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目次

はじめに

今年の6月にAWS認定資格(12種) を全てストレートで取得し、AWS全冠を達成しました。
現時点(2025年11月末時点)で2026 Japan All AWS Certifications Engineersクライテリアに記載の資格すべて取得済みになります。

※AWS全冠の最新のクライテリアについては、2026 Japan All AWS Certifications Engineersクライテリアのお知らせをご参照ください。

本記事では、この全冠を達成するために用いた具体的な学習方法や、難易度・取得期間に基づいた個人的な資格ランキングを紹介します。

  • AWSの学習を始めたばかりの初学者の方
  • 次にどの資格を取るか検討されている方
  • 全冠を目指すためのロードマップを知りたい方

にとって、確かな指針となる情報を提供できれば幸いです。

私のスキルセット

私は2021年後半までIT系のサービス業に携わっており、エンジニアとは遠い立ち位置にいました。
エンジニアへの転職を決意したのは、コロナ禍でのキャリアへの不安がきっかけです。「手に職を付けたい」という思いからITの世界へ飛び込みました。

転職当初のスキルといえば、「タイピングが早い」だけで、技術的な取り柄はゼロからのスタートでした。

AWS学習開始時のスキルレベル

AWSの資格取得に向けて学習をスタートしたのは、2023年2月からです。当時の私のスキルレベルは以下の通りです。

  • オンプレミス環境の詳細設計書作成、およびサーバー構築経験あり。
  • 深いITの専門知識はほぼ無し。
  • 転職時にLPIC-1は取得済み。
  • AWSの利用経験業務・個人ともにゼロ

つまり、実務経験がない状態でAWSの学習を始めたため、サービスの概念や操作を理解するのが大変でした。

※ちなみに、現在も自己研鑽の日々ですが、当時と比べると随分マシになりました。(しかし、まだまだ道半ばです!)

全冠を目指した理由

当初、AWS資格取得に励んだきっかけは、前職の会社が資格取得を強く推奨していたためです。
最初は「とりあえず3つ取れれば十分だろう」程度の感覚で学習を始めました。

しかし、3つの資格を取得した後、私はAWS案件への参画を強く希望し、営業担当者に相談しました。
そのとき返ってきたのが、「業務未経験だと、案件参画はなかなか厳しいね」という現実的なコメントでした。

この一言が、私の心境を大きく変えました。
負けず嫌いな性格が顔を出し、その瞬間から「実務未経験でも参画できるようになるまで、資格を取り続けよう」と決意しました。
ただ単に、今のレベルでは「案件に参画できない」と評価された自分自身に心底腹が立ち、技術力でその壁を乗り越えたかった。
それが結果的に、全冠達成という結果につながりました。

現時点でのAWS認定資格について

※2025年11月末時点のAWS 認定

Foundational 認定

image.png

Associate 認定

image.png

Professional 認定

image.png

AWS Certified Generative AI Developer – Professionalが新しく追加されました。
※Specialty 認定のAWS Certified Machine Learning - Specialtyを既にお持ちの方は今後こちらを更新すれば問題ありません。
詳細は2026 Japan All AWS Certifications Engineers クライテリアのお知らせをご確認ください。

Specialty 認定

image.png

AWS Certified Machine Learning - Specialtyは2026 年 3 月 31 日をもって受験終了予定です。

個人的な難易度ランキング

全12種のAWS認定資格を取得した経験に基づき、難易度と問題文の長文レベルを私の主観でランキング化しました。
これはあくまで個人の感覚ですが、今後の学習計画の参考としてご活用ください。

特に1位の AWS Certified Advanced Networking - Specialty (ANS)は、多くの受験レビューで「最難関」と言われている通り、私も最も手強いと感じました。
ただし、身構えていたこともあり、結果として900点に近いスコアで合格できたのは幸いでした。

順位 認定名 難易度 長文レベル
1 AWS Certified Advanced Networking - Specialty (ANS) ★★★★★ ★★★★★
2 AWS Certified Machine Learning - Specialty (MLS) ★★★★★ ★★★★☆
3 AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP) ★★★★☆ ★★★★★
4 AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOP) ★★★★☆ ★★★★★
5 AWS Certified Security - Specialty (SCS) ★★★☆☆ ★★★☆☆
6 AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate (MLA) ★★★☆☆ ★★★☆☆
7 AWS Certified SysOps Administrator - Associate (SOA) ★★★☆☆ ★★★☆☆
8 AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA) ★★★☆☆ ★★★☆☆
9 AWS Certified Developer - Associate (DVA) ★★☆☆☆ ★★★☆☆
10 AWS Certified Data Engineer - Associate (DEA) ★☆☆☆☆ ★★★☆☆
11 AWS Certified AI Practitioner (AIF) ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
12 AWS Certified Cloud Practitioner (CLF) ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆

