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エンジニアの雑談は、もっと気軽にオフラインにすべき

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コロナ禍を経て、いまやテレワークはこの仕事の標準的な形になった。オンラインで完結することが、働き方の前提になっている。

会議は Teams で行い、トランスクリプトが残る。ちょっとした相談や雑談も、Slack や Teams のチャットで文字としてやり取りする。たとえ音声入力を使ったとしても、最終的には文字として送信される。つまり、多くのやり取りが記録として残る前提になっている。

もちろん、それ自体は悪いことではない。記録が残ることで、後から確認しやすくなるし、認識のズレも減らせる。業務を正確に進めるうえでは、大きな利点がある。

ただ、その便利さの裏で、失われているものもあるように思う。雑談の気軽さだ。

文字として残る会話には、どうしてもある程度の論理性や整った表現が求められる。話し言葉なら許される曖昧さや、まとまりきっていない思いつきは、文字になるだけで急に出しにくくなる。あとで誰かに見られるかもしれないと思えば、なおさら慎重になる。

本来、雑談とはもっと雑でよいはずだ。結論がなくてもいいし、途中で話が飛んでもいい。考えが整理されていなくても、とりあえず口に出してみることに価値がある。そうした会話の中から、意外な発想や問題の兆しが見つかることは少なくない。

エンジニアの仕事は論理的であることが求められるが、だからこそ、その手前にある未整理な思考を安心して出せる場が必要だと思う。最初からきれいに整理された文章だけを求める環境では、偶然のひらめきや、まだ形になっていない違和感が表に出にくくなる。

オフラインの雑談には、そのための余白がある。席の近くでふと話す。会議の前後に少し立ち話をする。ランチのついでに、最近気になっていることを話す。そういう記録に残らない会話には、発言のハードルを下げる力がある。

すべてをオフラインに戻すべきだと言いたいわけではない。重要な意思決定や共有事項は、これまで通りオンラインで記録に残すべきだと思う。だが、雑談まで常にログが残る形に寄せる必要はない。むしろ、雑談だからこそ、残らないことに意味がある。

いまの働き方は、効率や透明性の面では確かに優れている。しかし、雑談まで効率化と記録の対象にしてしまうと、組織の思考そのものが少しずつ硬くなるのではないか。

エンジニアの雑談は、もっと気軽で、もっと未整理でよい。そして、そのためには、もっとオフラインであってよいと思う。

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