はじめに
追記2018/9/17
ブレインコンピュータインタフェース(BCI/BMI)は、脳波を読み取り、周辺の機器に対し作用するインターフェースです。
昨今は簡易脳波計と呼ばれる、イヤホンのような手軽さで着脱可能な脳波計が登場したため
福祉関連のほかに、ゲームやエンターテイメント方面での活用が見込まれ、今後も発展が見込まれる技術だと感じています。
本記事および関連記事では簡易脳波計BCIに用いる、脳波をリアルタイムに分析可能な手法や信号処理について紹介していきたいと思います。
簡易脳波計によるBCI開発中の方々の助けになれば幸いです。
なお、紹介する手法は、脳波を周波数ベースで解析する技術を中心にしますので事象関連電位については省略します。
基本的なBCIについては以下の記事が参考になります。
https://qiita.com/shartsu/items/e0dbedd891a53a4eb139
今回紹介する手法一覧
・短時間フーリエ変換
短時間フーリエ変換(STFT)
時系列データを一定時間ごとに区切って、高速フーリエ変換を実行することで、一定時間の信号に含まれる周波数成分を分析する方法です。
この手法によって、ほぼリアルタイムで脳波を解析し、ある時間におけるα波やβ波といった成分を抽出することができます。
また、運動想起脳波は運動前のα波やβ波の変化によって検出できます。ただし、短時間フーリエ変換を一定時間ごとに行うだけだと、ノイズに埋もれている成分があり、BCIが誤作動することがあります。そこで、得られた周波数成分を加算平均するなどの工夫を合わせて行うことが重要になります。
STFTについて、詳しくは以下の記事が参考になります。
https://qiita.com/icoxfog417/items/d376200407e97ce29ee5
脳波解析における短時間フーリエ変換の利点
脳波は一般的に揺らぎが多い信号であるといわれ、多くのBCIでは「加算平均」を用いて揺らぎの影響を極力減らすように処理を行っています。事象関連電位のような外部刺激由来の脳波であれば、刺激をトリガとして計測した脳波を時系列で合わせて加算平均すれば良いですが、外部の刺激に依存しないBCIを構築しようとした場合は、加算平均の基準がありません。そこで、一度脳波を短時間フーリエ変換し、周波数スペクトルを求めることで位相情報を削ります。求めた周波数スペクトルを成分ごとに加算平均することで、揺らぎの問題を軽減することができます。これにより、外部刺激に依存しないBCIでも、揺らぎの影響を受けにくくすることができます。更に、筋電や眼電位の影響を軽減することにもつながります。
終わりに
次回は、脳波から新しい特徴量を見つける際の考え方や可視化について説明したいと思います。
今回は画像やグラフなどが説明できていないので、後程追記するかもしれません。
もし、「○○について記載してほしい」などご要望がありましたらコメントよろしくお願いいたします。