本ランキング作成時の旧試験名/認定名と、現在の最新認定は以下の通り読み替えてください。
AWS Certified Machine Learning - Specialtyは、AWS Certified Generative AI Developer - Professionalの実質的な位置付け
AWS Certified SysOps Administrator - Associateは、AWS Certified Cloud Operations Engineer - Associateの実質的な位置付け

私が取得した順番

私が受験した順番は以下の通りです。
この順番は、当初全冠を目指していなかったため、効率や難易度を考慮したものではなく勢い進めていった結果です。

SAA → SOA → DVA → DBS → SCS → DEA → MLS, MLA, AIF (まとめて受験)→ DOP → SAP → ANS → CLF

  • CLF:
    全冠を意識していなかったため、最後にCLFを取得しました。
    資格奨励金の対象外であるCLFを最後に受験するのは、もったいないなと感じつつも、しぶしぶ受験料を支払ったのは良い思い出です。
  • 新資格への挑戦(MLA, AIF):
    MLA、AIFが新しい認定としてリリースされたタイミングを捉え、まとめて受験しました。
    特に新試験は、十分な対策問題集が存在しないため、AWSドキュメントの読み込みと、後述するUdemy講師の問題を解くことに集中しました。
    その結果、MLAの試験中は、今までの本番試験の中で一番焦ることになりました。
    対策のしようがない中での受験は、合格ラインが見えづらく、非常に緊張感のある体験でした。

AWS公式のロードマップ

AWSは、個々のロール(役割)に基づいた認定パスを公式に提供しています。
キャリアパスや現在の職務に明確な目標がある場合、私の個人的な受験順序よりも、この公式パスを優先して学習・受験を進めることを強くお勧めします。
AWS認定パスを選択する

初学者におすすめの動画

AWSの学習を始めるにあたり、私が最初に利用し、非常に効果的だったUdemyの動画講座をご紹介します。
主要サービスに関する具体的な解説とハンズオンがセットになっており、この動画を繰り返すことで、その後の問題集学習が格段にスムーズになります。

講座名 【SAA-C03版】これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座
特徴 都度アップデートされており、最新の試験範囲に対応している安心感があります。
推奨ポイント 他の多くの受験者も推薦している定番講座です。ハンズオンのボリュームも多めです。

また以下の動画もおすすめです。
こちらも復習ついでに見てみたのですが、非常にわかりやすく解説されています。
好みの問題になってくると思うので、ハンズオンが多いほうがよければ前者かなと思います。

【ベストセラー完全日本語化】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト SAA-C03 対応 2023 最新版

勉強方法

1. 究極の問題集

結論から申し上げますが、この問題集を100%完璧に理解することが、全資格をストレートで突破するための最大の鍵だと確信しています。

実績: 私自身、この問題集で全資格の平均点が約860点という高スコアを出すことができました。(※MLA、AIFはUdemyの問題を使用)
最低合格ライン(Foundational: 700点, Associate: 720点, Professional/Specialty: 750点)


2. 「100%理解」にこだわる理由 (特に未経験者へ)

「8割〜9割取れたら受験する」といった記事も散見されますが、一発合格を目指すのであれば、練習段階で100%のパフォーマンスを目指すべきです。

  • 未経験者への提言: 特に私のようなAWS実務未経験者や初学者は、曖昧な理解では本番で通用しづらいです。やりきることが何よりも重要だと断言します。
  • 経験者の場合: 実務経験者の方は、8割程度の理解でも応用が効くため、余裕で合格できる可能性があります。

問題を繰り返すうちに回答を覚えてしまいがちですが、大切なのはなぜその選択肢が正解で、その他は間違いなのかを深く理解することです。

3. 理解を深めるためのAI・公式リソース活用法

問題集で疑問が生じた際は、理解を促進するために以下のツールを併用しました。

① AIツールの活用 (ChatGPT / Gemini)

