#はじめに
国土地理院が公開している基盤地図情報のデータを,shapefile形式に変換して,QGISで表示してみようというものです。
地理情報や空間情報を扱う人ならご存じの方はそこそこ多いと思いますが,本稿はあくまでも筆者の私自身が忘れないように書き記すものですので,あしからず。
###基盤地図情報とは
基盤地図情報とは,地理空間情報活用推進基本法で規定され,国土交通省令として定められている整備項目である,道路や河川等の骨格的な地物の情報のことです。
基盤地図情報に含まれるデータは,国土交通省令として定められている基盤地図情報項目のうち
・測量の基準点
・海岸線
・行政区画の境界線及び代表点
・道路縁
・軌道の中心線
・標高点
・水涯線
・建築物の外周線
・市町村の町若しくは字の境界線及び代表点
・街区の境界線及び代表点
の10項目です。また、参考情報として等高線などのその他のデータも含まれています。
地域によって整備方法や情報の精度が異なっていますが,主に5mメッシュ(標高)、10mメッシュ(標高)の2種類があります。
###基盤地図情報データのダウンロード
データは国土地理院の基盤地図情報ダウンロードページからダウンロード出来ます。
上記サイトからダウンロードしたい情報を選び,ファイル選択をクリックしてダウンロードします。(ダウンロードファイルリストのページでは、何か理由が無い限り「全てチェック」をクリックして「まとめてダウンロード」しておくのが無難と思われます)
ダウンロードする際、地図データの他に「基盤地図情報ビューア」というソフトウェアもあると便利です。shapefileに変換する際にはこのソフトはマストアイテムとなります。
・基盤地図情報ビューアをダウンロード(リンク先の一番下にあります)
###ダウンロードデータについて
国土地理院の基盤地図情報ダウンロードページからダウンロード出来るファイルは,基盤地図情報(公開用)応用スキーマによって定義された構造を持つデータを,「JIS X7136(地理マーク付け言語)」に基づいて,XMLの形式で符号化したデータファイルです。
すなわち,一般的なGISソフトで扱われるファイル形式ではないのです。
そのため,GISソフトにて扱いやすいファイル形式に変換しなければならないのです。(話に聞くところでは最新のバージョンのQGISでも読み込めますが,非常に使い勝手が悪いそうで。。。)
#データの変換方法
本題に入ります。
(本稿では,基盤地図情報のデータ:メッシュ番号533945番のものを例として使用します。)
###ダウンロードしたデータを表示する
ひとまず,ダウンロードした基盤地図情報データを基盤地図情報ビューアに表示させたものが下の画像です。
表示設定を何も操作していない状態なので,とても混沌としていますね。
文章の最初の方で述べている基盤地図情報の項目が全て表示されているので,このような表示になっています。
しかし率直に言うと基盤地図情報ビューアではほとんど情報は扱いませんので,表示する情報の取捨選択を行います。
左上の「設定」→「表示設定」から,最低限のものだけを表示させます。(これは強制ではありませんが,おおかたのスペックのPCでは大量のデータを読み込むのに時間がかかると思いますので,なるべく情報量は少ないほうがよいでしょう)
行政区画と水域にさえチェックしておけば,どこが表示されているかは分かると思います。
###データの変換
左上にある,「エクスポート」で変換種別を選択し,変換するデータを選択します。
任意のフォルダを選択すると,そこに変換されたファイルがあらわれます。
この表示が出たら,変換は正常に終了したということです。
#変換したデータをQGISにて表示
QGISが扱える方なら,あとはもう流れ作業です。
いつもどおりshapefileをレイヤに追加し,シンボロジから任意の色や形にしてください。
(出典:基盤地図情報;薄色地理院タイル)
さすが新宿,圧倒的な情報量ですね......笑
#おわりに
以上がデータの変換作業の流れです。QGISで基盤地図情報を扱う機会はわりかし多いので,今後も活用していけたらと思います。