プログラミングの話によく出てくる抽象化
抽象化（ちゅうしょうか、英: Abstraction、独: Abstraktion）とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法である[1]。反対に、ある要素を特に抜き出して、これを切り捨てる意味もあり、この用法については捨象（しゃしょう）という[1]。従って、抽象と捨象は盾の両面といえる。
引用元：Wikipedia
説明終わり。つまり、モノやコトに対して如何に重要な部分だけを抜き出すことができるか、それがプログラマーの力量であると言えるわけです。
いや、、、重要な要素って何？
プログラミングとは、システムを具体化してアプリケーションを構築することです。そのために用意しているものなんだから全部重要です。勝手に捨てないでください。
抽象化って言ってますが、実際には
分割と共通の発見
それだけです。
ここからはいつものカレー話
抽象化していない、カレーのレシピを考えてみます。
ジャガイモの皮をむいて乱切りにして、ニンジンの皮をむいて乱切りにして、
タマネギの皮をむいて乱切りにして、肉をぶつ切りにして、
すべての具材とカレールーを鍋で煮込む。
まずは、これを抽象化の第一歩である分割をしましょう。
1.ジャガイモの皮をむいて乱切りにする。
2.ニンジンの皮をむいて乱切りにする。
3.タマネギの皮をむいて乱切りにする。
4.肉をぶつ切りにする。
5.すべての具材とカレールーを鍋で煮込む。
これだけでは、抽象化という感じがしないのでここでもう一つのレシピを用意したいと思います。
ほぼ一緒ですので、そのまま分割版のレシピにしたいと思います。
1.ジャガイモの皮をむいて乱切りにする。
2.ニンジンの皮をむいて乱切りにしする。
3.タマネギの皮をむいて乱切りにしする。
4.肉をぶつ切りにする。
5.すべての具材とシチュールーを鍋で煮込む。
この２つのレシピが抽象化されたことで、共通となるレシピが見つかりました。
1.ジャガイモの皮をむいて乱切りにする。
2.ニンジンの皮をむいて乱切りにする。
3.タマネギの皮をむいて乱切りにする。
4.肉をぶつ切りにする。
1.下ごしらえのレシピで具材を準備する。
2.すべての具材とカレールーを鍋で煮込む。
1.下ごしらえのレシピで具材を準備する。
2.すべての具材とシチュールーを鍋で煮込む。
これで、重要な部分を取り出して抽象化することができました。
と言いたいところですが、なぜか抽象化されたのは下ごしらえでありカレーとは関係ないものでした。でもこれが抽象化です。重要なことではなく共通な部分を見出すための考え方でしかないのです。
ドライカレーを作ろう
ここで、シチューをやめドライカレーのレシピを考えてみます。
1.ジャガイモの皮をむいてみじん切りにする。
2.ニンジンの皮をむいてみじん切りにする。
3.タマネギの皮をむいてみじん切りにする。
4.肉をミンチにする。
5.すべての具材とカレールーを鍋で煮込む。
これを先ほどのカレーのレシピと一緒にして抽象化を見出していきましょう。
1.ジャガイモの皮をむいて乱切りにする。
2.ニンジンの皮をむいて乱切りにする。
3.タマネギの皮をむいて乱切りにする。
4.肉をぶつ切りにする。
5.仕上げレシピで具材を調理する
1.ジャガイモの皮をむいてみじん切りにする。
2.ニンジンの皮をむいてみじん切りにする。
3.タマネギの皮をむいてみじん切りにする。
4.肉をミンチにする。
5.仕上げレシピで具材を調理する
1.すべての具材とカレールーを鍋で煮込む。
今度は、鍋で煮込む部分だけが抽象化されました。このように抽象化とは常に同じとは限りません。2つ以上の物事に対しての状況により変化していきます。
最後に
ちなみに、インターフェースや継承もこれの発展した話でしかありません。重要なものでなく必要だったら使うものという風に意識をすると使いやすくなると思います。