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自作のPythonパッケージをPyPIに登録してpip install可能にする

Last updated at Posted at 2019-03-03

はじめに

自作のPythonパッケージをPyPIに登録してpip install可能にしたので、その方法をまとめました。

ちなみに参考までに自作のPythonパッケージは以下になります。
PyPIのサイト上ではどのように各種情報が表示されるのか、等の参考にしてください。

ソースコードは以下になります。

パッケージ登録の手順

パッケージ登録の流れは以下になります。

  1. テスト環境・本番環境のPyPIのアカウント登録
  2. wheel, twineのインストール
  3. setup.pyの作成
  4. python setup.py bdist_wheelの実行
  5. (任意).gitignoreの編集
  6. (任意)テスト環境のPyPIへのパッケージ登録とpip install
  7. 本番環境のPyPIへのパッケージ登録とpip install

パッケージのディレクトリ構成

以下の構成のパッケージを例に説明します。

.
├── .gitignore
├── README.md # GitHub用のパッケージ説明文
├── gokulang # パッケージ(プロジェクト)の名前
│   ├── __init__.py
│   ├── gokulang.py # メインモジュール
│   ├── romakana.py # サブモジュール
│   └── test_gokulang.py # メインモジュールのテスト
└── setup.py # PyPIへの登録に必要

手順解説

1. テスト環境・本番環境のPyPIのアカウント登録

テスト環境・本番環境のページからResisterを選択して、アカウント登録を行ってください。

アカウント登録後、それぞれメールが届きますので、メール本文のclick this link to verify your email addressをクリックしてください。

このメール認証を行わなくても各環境のPyPIのサイトにログインはできますが、パッケージを登録しようとするとエラーになってしまいますので、忘れずにメール認証しておいてください。

2. wheel, twineのインストール

  • PyPI登録用パッケージの作成ツールであるwheel
  • PyPIへのパッケージ登録実行ツールであるtwine

をインストールします。

(venv) $ pip install wheel twine 

3. setup.pyの作成

from setuptools import setup
from codecs import open
from os import path

here = path.abspath(path.dirname(__file__))

# long_description(後述)に、GitHub用のREADME.mdを指定
with open(path.join(here, 'README.md'), encoding='utf-8') as f:
    long_description = f.read()

setup(
    name='gokulang', # パッケージ名(プロジェクト名)
    packages=['gokulang'], # パッケージ内(プロジェクト内)のパッケージ名をリスト形式で指定

    version='1.0.0', # バージョン

    license='MIT', # ライセンス

    install_requires=['janome', 'pykakasi', 'semidbm', 'six'], # pip installする際に同時にインストールされるパッケージ名をリスト形式で指定

    author='shonansurvivors', # パッケージ作者の名前
    author_email='shonansurvivors@gmail.com', # パッケージ作者の連絡先メールアドレス

    url='https://github.com/shonansurvivors/yourpackage', # パッケージに関連するサイトのURL(GitHubなど)

    description='To translate Japanese sentences into Son Goku accent.', # パッケージの簡単な説明
    long_description=long_description, # PyPIに'Project description'として表示されるパッケージの説明文
    long_description_content_type='text/markdown' # long_descriptionの形式を'text/plain', 'text/x-rst', 'text/markdown'のいずれかから指定
    keywords='gokulang goku-lang', # PyPIでの検索用キーワードをスペース区切りで指定

    classifiers=[
        'License :: OSI Approved :: MIT License',
        'Programming Language :: Python :: 3.6',
    ], # パッケージ(プロジェクト)の分類。https://pypi.org/classifiers/に掲載されているものを指定可能。
)

4. python setup.py bdist_wheelの実行

以下コマンドを実行し、PyPI登録用のパッケージを作成します。

(venv) $ python setup.py bdist_wheel

コマンドを実行すると、以下# NEWと記載したディレクトリ、ファイルが作成されます。

.
├── README.md
├── build # New
│   ├── bdist.macosx-10.9-x86_64 # New
│   └── lib # New
│       └── あなたのパッケージ名 # New(自作パッケージ名)
│           ├── __init__.py # New
│           └── あなたのパッケージ内のモジュール名.py # New
├── dist # New
│   └── あなたのパッケージ名-1.0.0-py3-none-any.whl # New
├── あなたのパッケージ名
│   ├── __init__.py
│   └── あなたのパッケージ内のモジュール名.py
├── あなたのパッケージ名.egg-info # New
│   ├── PKG-INFO # New
│   ├── SOURCES.txt # New
│   ├── dependency_links.txt # New
│   ├── requires.txt # New
│   └── top_level.txt # New
└── setup.py

