これは何?
Obsidianを使い始めて4ヶ月ほどの間、いろいろ試行錯誤を行い、ようやく自分にあった使い方が見えてきた。
この記事では、自分が使いやすいと感じたObsidianの俺的ルールを紹介する。
なぜその使い方をするのかを言語化することで、Obsidian初心者の方の参考になればと思う。
Obsidianを使うモチベーションについて
前提として: Vaultの管理
自分はGitHubで管理している。
GitHubで管理する理由としては以下。
- バックアップはインターネット上に置きたい
- オフラインでもノートがかける。
git push
する時だけインターネットに繋がっていれば良い -
Obsidian Syncを使うと複数端末でのVaultを自動同期できるサービスは存在する。月1500円払ってやりたい理由はない。
- 別端末からノートの閲覧はしたい
- ノートの更新は自宅のPCに限定する。
- 当たり前だが、会社端末で作成したノートは持ち出せない。
- 自宅のPC自体も700 g未満のものを使用しているのでほぼ持ち歩いている
- PCが触れないスキマ時間にはなるべくKindle本を読む方向に倒す。
- 出先でSNSを見ないようにする(デジタルデトックス的な)
- KindleのメモやハイライトはPluginでObsidianに同期可能
- Claude CodeやGeminiにタグの整理などをしてもらった際に事故が起きても復元が容易
整理すると、ノートを作成するのは1台のPCに限定し、ノートの閲覧はGitHub経由で複数端末からおこなうという想定である。
ディレクトリの分け方
基本的にはZettelkasten的に使用している。
- Clippings/: Web Clipperで落とす先。
- Fleeting/: 気づきや思いつきなど
- Literature/: 書籍や論文,記事などの外部情報から得た知識を記録するノート
- 出典を明記する
- 引用以外に自分の言葉で記載をするように心がける
- Permanent/: 自分の言葉で書かれた独立した1つのアイデアを明確に表現するノート
Web Clipper: 開いているページをObsidianに連携するブラウザのExtensions。
Web Clipperで落としたものはClippings/配下に落とされるのでLiterature/とは別に自分は管理している。
Web Clipperで落としたものをどう管理するか
最初のうちは細かくディレクトリをわけて管理してした。
しかし、これはアンチパターンだと気づいたので最近はなるべくタグで管理するようにしている。
例えば、MCP Securityの記事をMCP/ディレクトリに保存するか、Security/ディレクトリに保存するか迷う場面があった。タグであればこれを並列に管理できる。
Obsidianではタグ検索ができるので細かくディレクトリを分けなくても検索は容易だ。
一方で全てをタグで管理すると不便な場合があった。
- AIに複数記事を読んでもらいたい場合にはひとつのディレクトリにまとまっている方が望ましい
- スマホから会話の流れで引用元の記事を紹介したい時にはGitHubのリポジトリ経由でノートにアクセスする際の検索性が悪い
- 作成中のノートにwipタグをつけていたが、読んだ後に外し忘れる
- etc...
そのため、カテゴリでディレクトリを分けるのではなく、用途でディレクトリを分割することを許容することにした。
- news/: ナマモノ。定期的にメンテナンスしてarchiveにいれる想定。
- archive/: news/のうち、最近使っていないもののアーカイブ先。
- reference/: 引用する可能性のある自分にとって重要そうなもの。普遍的なもの。迷ったら入れない。
- todo/: 読みかけ、いつか読む。
- try/: 自分が取り入れたいもの。挑戦したいこと。定期的に目標やタスクにするためわかりやすくわけておく。
- その他作業用の一時ディレクトリ: ディレクトリでまとめることでAIも人間も複数のノートを塊として認識しやすい
ディレクトリ管理すること最大のメリットは、タグを定期的に変更しなくていい点にある。
タグを編集するためにタグ検索をするのは自分はやりにくいと感じた。
todo/やnews/をディレクトリにわけておくことで意識しなくてもファイルが増えてきていることに気がつくことができる。これが棚卸しのためのリマインドとして機能する。
本の読み方
前提として: 紙 vs Kindle vs pdf
カテゴリ | 利点 | 欠点 | 技術書での優先順位 | 技術書以外での優先順位 |
---|---|---|---|---|
紙 | 読みやすい。集中しやすい。 | 場所を取る | 3位 | 3位(ただし、図書館にあった場合は1位に繰り上げ) |
Kindle | 場所をとらない。最近の殆どの本が選択できる | AIに食わせにくい。 | 2位 | 2位 |
場所をとらず、AIにも食わせやすい。 | 技術書でも対応している本が少ない | 1位 | 1位 |
Obsidianでの便利なプラグイン
以下二つを使っている
- Kindle Highlights: Kindleに引いたハイライト部分を本ごとに出力できる。
- Annotator: pdfに引いたハイライト等を出力できる。
Kindle Highlightsを使うことでKindle端末、スマホで引いたハイライトがObsidianに連携される
以前は、本を読みながらガッツリメモをとっていたが、本を読むスピードが落ちてしまっていた。
本を読んだ後に感想をまとめたり、アクションプランを考えるための材料としてハイライトを引いておき、あとからObsidianのたった1ファイルに集約できるのでかなり作業効率が上がったと思う。
pdfで本を読む際にはAnnotatoreでハイライトを引きながらメモを取るようにしている。
ハイライト用のmdファイルに以下のようにpdfのパスを指定するだけで使える。
Kindle本と異なり、Obsidian経由でしかメモやハイライトを書き込めないが、PCが使えないならKindleでしか本を読まない運用をしているのであまり気になっていない。
---
annotation-target: unit_test.pdf
title: 単体テストの考え方/使い方
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ちなみに、Kindleにはpdfを連携する機能があるが連携したpdfファイルはKindle Highlightsの対象にはならなかった。
ディレクトリ管理
Kindle Highlightsでは指定したディレクトリの下に一つでもハイライトをつけた本のデータが落ちてくるため、他のディレクトリとは隔離している。
pdfをAnnotatorで管理する場合Obsidianでは、ハイライト用のmdファイルとpdfファイルの両方が管理対象になる。
そのため、視認性のためpdfとハイライトのmdをサブディレクトリにしている。
以下はイメージ
── Literature
│ ├── 1984年.md
│ ├── Kindle
│ │ ├── English-すごい英語独学 独り言トレーニング.md
│ │ ├── F-真夜中乙女戦争.md
│ │ ├── かみゆ歴史編集部-ゼロからわかるエジプト神話.md
│ │ ├── グレッグ・マキューン、高橋璃子-エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする.md
│ │
│ ├── pdfbook
│ │ ├── 202507-mizchi-colab-conf
│ │ │ ├── ai_era_skills_development_20250713090255.pdf
│ │ │ └── 個のスケールのためのAI時代のスキルの磨き方 1.md
│ │ ├── 202507t-wada
│ │ │ ├── agentic-software-engineering-findy-202507.pdf
│ │ │ └── highlight.md
│ │ ├── EffectiveTypeScript
│ │ │ ├── EffectiveTypeScript-ja.pdf
│ │ │ └── highlight-EffectiveTypeScript.md
│ │ ├── Googleのソフトウェアエンジニアリング
│ │ │ ├── google_swe.pdf
│ │ │ └── highlight-Googleのソフトウェアエンジニアリング.md
GitHubのスター(WIP)
良さそうなOSSや気になるコード等にスターをつけているが、あまり有効に活用できておらず、これなんのリポジトリだっけ?となる場合が多い。
何かしらのプラグインでもってこれると嬉しい。なければ作る。