0
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【アジャイル開発】プロから学んだ「実務で通用するチーム開発」

0
Last updated at Posted at 2026-02-14

はじめに

大学院の授業でアジャイル開発のコーチが数名ほど来てくださり、実際にチーム(4名)で開発を行う機会がありました。
そこで学んだ知識と実践経験を、「これからアジャイル開発を始めるチーム」が迷わずに進められる手順書としてまとめます。

Notionでも管理できるようにテンプレートを作成しました。
必要であれば使ってください
👉 開発プロジェクト管理

この記事では、特に以下を重視して書きます。

  • 何から始めればよいか
  • 各フェーズで「何を決めるべきか」
  • レビューで「何を学ぶべきか」

この記事のゴールは以下の2点です。

  1. 読者が明日からアジャイル開発を進められる状態になること
  2. 「実務で通用するエンジニア」とはどんな人なのかを理解すること

ソフトウェア開発は「チームスポーツ」である

まず、なぜ開発手法やチームワークが重要なのか、その本質について触れます。

重要な考え方
ソフトウェア開発は「チームスポーツ」です。
一人で完結する仕事ではなく、他者と協力して価値を届ける活動です。

一人の天才より、チームの連携

現代の開発において、一人ですべての技術領域を網羅できる人はほとんど存在しません。多様なスキルを持った人材が集まり、協力することで初めてプロダクトが生まれます。
つまり、「事業や組織へ貢献する仕事を自分で見つけ、他者と協力しながら実践できること」こそが、実務で通用するスキルです。

開発に「完了」はない

機能実装は一度で終わりではありません。

  • 新機能の追加
  • バグの発見と修正
  • ライブラリの更新

これらに対応し続けるためには、特定の誰かだけが詳しい状態ではなく、知識やスキルがチーム全体に共有されている状態が必要です。

全体像:開発とレビューのサイクル

アジャイル開発では、短期間で「開発」と「検証」を繰り返します。
(例:1週間で開発し、第三者にレビューしてもらうサイクル)

アジャイル開発の本質は「仮説検証の高速ループ」です。

サイクル:開発 → レビュー → 見直し(リプランニング) → 次の開発...


アジャイル開発の5ステップ

価値を届けるための開発は、以下のフェーズで進めます。

以下の5ステップは、順番に実行するチェックリストとして使ってください。
(この後、各ステップを具体例つきで解説します)

# フェーズ 内容 実施すること
1 仮説を立てる ・誰のどんな困りごとを解決するか検討
・検証したい目標・ゴールを立てる
・ターゲットユーザー/ペルソナ設定
・開発サイクルゴールの設定
2 MVPを決める ・検証に必要な「最小限の機能」を決める ・カンバンボード作成(プランニング)
3 実装する ・MVPを作って、早くリリースする ・開発(モブプログラミング等)
・進捗の見える化
4 測る ・実際のユーザー行動を観察・計測する ・ユーザーレビュー(バザール方式)
5 継続 or ピボット ・仮説が正しいかを学び、次の一手を考える ・リプランニング
・振り返り(KPT等)

開発準備(Environment & Tools)

「開発Ready」な状態にするために、以下のツールや環境を整えます。

1. 必須ツール

Git / GitHub: バージョン管理に必須です。

VS Code: コードエディタ(他でも可)。

Miro: 視覚的に共有できるホワイトボードツール。Googleドキュメントよりも直感的でおすすめです(Notionでも可)。

2. モブプログラミングの導入

開発に慣れていないチームには「モブプログラミング」がおすすめです。
全員で1つの画面を見ながらコーディングすることで、知識共有が自然に行われ、属人化を防げます。
参考モブプログラミングとは(Qiita)

実践:開発サイクルの進め方

ここからは具体的な手順を解説します。

Step 1. ターゲットユーザーを決める

誰が、どんな困りごとを抱えているのかを明確にします。

  • ポイント:実在する人物(自分など)を設定する
    • 架空の「ペルソナ」を設定すると、リアルな文脈や課題を見落としがちになります。
    • 実在する人物であれば、レビュー時にリアルなフィードバックが得られ、チームの方向性がブレにくくなります。

【記述項目】

  • プロフィール: チーム全員がその人をイメージできる程度に。
  • 困っていること: いつ、どこで、どんな状況で困っているか具体的に。
  • 理想の状態: その人にとって、どうなったら嬉しいか。

