1.IPアドレスの基本
・IPアドレスとは
ネットワーク上の住所として、コンピュータやデバイスがデータを送受信するための識別番号です。IPv4では32ビット(4オクテット)で表現され、通常は「ドット区切り」の形式(例:192.168.1.100)で書かれます。
各オクテットは8ビットで、0~255の範囲を持ちます。
2.サブネットマスク
・サブネットマスクとは
サブネットマスクは、IPアドレスがどの部分を「ネットワーク部」、どの部分を「ホスト部」にするかを決定するためのビットマスクです。
サブネットマスクのビットが1の部分はネットワーク部、0の部分はホスト部になります。
・サブネットマスクの例
255.255.255.0(/24)
・ネットワーク部: 24ビット
・ホスト部: 8ビット
3.CIDR(Classless Inter-Domain Routing)
・CIDR表記
サブネットのビット数を「/数字」の形式で表現します。例えば、192.168.1.100/24 の場合、サブネットマスクは 255.255.255.0 となり、最初の24ビットがネットワーク部、残りの8ビットがホスト部になります。
・CIDRとサブネットマスクの関係
・/24 はネットワーク部が24ビット、つまりサブネットマスクが 255.255.255.0 です。
・/26 だとネットワーク部が26ビットで、サブネットマスクは 255.255.255.192 となります。
4.サブネットアドレスの計算
・サブネットアドレスの決め方
IPアドレスとサブネットマスクの論理積(AND演算)をとることで、そのIPがどのネットワークに属しているかがわかります。
例:
192.168.1.100/24 と 255.255.255.0 の場合、論理積をとるとネットワークアドレスは192.168.1.0 になります。
・ネットワークアドレス、ホスト部、ブロードキャストアドレス
サブネット内で使用することができるアドレスは、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた範囲です。
・ネットワークアドレス: サブネットの最初のIPアドレス(例: 192.168.1.0)
・ブロードキャストアドレス: サブネットの最後のIPアドレス(例: 192.168.1.255)
・使用可能なIPアドレス: それらの範囲外のIP(例: 192.168.1.1 ~ 192.168.1.254)
5.サブネットを分ける
・/26のサブネット分割の例
10.0.0.0/24 を /26 に分割すると、1つのサブネットは64個のIPアドレスになります。
各サブネットは次のように分割されます:
・10.0.0.0 ~ 10.0.0.63
・10.0.0.64 ~ 10.0.0.127
・10.0.0.128 ~ 10.0.0.191
・10.0.0.192 ~ 10.0.0.255
・CIDR表記とサブネット数の関係
・/24 → 1サブネット = 256個のIP(使用可能IP 254個)
・/25 → 1サブネット = 128個のIP(使用可能IP 126個)
・/26 → 1サブネット = 64個のIP(使用可能IP 62個)
・/27 → 1サブネット = 32個のIP(使用可能IP 30個)
・/28 → 1サブネット = 16個のIP(使用可能IP 14個)
6.使用可能なホスト数の計算
・ホスト部のビット数を元に、使用可能なホスト数は次の式で計算できます。
使用可能なホスト数 = 2^(ホスト部のビット数) - 2(ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは除く)
・例:
/24 → ホスト部のビット数 = 8
使用可能なホスト数 = 2^8 - 2 = 254
7. まとめ
・IPアドレス と サブネットマスク は、ネットワークを構成するために欠かせない要素です。
・サブネットマスクは ネットワーク部 と ホスト部 を区別する役割を持ちます。
・CIDR表記(/24、/26 など)を理解すれば、サブネットの分割やホスト数の計算も簡単になります。
・サブネットごとの範囲(ネットワークアドレスからブロードキャストアドレスまで)を把握し、使えるIPアドレスを計算することが重要です。