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kubernetesにあるIngress Controllerの一覧を挙げてみる

Last updated at Posted at 2018-12-17

はじめに

Ingress ControllerはL7 Load Balancerの機能を果たすものであり、Ingressリソースはそのルールを定義したものです。このIngress Controllerを実際に実装したものは数多作られており、環境によって、大なり小なり記述方法が違ったり、特性が違ったりしています。

そんな中で、本日はそれぞれのIngress ControllerをIntroできればと思います。 1

Ingress Controllers

kubernetes/ingress-nginxとnginxinc/kubernetes-ingress with NGINX

Nginxを利用したIngressには2つの種類があります。Kubernetes Community管理のkubernets/ingress-nginxとNGINX社とそのCommunityが管理するnginxinc/kubernetes-ingressです。

下記にそれぞれの違いを挙げています。正確な情報としてはDifferences Between nginxinc/kubernetes-ingress and kubernetes/ingress-nginx Ingress Controllersを参照ください。

特徴 kubernetes/ingress-nginx nginxinc/kubernetes-ingress with NGINX nginxinc/kubernetes-ingress with NGINX Plus
基本機能
作者 Kubernetes community NGINX Inc and community NGINX Inc and community
NGINバージョン Custom NGINX build that includes several third-party modules NGINX official mainline build NGINX Plus
商用サポート N/A N/A 含まれている
LB設定
同一ホストに複数のIngressルールをマージする 利用可 利用可 利用可
HTTP load balancing extensions - Annotations supported annotationsを参照 supported annotationsを参照 supported annotationsを参照
HTTP load balancing extensions -- ConfigMap supported ConfigMap keysを参照 supported ConfigMap keysを参照 supported ConfigMap keysを参照
TCP/UDP ConfigMap経由 ネイティブのNGINX設定によるConfigMap経由 ネイティブのNGINX設定によるConfigMap経由
Websocket 利用可 annotation経由で利用可 annotation経由で利用可
TCP SSLパススルー ConfigMap経由で利用可 利用不可 利用不可
JWT validation 利用不可 利用不可 利用可
セッション管理 サードパーティモジュール経由で利用可 利用不可 利用可
Configurationテンプレート templateを参照 templatesを参照 templatesを参照
デプロイ
Command-line引数 argumentsを参照 argumentsを参照 argumentsを参照
デフォルトサーバの為のTLS証明書と鍵 command-line引数(必要に応じて)/ 自動生成 command-line引数(必要に応じて) command-line引数(必要に応じて)
Helmチャート 利用可 利用可 利用可
運用
拡張ステータス サードパーティのモジュール経由 利用不可 利用可
エンドポイントの動的再設定(設定の再リロードはしない) サードパーティのLuaモジュールによって利用可 利用不可 利用可

Contour

ContourはEnvoyをデプロイするすることによって動作するIngress Controllerです。Traefikと同様に動的なコンフィギュレーションの更新をサポートしているのが特徴の一つかなと思います。

また、Custom Resource Definition(CRD)によって新たに実装されたIngress API(IngressRoute)も利用することで既存のIngress APIの機能を拡張しているなどの特徴があります。

その他の特徴として、

  • WebSocket対応
  • ヘルスチェック
  • 5種類のLB algorithm(RoundRobin, WeightedLeastRequest, RingHash, Maglev, Ramdom)

また、IngressRouteの特徴としては以下のような感じになります。

  • namespaceのVirtual hostsとTLS証明書の設定可否を制限する機能
  • パスorドメインルーティングを別のnamespaceに委譲機能
  • 単一のルート内での複数のServiceの受け入れとトラフィックの負荷分散
  • annotationなしでのServiceの重み付けとロードバランシング
  • 作成時のIngressRouteのバリデーションと作成後のステータスレポート

標準のIngressとの比較は次のようになります。そこまで大きな記述差はないと言った印象です。

ingress.yaml
apiVersion: extensions/v1beta1
kind: Ingress
metadata:
  name: basic
spec:
  rules:
  - host: foo-basic.bar.com
    http:
      paths:
      - backend:
          serviceName: s1
          servicePort: 80
ingressroute.yaml
apiVersion: contour.heptio.com/v1beta1
kind: IngressRoute
metadata:
  name: basic
spec:
  virtualhost:
    fqdn: foo-basic.bar.com
  routes:
    - match: /
      services:
        - name: s1
          port: 80

Traefik

TraefikはContainous社が手掛けるHTTPリバースプロキシ/ロードバランサで、Docker Swarm、kubernetesやMarathonなどのオーケストレータに組み込むことができます。他のIngressと違い、Circuit breakersやWeb UIを備えていたりします。

