Polymer でローカルストレージを使う

Polymer でローカルストレージを利用したい場合、app-storage の app-localstorage-document タグを利用します。

iron-localstorageは現時点で deprecated になっています。

app-localstorage-document タグはローカルストレージに変更があったとき data-changed というイベントを発火します。
このイベントがきたら、 event.detail.value もしくは、タグの data 属性から値を取得することができます。

例えば以下のように記述します。

<dom-module id="demo">
  <template>
    <app-localstorage-document id="storage" key="hoge"></app-localstorage-document>
  </template>

  <script>
    Polymer({
      is: 'demo',
      listeners: {
        'data-changed': '_dataChanged',
      },
      setValue: function(value) {
        this.$.storage.set('data', value);
      },
      _dataChanged: function(event) {
        console.log(event.detail.value);
      },
    });
  </script>
</dom-module>

demo エレメントを使ってブラウザを複数のタブで開くと、setValue したタブの値が、他のタブではコンソールに出力されます。

現状

この実装を様々なブラウザ（最新版）で試してみたところ、下記のような状況でした。

Chrome	Firefox	Safari	IE11	Edge
OK	OK	OK	NG	NG

app-localstorage-document タグの実装を確認してみると、以下のようになっています。

app-localstorage-document.html#L82

      attached: function() {
        this.listen(window, 'storage', '__onStorage');
        this.listen(
            window.top,
            'app-local-storage-changed',
            '__onAppLocalStorageChanged');
      },

window.onstorage イベントでローカルストレージの変更を受け取って、__onStorage を呼び出しています。

app-localstorage-document.html#L182

      __onStorage: function(event) {
        if (event.key !== this.key ||
            event.storageArea !== this.storage) {
          return;
        }
        this.syncToMemory(function() {
          this.set('data', this.__parseValueFromStorage());
        });
      },

__onStorage では、__parseValueFromStorage を呼び出しています。

app-localstorage-document.html#L204

      __parseValueFromStorage: function() {
        try {
          return JSON.parse(this.storage.getItem(this.key));
        } catch(e) {
          console.error('Failed to parse value from storage for', this.key);
        }
      },

__parseValueFromStorage では、 this.storage で実際のローカルストレージから値を取得しています。

MS系のブラウザでは、window.onstorage イベントのタイミングでは、ストレージの内容は書き換わっていないようです。
（実際に開発者ツールを使って確認すると、イベント受信時はローカルストレージの値は古いままだったのですが、イベント処理が終わったあとで確認すると、新しい値になっていました。）

対応

https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/API/WindowEventHandlers/onstorage
のサイトを確認すると、イベントオブジェクトには newValue と oldValue が設定されていることがわかりました。

実際にその値をチェックすると、IE11やEdgeでも変更された値が入っていることがわかりました。
なので、先ほどの例を簡単に書き換えると、以下のようになります。

<dom-module id="demo">
  <template>
    <app-localstorage-document id="storage" key="hoge"></app-localstorage-document>
  </template>

  <script>
    Polymer({
      is: 'demo',
      setValue: function(value) {
        this.$.storage.set('data', value);
      },
      _dataChanged: function(event) {
        console.log(event.newValue);
      },
      ready: function() {
        this.listen(window, 'storage', '_dataChanged');
      }
    });
  </script>
</dom-module>

これでIE11やEdgeでも値の同期を行うことができるようになります。
ただし、このコードには問題があって、ローカルストレージのキーのチェックなどはしていないので、前述の __onStorage のようにチェックは必要になると思います。

issue を書いた

上記内容を issue にして上げておいたので、修正されると良いなーと思っています。
（時間があったらPRしたいとも思っている）