問題をスクリーンショットでAIに添付し、「なぜ」を納得いくまで確認しました。

  • プロンプトの工夫: AIは誤った情報を提示することがあるため、参照リソースをAWS公式ドキュメントのみに限定するプロンプトで指示することが重要です。
  • 所感: 最近のAIではGensparkの精度が体感として高いと感じています。

② 公式ドキュメントの読み込み

AIでの確認と並行して、AWSドキュメントを読み込み、理解をさらに深める努力は不可欠です。

③ AWS Black Belt Online Seminar

資格試験だけでなく、実務直結の知識を補完するために利用しました。

  • リソース: AWS Black Belt Online Seminar (アーカイブ)
  • メリット: AWS社員による最新の技術解説がYouTubeで公開されており、実務直結の設計パターンとベストプラクティスを学べ、効率的な学習に繋がります。

追加で使用した教材

前述の基本教材に加え、私が不安解消のために使用したプラスアルファの教材をカテゴリ別に再整理しました。難易度の高い資格や苦手分野の克服に役立った教材です。

1. Foundational 認定

認定名 追加教材の利用状況と推奨ポイント
Cloud Practitioner (CLF) 特になし。基本教材のみで十分対応可能です。
AI Practitioner (AIF) ベータ版直後でしたが、AWSドキュメント、Skill Builder、MLE-A練習問題で対応。
現在は以下の対策動画も登場。
[NEW] Ultimate AWS Certified AI Practitioner AIF-C01

2. Associate 認定

認定名 追加教材の利用状況と推奨ポイント
Solutions Architect - Associate (SAA) 特になし。基本教材のみで十分対応可能です。
Developer - Associate (DVA) 参考書を利用し、デベロッパー分野の知識を軽く把握しました。
徹底攻略AWS認定デベロッパー - アソシエイト教科書&問題集 第2版 (Amazonリンク)
SysOps Administrator - Associate (SOA) ポケットスタディで全体像を把握。
現行の Cloud Operations Engineer - Associate 対策としては、Stephane Maarekさんの AWS Certified CloudOps Engineer Associate SOA-C03 2025 がおすすめです。
Data Engineer - Associate (DEA) 問題集で十分対応可能。
更新される方は、Stephane Maarekさんの AWS Certified Data Engineer Associate 2025 - Hands On! がおすすめです。
Machine Learning Engineer - Associate (MLA) ベータ版直後だったため、以下の2つを使用。
試験問題の特徴として覚えているのはBedrock系が多かったです。
AWS Certified Machine Learning Engineer Associate: Hands On!
演習テスト:AWS 認定 機械学習エンジニア アソシエイト (MLA-C01)

3. Professional 認定

認定名 追加教材の利用状況と推奨ポイント
DevOps Engineer - Professional (DOP) Stephane Maarekさんの AWS Certified DevOps Engineer Professional 2025 - DOP-C02 で知識を補強しました。
Solutions Architect - Professional (SAP) 基本教材で対応可能でしたが、念のためStephane Maarekさんの Ultimate AWS Certified Solutions Architect Professional 2025 も確認し、知識が出題されて救われました。

4. Specialty 認定

認定名 追加教材の利用状況と推奨ポイント
Security - Specialty (SCS) 特になし。基本教材のみで十分対応可能です。
Machine Learning - Specialty (MLS) 機械学習が苦手だったため、知識補完に以下の2つの動画を併用。勉強中はANSより難しく感じました。
【全200問の模擬試験付き】G検定に合格するための集中講義!人工知能(AI)について体系的に学ぶ(初心者向け)
AWS Certified Machine Learning Specialty 2025 - Hands On!
Advanced Networking - Specialty (ANS) ネットワークが苦手分野だったため、Stephane Maarekさんの Ultimate AWS Certified Solutions Architect Professional 2025 で集中的に知識を補いました。
CloudWANやVPC Latticeなど、具体的なサービス理解に役立ちました。

学習期間の目安と詳細

私の場合は、業務未経験かつ不安症な完璧主義という背景から、各資格に時間をかけて取り組みました。以下に、全12の資格ごとに、私が費やした学習時間と取得期間を詳細に公開します。

  • 全冠達成までの総期間: 約1年6ヶ月
    • 備考: 途中、結婚式や業務都合で資格学習していない時期があります。

これは実務未経験者のケースであり、経験値やスキルによって時間は前後する点をご理解ください。
皆さんが効率よく計画を立てれば、この期間よりもぐっと短縮して全冠を達成できるはずです!

