Pandocで出力されるWordファイルの見た目を変更する方法の備忘録です。見出しにつく青い付箋マークの消し方も扱います。
環境
・ Windows11
・ VSCode
・ Word(Web版)
テンプレートファイルを用意
pandocでは一つのWordファイルをテンプレートとして読みこみ、それを元にデザインを決定します。なのでまずは自分で好きにデザインしたWordファイルを用意します。
一つ注意点ですが、見出しなどを作りたいとき、本文に書いてからフォントサイズを大きく、とするとpandocは見出しではなく本文として扱います。なので見出しなどを作りたいときは以下の画像のように「見出し1」などを選択してから変更してください。表題や引用なども同様です。
pandocデフォルトのスタイルを知りたいときは、ターミナルなどでpandoc -o custom-reference.docx --print-default-data-file reference.docx
と打つとpandocデフォルトのスタイルのWordファイルが出力されます。
今回は以下のようなファイルを作成しました。(Microsoftが配布しているレポート用のテンプレートを改変)
これをreference.docx
として保存します。
テンプレートファイルの配置
ユーザーデータディレクトリに先ほど作成したテンプレートファイルを配置します。
ターミナルなどでpandoc -v
を実行すると、 ユーザーデータディレクトリへのパスなどが表示されます。
人によって異なると思いますが今回は以下のように表示されたので、pandoc
ディレクトリにテンプレートファイルを配置します。
User data directory: C:\Users\username\AppData\Roaming\pandoc
注意点を3つ。
- AppDataは隠しファイルなので、隠しファイルを表示する設定にしてください。
-
pandoc
ディレクトリが存在しない場合は自分で作成してください。 -
pandoc
ディレクトリではなくpandoc\templates
ディレクトリでないとうまくいかないかもしれません。
青い付箋マークの消し方
実行時のコマンドに-f markdown-auto_identifier
を追加すると見出し横の青い付箋マークが消えます。
VSCodeの場合はsetting.json
に"pandoc.docxOptString": "-f markdown-auto_identifiers"
を追加します。
参考サイト
Pandoc User’s Guide 日本語版
メモ: Pandocのテンプレートとデータディレクトリの優先順位
論文とレポート(Microsoftのテンプレート)
generation of bookmarks in docx writer cannot be disabled · Issue #3476