ちなみに、2018/12/11に、エンタープライズ版であるTraefikEEがpublic beta版として登場したようです。TraefikEEのクラスタ化において、TraefikEEはkubernetesのetcdのクラスタ化に使用される分散合意アルゴリズムであるRaftを使用しているそうです。これによって、TLS証明書と設定を安全に管理し、複製することができます。こちらはOSS版よりもより、HAや鍵の分散管理など分散アーキテクチャを強化しており、可用性やスケーラビリティ、安全性を確保するのに特化したみたいです。^

TraefikEEではdata planeとcontrol planeでノードを管理するみたいですね。
Istioのデジャヴを何か感じます。。。

TraefikではDeployment若しくはDeamonSetにて、デプロイすることができます。
以下にそのサンプルを上げておきます。

traefik-deployment.yaml
---
apiVersion: v1
kind: ServiceAccount
metadata:
  name: traefik-ingress-controller
  namespace: kube-system
---
kind: Deployment
apiVersion: extensions/v1beta1
metadata:
  name: traefik-ingress-controller
  namespace: kube-system
  labels:
    k8s-app: traefik-ingress-lb
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      k8s-app: traefik-ingress-lb
  template:
    metadata:
      labels:
        k8s-app: traefik-ingress-lb
        name: traefik-ingress-lb
    spec:
      serviceAccountName: traefik-ingress-controller
      terminationGracePeriodSeconds: 60
      containers:
      - image: traefik
        name: traefik-ingress-lb
        ports:
        - name: http
          containerPort: 80
        - name: admin
          containerPort: 8080
        args:
        - --api
        - --kubernetes
        - --logLevel=INFO
---
kind: Service
apiVersion: v1
metadata:
  name: traefik-ingress-service
  namespace: kube-system
spec:
  selector:
    k8s-app: traefik-ingress-lb
  ports:
    - protocol: TCP
      port: 80
      name: web
    - protocol: TCP
      port: 8080
      name: admin
  type: NodePort

Deploymentからデプロイする代わりに、以下のように入力することで、
stable/traefikのHelmチャートを利用することができます。

helm install stable/traefik

Other Controllers

上記に挙げなかったIngress Controllerを以下に列挙します。

F5 BIG-IP Controller for Kubernetes

ロードバランサの老舗であるF5のIngress Controller。サイトにある特徴を以下に列挙します。

  • 動的にBIG-IPオブジェクトの作成、管理、削除ができる
  • NodePortもしくはClusterIPを経由で、BIG-IPデバイスからKubernetesクラスタにトラフィックを転送する
  • F5 iAppsのサポート
  • kubernetesによって作られたF5特有のVirtualServerオブジェクトを処理する
  • F5特有の拡張機能の使用で、標準Kubernetes Ingressを処理する

詳しくはF5 BIG-IP Controller for Kubernetesをご参照ください。

Kong Ingress Controllerfor Kubernetes

Kongの特徴を以下に挙げます。

  • Kongの設定にIngressの使用
  • ロードバランスしとアクティブ&パッシブヘルスチェックのサポート
  • リクエストがサービスにプロキシされる際に、カスタムコードを実行する
  • プラグインを使用することで、リクエスト/レスポンスを即座に変更可能
  • 認証プラグインを使用してのサービス保護
  • CRDを使用するKongの設定と宣言的なKongの管理

詳しくはGithubのレポジトリKong/kubernetes-ingress-controllerをご参照ください。

nghttpx Ingress Controller

ZLab様によるzlabjp/nghttpx-ingress-lbはHTTP/2に対応したIngress ControllerでNginx Ingress Controllerをベースとして作られています。

HAProxy

多機能なプロキシサーバとして有名なHAProxyをIngress Controllerとして利用したのが、jcmoraisjr/haproxy-ingressになります。

GKE

GKEでは専用のIngress Controllerが既にデプロイされている為、省略。

おわりに

きれいにまとめることができませんでしたが、皆様の新たな
情報収集としてお役に立てればと思います。

何かご指摘あればコメントにてよろしくお願いします。

今年も残りわずか、メリクリスマス。

参考文献

Ingress
Traefik Documentation
Differences Between nginxinc/kubernetes-ingress and kubernetes/ingress-nginx Ingress Controllers
[Kubernetes] オンプレでも GKE Like な Ingress を使うために 自作 Ingress Controller を実装してみた

  1. ドキュメント量的に、時間を取らなかった事を大いに反省しています。

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