📝 学習記録のススメ

私は「Studyplus」のような学習記録アプリで日々の学習時間を記録していました。
この記録を試験会場で確認することで、取り組んできた日々を思い出し、緊張をほぐす精神的な支えにしていました。
また、サボっているとデータにすぐに現れるため、継続力の維持にも役立ちました。

1. 学習時間と期間の目安(実測値)

時間を細かく計算するのは大変でしたが、ここではざっくりとした実測値を記載します。
特に最初のSAAには膨大な時間を費やしていることがわかります。

認定名(略称) 認定カテゴリ 総学習時間(目安) 取得にかかった期間
CLF Foundational 5 時間程度 1 日
AIP Foundational 20 時間程度 2週間
SAA Associate 200 時間程度 3ヶ月
DVA Associate 100 時間程度 2ヶ月
SOA Associate 90 時間程度 2ヶ月
DEA Associate 70 時間程度 1ヶ月
MLA Associate 20 時間程度 2週間
SCS Specialty 90 時間程度 2ヶ月
MLS Specialty 150 時間程度 2ヶ月
DOP Professional 100 時間程度 2ヶ月
SAP Professional 130 時間程度 2ヶ月
ANS Specialty 150 時間程度 2ヶ月

2. 詳細な学習内訳(資格別)

問題集や動画視聴の「周回数」と「利用したリソース」を資格別にまとめました。基本は前述のCloud License問題集(6周以上)と公式ドキュメントが核となります。

🟡 Foundational 認定

  • CLF: 問題集1周のみ。他の資格をすべて取得した後で受験したため、学習時間はほとんどかかっていません。
  • AIP: 公式問題集とMLE-AのUdemy問題集のみを2周し、公式ドキュメントを確認。MLSとほぼ同時期の受験だったため、この試験に使う時間があまりありませんでした。

🟢 Associate 認定

  • SAA: 問題集6周、Udemy動画視聴(ハンズオン含む)、Black Belt、公式ドキュメント確認。
  • DVA: 問題集6周、参考書、Black Belt、公式ドキュメント確認。
  • SOA: 問題集6周、参考書、Black Belt、公式ドキュメント確認。
  • DEA: 問題集3周、Black Belt、公式ドキュメント確認。
  • MLA: 公式問題集とMLE-AのUdemy問題集のみを2周。MLSとほぼ同時期の受験だったため、この試験に使う時間があまりありませんでした。

🔵 Professional 認定

  • DOP: 問題集6周、UdemyのDOP対策動画、Black Belt、公式ドキュメント確認。
  • SAP: 問題集6周、UdemyのSAP対策動画、Black Belt、公式ドキュメント確認。

🟣 Specialty 認定

  • SCS: 問題集6周、Black Belt、公式ドキュメント確認。
  • MLS: 問題集6周、Udemyで機械学習の基礎を学ぶ動画、UdemyのMLS対策動画、Black Belt、公式ドキュメント確認。
  • ANS: 問題集8周(最難関のため多めに実施)、UdemyのANS対策動画、Black Belt、公式ドキュメント確認。

: Professional/SpecialtyのUdemy対策動画については、前のセクションで詳細な講座名を紹介しています。

最後に

色々と学習教材を紹介してきましたが、私のスタイルは不安症かつ完璧主義のため、短期での合格を目指す方には不向きな内容だったかもしれません。
短期合格を目指す方は、まずは紹介した問題集で基礎を固めるだけでも十分だと思います。

私がこの全冠の道のりで強く感じたのは、資格は決して無意味ではないということです。
資格取得を通じて得た体系的な知識は、クラウドを扱う上での揺るぎない「土台」となります。

今、知識のインプットを終えた私は、その知識を「経験」という形でアウトプットし、真の「スキル」へと昇華させていく段階にいます。

想像はできても、いざ実務でやってみると壁にぶつかるのがエンジニアリングの面白さだと思います。
この知識を自信に変え、現場での経験を通じて価値を生み出すこと
それが私の次の目標です。
この記事が、あなたのAWS学習の「はじめの一歩」あるいは「次の一歩」を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

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