なお、パッケージを修正して(バージョンアップして)、PyPI登録用パッケージを再び作り直す際は、あらかじめ上記の# NEWのディレクトリ、ファイルは削除しておきましょう。

5. (任意).gitignoreの編集

gitでこのパッケージをソース管理している場合.gitignoreに以下を追記することで、python setup.py bdist_wheelで作成されるディレクトリ、ファイルをgit管理対象外にできます。

build/
dist/
あなたのパッケージ名.egg-info/

6. (任意)テスト環境のPyPIへのパッケージ登録とpip install

6.1. テスト環境のPyPIへのパッケージ登録

以下コマンドで、テスト環境のPyPIへのパッケージ登録が開始されます。

(venv) $ twine upload --repository testpypi dist/*

ユーザー名とパスワードを聞かれるのでそれぞれ入力してください。

Enter your username: (あなたのusername)
Enter your password: 

問題無ければ、以下のようにパッケージが登録されます。

Uploading distributions to https://test.pypi.org/legacy/
Uploading あなたのパッケージ名-1.0.0-py3-none-any.whl
100%|██████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████| 11.4k/11.4k [00:02<00:00, 5.13kB/s]

https://test.pypi.org/project/あなたのパッケージ名/にブラウザでアクセスしてください。

登録したパッケージが表示されているはずです。

6.2. テスト環境のPyPIからのpip install

テスト環境のPyPIから、あなたの自作パッケージをpip installしてみましょう。

(venv) $ pip install --index-url https://test.pypi.org/simple/ あなたのパッケージ名

なお、これまで自作モジュールを開発していたのとは別のディレクトリ、別の仮想環境にて実施することをおすすめします。

6.2.1. 【トラブルその1】 テスト環境のPyPIのサイトにはパッケージが掲載されているのに、インストールができない

テスト環境のPyPIのサイトにはパッケージが掲載されているのに、インストールできない場合があります。

  Could not find a version that satisfies the requirement あなたのパッケージ名 (from versions: 1.0.5)
No matching distribution found for あなたのパッケージ名

反映に時間がかかっている可能性があります。少し待ってから、改めてインストールしてみてください。私の場合、10分〜15分程度待ったら解消した場合がありました。

6.2.2. 【トラブルその2】 テスト環境のPyPIから依存関係にあるパッケージをインストールできない

今回のサンプルパッケージでは、依存関係にあるいくつかの別パッケージをsetup.pyinstall_requiresに指定していますが、これらパッケージがテスト環境のPyPIに存在するとは限りません。

以下は、setup.pyinstall_requiresに指定していたsemidbmが、テスト環境のPyPIから見つからず、自作パッケージ自体のpip installが失敗に終わっています。

Collecting semidbm (from あなたのパッケージ名)
  Could not find a version that satisfies the requirement semidbm (from あなたのパッケージ名) (from versions: )
No matching distribution found for semidbm (from あなたのパッケージ名)

こういった場合は、その依存パッケージだけ個別に本番環境のPyPIからインストールしましょう(要は普通にpip installしましょう)。

(venv) $ pip install semidbm

6.2.3. 【トラブルその3】 テスト環境のPyPIからpip installした自作パッケージが正常に動作しない

以下の理由が考えられます。

  • setup.pyinstall_requiresに指定した依存パッケージ群のバージョンが、本番環境のPyPIと比較して最新でない為、不整合が生じている

テスト環境のPyPIが不完全であることから問題が生じているので、こうした場合は諦めて本番環境のPyPIへのパッケージ登録に進んでしまって良いと思います。

7. 本番環境のPyPIへのパッケージ登録とpip install

7.1. 本番環境のPyPIへのパッケージ登録

以下コマンドで、本番環境のPyPIへのパッケージ登録が開始されます。

(venv) $ twine upload --repository pypi dist/*

ユーザー名とパスワードを聞かれるのでそれぞれ入力してください。

Enter your username: (あなたのusername)
Enter your password: 

問題無ければ、以下のようにパッケージが登録されます。

Uploading distributions to https://pypi.org/legacy/
Uploading あなたのパッケージ名-1.0.0-py3-none-any.whl
100%|██████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████| 11.4k/11.4k [00:02<00:00, 5.13kB/s]

https://pypi.org/project/あなたのパッケージ名/にブラウザでアクセスしてください。登録したパッケージが表示されているはずです。

7.2. 本番環境のPyPIからのpip install

改めて説明するまでもありませんが、本番環境のPyPIからのpip installは以下の通りです。

(venv) $ pip install あなたのパッケージ名

よくあるエラーとその対処方法

参考

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