian-mobile |
| Expiration | Custom(1年後)⚠️ No Expirationは非推奨 |
| Repository access | Only select repositories → shinkyu-vault
|
| Contents | Read and write |
| Metadata | Read-only(自動) |
⚠️ 重要: トークンは生成時の1回しか表示されないので、必ずパスワードマネージャーに保存。
クローン時の選択
Obsidian Git: Clone an existing remote repo を実行すると、いくつか質問されます:
-
URL:
https://github.com/koyamatea/shinkyu-vault.git(HTTPS、SSHではない) -
Enter directory for clone:
.(現在のVaultにそのまま展開) -
Does your remote repo contain a
.obsidiandirectory at the root?: Yes(PCの設定を共有)
これで、PCのVaultがそのままiPhoneに同期されました。
ステップ4: CLAUDE.mdの配置
ClaudeにVault内で作業を依頼するとき、毎回ルールを伝えるのは非効率。そこでVaultのルートに CLAUDE.md を配置して、ClaudeがVault運用ルールを自動的に読むようにしました。
CLAUDE.mdの主要セクション
# CLAUDE.md
## Vaultの全体像
[フォルダ構造の説明]
## 絶対に守ること
1. 既存ノートを破壊しない
2. Git管理を意識する
3. ファイル名規則を守る
## AI/技術ノートのスキーマ
[Web Clipper保存記事と手動作成のテンプレート]
## タグ運用の原則
[4階層タグ体系の説明]
## やってほしいこと
- 横断的な質問への対応
- ノートの追加・整理
- 試験対策のサポート
## やらないでほしいこと
- 既存ノートの大規模な書き換え(事前確認なし)
- フォルダ構造の変更
- タグ体系の独自拡張
これがあるおかげで、Claudeに「肝経の経穴ノートを5つ追加して」と頼むだけで、既存スキーマに沿った一貫性のあるノートが生成されます。
学んだこと
1. 完璧を目指さず、動くものを作る
最初から「全経絡の全経穴ノート」を作ろうとすると挫折する。脾経の21穴だけで運用を始めて、必要に応じて足す方が長続きする。
2. AIで一括生成→手動修正のサイクル
PDFや教材があれば、Claudeに依頼して大量生成 → 自分でレビュー・修正、というサイクルが圧倒的に速い。ゼロから書くのは非効率。
3. タグは設計してから付ける
タグを場当たり的に付けると、後で整理が大変。最初に階層構造を設計してから付与する方が、長期運用で破綻しない。
4. CLAUDE.mdは生きた文書
最初は完璧でなくてOK。使ってみて「このルールは厳しすぎる」「このパターンも追加したい」となったら、その都度更新する。
次回予告
第2弾では、Claude Code連携を扱います:
- Claudian プラグインの導入
- obsidian-skills(Obsidian公式スキル)の活用
- defuddle で Web Clipper の限界を突破
- Claude Code CLI と Obsidian の双方向連携
- iPhone から自宅 Mac の Claude Code を操作(Remote Control)
「ObsidianとClaudeを統合したいが、何から始めればいい?」という方の参考になれば幸いです。
関連リンク
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。コメント・質問はお気軽にどうぞ。