【具体例:ターゲットユーザー】

  • プロフィール: 大学に通う自分。優柔不断で、昼休みになると何を食べようか毎日5分以上迷ってしまう。
  • 困っていること: 選択肢が多すぎると決められず、結局いつもと同じコンビニ弁当になってしまい、「もっと美味しいものを食べたかった」と午後からの講義で後悔する。
  • 理想の状態: 今の自分の「空腹度」や「予算」を直感的に選ぶだけで、今日行くべき店が1つだけ提示され、迷わず直行できる。

Step 2. エレベーターピッチを作る

プロダクトの全体像について、チーム全員で共通認識を持つために作成します。

【テンプレート】

  • 目的[潜在的なニーズ/課題] したい
  • 対象[対象顧客] 向けの、
  • 製品[プロダクト名] というプロダクトは、
  • 分類[プロダクトのカテゴリ] です。
  • 価値:これは [重要な利益、対価に見合う説得力のある理由] ができ、(MUST)
  • 違い[代替手段の最右翼] とは違って、[差別化の決定的な特徴] が備わっている。

【具体例:エレベーターピッチ】

  • 目的[ランチの店選びで迷う時間をゼロに] したい
  • 対象[優柔不断な自分] 向けの、
  • 製品[今日のメシ選び] というプロダクトは、
  • 分類[即決型の飲食店レコメンドツール] です。
  • 価値:これは [自分の過去の満足度と今の気分を掛け合わせ、『今日の正解』を1つだけ提示] することができ、
  • 違い[選択肢が多すぎる検索サイト] とは違って、
  • 特徴[迷う余地を与えない「1択」表示機能] が備わっている。
  • 注意点:
    • 「何を作るか」より「なぜ作るのか(プロダクトビジョン)」を意識します。
    • これを書いた時点で、投資家や顧客に「価値がありそう!」と思わせられなければ、良いプロダクトになる可能性は低いです。

Step 3. 開発サイクルゴールの設定 & カンバン

今回のサイクルで「何を検証したいのか」を一つに絞って決めます。

カンバンの目的は、「今、チームが何に集中しているか」を全員で揃えることです。

【カンバンボードの運用】

  1. MVP(Minimum Viable Product)の選定: ユーザーの困りごとを解決する「最小限の機能」を洗い出します。
  2. レーン分け: TODODoing(進行中)、Done(完了)に分けます。
  3. 優先順位: 上にあるものほど優先度を高くします。
  4. 一点集中: モブプロなら、一番上のタスクだけを全員で取り組み、終わったら次へ進みます(仕掛かりを減らす)。

【具体例:カンバンボード】

TODO(次にやること) Doing(進行中) Done(完了)
1. 気分選択UIの作成(「ガッツリ」等の選択肢) 3. リストから1件を選出するロジック
2. 店の詳細情報の表示(住所、営業時間など)
4. 近隣の飲食店10件のデータ準備(検証用リスト)
5. Googleマップとの連携機能
6. 過去の履歴保存機能

Step 4. ユーザーレビュー(検証)

実際に動くプロダクトをユーザー(または関係者)に使ってもらいます。

ポイント:

  • インタビューだけでなく、「利用時のユーザー行動」を観察・計測すること。
  • 自分たちでは発見できない「使いにくさ」や「想定外の行動」が見えてきます。
  • 完璧でなくてOK。早期に仮説のズレを発見できることがメリットです。

Step 5. リプランニング(学習と転換)

レビュー結果をもとに、次の一手を決めます。
検証の目的は 「成功」ではなく「学び」 です。
「失敗」も「仮説が1つ減った」という立派な学びです。

【問いの例】

  • 想定どおりの行動はあったか?
  • 想定外の反応から何を学んだか?

仮説が外れていれば ピボット(方向転換) し、合っていれば 継続 を決断します。

難しかったこと・注意点

  • 「作り込みすぎ」への誘惑:
    MVP(最小限の機能)を決めても、つい「あれもこれも」と作りたくなってしまいます。しかし、使われない機能を作ることはムダです。「検証したいことは何か?」に立ち返ることが重要でした。
  • チームの認識合わせ:
    言葉だけで話していると、全員が違う絵を思い浮かべていることが多々あります。Miroなどのボードや図を使って、視覚的に認識を揃える作業(エレベーターピッチ等)が非常に重要だと感じました。

最後に

実務で通用する人とは、単にコードが書ける人ではなく、「チームで価値を届けるために、プロセス自体を改善し続けられる人」だと学びました。
この記事が、これからチーム開発を始める方の一助になれば幸いです。

補助ツール一覧

  • ドキュメント・共有: Google Drive, Google Docs
  • 可視化・ボード: Miro (Notionでも可)
  • コード管理: GitHub
  • エディタ: VS Code
0
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?