はじめに
- 「AI未経験でいきなりE資格受けて良いものだろうか」
- 「受験まであと1か月しかない」
- 「JDLA認定講座には、お金をかけた方が良い?」
そう思っている方に、この記事は参考にしていただけると思います。
私は機械学習・深層学習に関する知識がほぼゼロの状態から学習をスタートし、
勉強期間1か月・勉強時間60時間でE資格 E2026#1に合格しました。
E資格は一般的に100〜300時間程度の学習が必要と言われています。
その中では、比較的短期間で合格できたと思います。
この記事では、「何を捨てて、何に集中したか」を振り返りながら書いていきます。
自己紹介
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学歴 | 理学部数学科卒 |
| 開発歴 | 4年(うち、Pythonは業務で半年) |
| AI関連の経験 | LLMを活用したツールの開発(半年) 東大松尾研LLM講座「AIと半導体講座2025」「大規模言語モデル2025_基礎編」修了 |
| 保有資格 | AI生成パスポート(2025/10) |
LLMを使ったアプリ開発の経験や、AI生成パスポート取得時の学習によって、AIに対する表面的な知識はあるものの、モデル内部の理論についてはまったく理解していない状態でした。
数学科出身というと「有利では?」と思われるかもしれませんが、私が受けたE2026#1のシラバスには数学的基礎の内容がほとんどなく、あまりアドバンテージに感じることはありませんでした。
E資格とは
ここでは詳細は割愛します。
JDLA公式サイト
一つだけ注意点があり、JDLA認定プログラムの修了が受験要件となっています。
受験の動機
私は新卒から、いわゆる普通のアプリ開発を行ってきましたが、
受験の半年前頃、AI関連のサービス開発に携わるようになりました。
LLMをラップしたツールを開発していましたが、モデルの中身はブラックボックスのまま。
そんな折、上司から「E資格を一緒に取得しよう」と言われました。
まったく無知な領域を体系的に学べる機会として、純粋にありがたいと思いました。
また、AI未経験の自分が「資格を持っている」というステータスを得られるチャンスでもあります。
そんな経緯で、E資格の受験を決めました。
勉強開始時のスペック
- 数学: 線形代数・微積分は大学で学習済み
- 確率・統計: 大学の一般教養科目で履修したのみ
- 機械学習・深層学習: 未経験
- Python: 業務で半年、個人的な効率化ツール開発など
- AI生成パスポート: 取得済み(2025/10)
- G検定: 未取得
JDLA認定プログラムについて
私が受講したのはVOST(AI研究所)の E資格セミナー講座 eラーニング です。
選んだ理由は、同じ時期にE資格を受験する上司に勧められたから。
こちらのプログラムは、e-learningでの「講義 → 練習問題 → プログラミング演習」が中心の構成でした。
他のプログラムにあるような修了試験はなく、「e-learningをすべて受講した」ことをフォームで自己申告すれば修了資格を発行してもらえるシステムでした。
修了資格の取得とシラバスの概要理解が目的なので、正直、講座は何でも良いと思います。
「独学が苦手」という方は、受講後の合格率を見て選ぶのが良いかもしれません。
勉強期間・スケジュール
- 勉強期間: 約1か月(2026/01/15 ~ 2026/02/22)
- 総勉強時間: 約60時間
- 平日: 2時間(週に2日ほど)
- 休日: 4時間
業務が忙しく、受験1か月前の時点で、e-learningもほとんど受講できていませんでした。
正直、E2026#2の受験に先延ばししようと考えていました。
一緒に受けると言っていた上司も、今回の受験は見送るだろうと思っていました。
ところが、上司が「今回受験する」と言うのです。
あと1か月しかない。が、上司より可処分時間の多い私が受けないわけにはいかない。
背水の陣の覚悟で、白本(深層学習教科書 ディープラーニング E資格(エンジニア)精選問題集)をポチりました。
使用教材
| 教材 | 用途 | 感想 |
|---|---|---|
| e-learning(認定プログラム) | 修了資格取得・シラバス全体像の把握 | シラバス全体像を把握するのには良かったです。 |
| 白本(E資格精選問題集) | メイン教材 | とにかく誤植が多いです。シラバス網羅性を考えると他に選択肢がないため、誤植に耐えながら使いました。 |
| ┣ 白本付録の問題集 | 腕試し・弱点把握 | 白本を1周した後、自分の理解度と苦手分野の確認に使いました。 |
| ┗ 白本付録のGPTs | 理解が曖昧な箇所の補強 | 白本のメイン価値はこれだと思っています。勉強期間はこのGPTsとずっと壁打ちしていました。 |
| ゼロから作るDeep Learning | 基礎知識の習得 | 導入としては読みやすかったですが、必須ではないという印象です。 |
