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IT業界の "やってはいけないあるある"

Last updated at Posted at 2025-06-14

IT業界では、技術的な知識やスキルだけでなく、「やってはいけないこと」を知ることも重要です。これを知らずに進めてしまうと、プロジェクトの生産性が下がったり、信頼性を損ねたり、場合によっては致命的な問題につながることもあります。

本記事では、「やってはいけない」けどあるあるな行動についてまとめています。あわせて、その理由と対処法も書いてみました。


✅ 技術的な選定・設計

◎ 車輪の再発明をしない

既に確立されたライブラリやフレームワークがあるにも関わらず、それを使わず一から実装すると、以下のリスクがあります。

  • 時間・コストの無駄
  • バグの混入リスク増加
  • 他者との知識共有が困難になる(属人化)

対処法:

  • 要件に対して既存のツールやOSSを事前に調査する
  • 他社の事例や導入実績を確認し、再利用可能性を見極める
  • 自作する場合はその理由を明文化し、チームと共有する

◎ 巨人の肩に乗らない

業界やコミュニティが積み上げてきた知見を活用しないことは、自分でトラブルを招くことと同義です。

  • 同じミスを繰り返すリスク
  • 無駄な工数が発生
  • 競争力の低下

対処法:

  • 問題に直面したら「この問題は既に解決されていないか?」と疑う
  • Stack Overflow や GitHub、技術ブログなどを活用する
  • OSS活用の有無を技術選定時に評価基準として明示する

◯ 技術選定を「なんとなく」で決めない

「知っているから」「流行っているから」といった感覚的な選定は、以下のような問題を引き起こします。

  • プロジェクト規模に合わない技術が選ばれる
  • 将来的な保守が困難になる
  • チームのスキルとマッチせず、生産性が下がる

対処法:

  • 評価軸(性能、成熟度、学習コストなど)を事前に設定
  • スパイク(短期調査)やPoCで実地検証する
  • 選定理由をドキュメントとして記録・共有

✅ 品質保証と信頼性の軽視

◯ テストを書かないままリリースしない

テストがなければ、システムの信頼性は保証されません。

  • バグの混入を検出できない
  • 手動テストに依存し、効率が悪くなる
  • リファクタリングが怖くてできなくなる

対処法:

  • 単体・結合・E2EテストをCI/CDに組み込む
  • 初期段階からテスト戦略を策定する(例:TDD、BDD)
  • バグ修正時には必ずテストケースを追加

◯ セキュリティを後回しにしない

セキュリティ対策が後回しになると、被害が発生したときの代償が非常に大きくなります。

  • ユーザー情報の漏洩や法的リスク
  • 社会的信用の損失
  • 修正コストの爆発(後工程ほどコストが高くなる)

対処法:

  • OWASP Top 10などの基本的な脅威リストを理解・対策
  • 認証・権限・入力バリデーションを標準実装
  • 脆弱性スキャンツール(Snyk, Dependabotなど)をCIに組み込む

◯ 「とりあえず動いた」で満足しない

初期のコードが動いても、それが将来的な拡張・保守に耐えられるとは限りません。

  • リファクタリングができない
  • 拡張性・可読性・再利用性が低い
  • 属人化や技術的負債を生み出す

対処法:

  • 実装後にリファクタリング時間をスケジュールに組み込む
  • PRレビューで設計レベルの議論を推奨する
  • SOLID原則やKISS、DRYなどの設計原則をチームで共有

プロトタイプ検証であったりPoC環境構築であれば問題ないと思います。AIが発達している今、プロジェクトの推進方法は変わっていくはずで、まずは試作品をぱっと作ってみることが求められつつも、それを完成形にスべきではなく、中身はきちんと精査する必要があります。


✅ 情報共有と協調

◯ ドキュメントを軽視しない

ドキュメントがないと、以下のような負の連鎖が起こります。

  • 新規メンバーがキャッチアップできない
  • 情報が属人化し、ブラックボックスが増える
  • トラブル時の対応に時間がかかる

対処法:

  • 最低限のドキュメント(構成図、API仕様、導入手順)を整備
  • コードと一緒にバージョン管理し、PRレビュー対象に含める
  • NotionやConfluenceで検索可能なナレッジベースを構築

ただし、ドキュメントを作れば良い、という手段の目的化があってはならないのは前提です。AIが発達してきている今、何を残すべきか、きちんと吟味する必要が高まっているように感じます。

個人的には、以下が重要と考えます。

  • 構成図やアプリケーションの関係図(図で示す・洗い出す)
  • 設計背景や根拠(設定値や結論だけ書かない)

さいごに

「やってはいけないこと」を知ることは、成果を出すための前提条件です。今回紹介した鉄則は、どれも陥りやすく、見過ごされやすいポイントです。

「なぜそれが問題になるのか」「どう対処すればいいか」を論理的に捉え、行動に移すと周囲から見直されるかもしれません。

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