はじめに
第一回の記事ではデータセンターの単位をAZ(アベイラリティゾーン)
といい、AZ
を束ねてリージョン
という内容でした。リージョン
にはVPC
という仮想ネットワークを立てることができて、例えばap-northeast-1 (東京リージョン)
を選択するとap-northeast-1a
、ap-northeast-1c
、ap-northeast-1d
の3つ全てのリージョン(データセンター)を使用することが可能になるという話までしました。(画像のイメージ)今回はそのVPC
とそれを分割したサブネット
について深堀していきます!
VPCとは
AWS内部のネットワーク環境のことです。AWSアカウントを作成するとデフォルトでひとつVPCが付与されます。デフォルトVPC
以外にも自分専用のセキュリティ空間としてVPC
を作成することができます。その空間に入ってくる通信を許可するのか、拒否するのかといったセキュリティ面のサービスも含まれます。つまり、VPC
はAWSサービスを使ってネットワークを作る上での土台になる部分です。
サブネットとは
VPC
を小さく分けたネットワークがサブネット
です。これはセキュリティレベルを高めるためです。サブネット
の中にサーバー
を立て、サーバー
がルールに基づいて外部と通信することでアプリケーションとしての機能を果たせる訳です。サブネット
はAZ
を跨ぐことができないので一つのAZ
を選択して作成します。一つのAZ
に複数のサブネット
を配置することは可能です。また、サブネット
からインターネットゲートウェイ
へのルーティングの有無でパブリックサブネット
, プライベートサブネット
と呼び方が変わりますが今回は深堀はしません。以下の図の様なイメージです。
IPアドレス
VPC
を使用する際はIPアドレス
の範囲を指定する必要があります。このIPアドレス
はサーバーやクライアント、ネットワーク機器を接続するのに十分な数を確保する必要があります。VPC
のアドレスレンジ帯は/16
〜/28
の範囲内と決められています。/16
や/28
というのはサイダー表記
というIPアドレス
の範囲を示す方法で、詳しい説明は割愛しますが、例えば/24
で区切った場合は32ビット
のIPアドレス
のうちの24ビット
をネットワークアドレス部に割り振り、残りの8ビット
をホスト部に割り当てることができるので、2**8=256
個のIPアドレス
を確保できることになります。(正確にはAWSの予約分が5つあるので251個となります)
具体例を見てみよう
VPC
のIPアドレス
を/21
という大きいアドレスの範囲で確保して、それを/24
のサブネット
で分けていくということを考えます。このときVPC
で確保できるIPアドレス
は2**11=2048
個となり、一つのサブネット
に割り振れる数は256
個となります。つまりこの場合最大8個のサブネット
が作成できるということになります。以下の図では8個のサブネットのうちの6個を使い、残り2つを予備として残しているといった設計になります。
まとめ
今回はVPC
とサブネット
の構成について見てきました。次回、このVPC
がインターネットとどのように接続するのか、およびそのための構成部品について説明していきたいと思います!