| AIcia Solid ProjectさんのYouTube | 最尤推定・MAP推定・強化学習など、特定分野の理解補助 | E資格特化ではありませんが、これ以上わかりやすい教材はないと思います。 |
初めて白本をパラパラと眺めたとき、今回は記念受験になるだろうな、と思いました。
それぐらい、書いてあることすべてが何も分かりませんでした。
勉強方法
e-learning聞き流し
e-learningは2~3倍速で聞き流しました。
平均20分ほどある動画が100チャプター以上あり、まともに見ていては間に合わないと思ったからです。
また、プログラミング演習は全スキップしました。
E資格は、コードベースで理解を問う問題はありますが、いわゆるコーディング試験はありません。
勉強時間が限られる中では、理論の理解に全振りすべきと考えました。
しかし、このe-learningがまったく意味のないものだったかというと、そうではありません。
ここで大まかに全体像をインプットしておいたことで、後述の白本での学習内容がすっと頭に入ってきたように思います。
白本での学習
白本をメイン教材として、以下のサイクルを回しました。
- 大問1つずつの単位で、白本の問題を解く
- 知らない分野は無駄に考えず、すぐに解説を読む
- 疑問点があればGPTsと壁打ちして解消する
- 覚えたことを何も見ずに思い浮かべる、口に出す
- 思い出せなかった部分を再確認
- 以降ループ
白本1周目が完了した時点で6割方は理解できた感覚がありました。
その後、付属問題集で8割程度の正答率だったため、「いけるかも」と思い始めました。
そして、間違えた問題・不安な問題に関するカンニングペーパー(受験直前に見る用)をGPTsと壁打ちしながら作成しました。
その過程で、副作用的に記憶に定着した感覚があったので、やって良かったと思います。
曖昧な分野を、数式で理解する
数学科出身ということもあり、数式ベースでの理解が自分に合っていました。
以下は一例ですが、YouTubeで数式レベルまで理解してから白本に戻ると、一気に腑に落ちることが多かったです。
- 最尤推定・MAP推定 → 「なぜその式になるか」を追う
- 強化学習(Q学習など) → 更新式の意味を理解する
ただし、E資格合格に必要な深さを超えないよう、意識的に割り切っていました。
つまずいたポイントと対策
一番甘かったのは、モデルや手法の横断比較です。
それぞれ単体では理解していたつもりでしたが、「なぜその構造なのか」「他モデルとの本質的な差分は何か」を言語化できるレベルには至っていませんでした。
それを試験本番で痛感しました。
比較表やマインドマップを作成して整理することをおすすめします。
試験当日
ここが、この体験記で一番伝えたいことかもしれません。
開始早々
試験を開始した瞬間、シラバスの対象外だと思っていた問題が出題されました。
さらにその後、同様にシラバスの対象外だと認識していた単元が、大問として4問続けて出題されました。
その時点で、いきなり5問の失点を覚悟することになり、正直「終わった」と思いました。
どうやって突破したか
動揺しながらも解き進めていくと、「仮にこの選択肢が正解だとすると、前の問題の選択肢に正解が存在しないな」と気づきました。
すなわち、
- 各選択肢の組み合わせを観察する
- 「この組み合わせ以外は論理的に破綻する」という整合性チェックをする
- 消去法で選択肢を一つに絞る
というアプローチで、知識がなくても正解を導けたのです。
一つの問題を見て諦めるのではなく、他の問題と合わせて整合性を考える
これは、試験中に教師なし学習をしている感覚でした。
途中で諦めないことが本当に重要です。後半の問題が前半のヒントになることもあります。
試験時間120分のうち、80分を解答に充て、残りの40分を見直しに使い、この整合性チェックを行っていました。
試験結果
合格
感想・振り返り
受験直後、8割ぐらいは解けた感覚があったので、大丈夫だろうと思っていましたが、それでも合格通知が来るまでは不安でした。
暗記でもなく、コーディングでもなく、「なぜそうなるか」を説明できるレベルで理解しているかを問われる問題が多い印象でした。
数学科出身のバックグラウンドが役に立ったのは、数式への耐性よりも、「構造として理解しようとする習慣」の方だったように感じます。
これから受験する方へのアドバイス
1か月で合格した経験から、やるべきこと・やらなくてよいことを絞りました。
やるべきこと
- 白本を軸に、理解サイクルを回す
- モデルや手法の比較表を作る
- 損失関数、最適化手法、モデルなどに、どんなメリットデメリットがあって、何を改善するために後続モデルが開発されたのかを説明できるようにする
- 問題演習では「この選択肢はなぜ誤りか」を説明する練習をする
やらなくてよいこと(少なくとも最短ルートには不要)
- e-learningで完璧に理解しようとする
- プログラミング演習
- 様々な本を読み漁る
最後に
E資格はE2026#2からシラバスが変更されるため、
この記事の内容はあくまで E2026#1時点での体験談になります。
勉強方法の一例として、参考程度に読んでいただければ嬉しいです。
