Nano Banana Pro 登場 ~「パンドラの箱が開いた」
各社LLMの画像生成機能の向上が著しい。GoogleのNano Banana Proが先月衝撃をもって迎えられたときには「開けてはいけないパンドラの箱が開いた」と評する人もいたくらい。もうデザイナーが要らなくなる……とまでは決して行かないだろうが、「本旨ではないが見栄えとして画像が欲しい」人の需要を満たす幅は限界まで広がることだろう。
GPT Image1.5 登場
そのNano Banana Proを含むGemini3に焦ったOpenAIが「コードレッド」を発し、今月GPT5.2とGPT Image1.5をリリースしてきた。緊急で出した(ように見える)わりにはこちらもかなり性能が向上したようなので、今回は両者の画像生成機能を主要なユースケースを想定してさまざまな基準で比較してみる。
公開スペック比較(2025-12時点)
| 項目 | Google: Nano Banana Pro | OpenAI: GPT Image 1.5 |
|---|---|---|
| 公式モデルID | gemini-3-pro-image-preview | GPT Image 1.5 |
| 出力解像度 | 1K/2K/4K対応 | 1024×1024 / 1024×1536 / 1536×1024 の価格表が公開 |
| アスペクト比 | 1K/2K/4Kそれぞれで複数比率のサイズ表が公開(例:1:1, 16:9, 9:16など) | 価格表上は上記3サイズ(正方形/縦/横)の料金が明示 |
| 画像生成コスト(1024×1024で比較) | 標準モード $0.134 Batch(大量生成) $0.067 /枚 |
Low $0.009 Medium $0.034 High $0.133 |
| 画像編集・参照画像 | 最大14枚の参照画像を混ぜられる | 「画像の保持・編集が強化」「20%安くなった」などの説明あり |
| 補足 | 高解像度、テキストレンダリング、Google Searchによるグラウンディング、thinking mode等 | GPT Image 1より 入出力が20%安い(公式発表) |
画像サイズやアスペクト比など、Nano Banana Proのほうが融通が利くがコストはGPTのほうが安め。
1.文字の正確性
ポスターや図解で致命傷になりやすい、誤字や文字の崩れがないか確認する。
白背景のシンプルなイベントポスターを作成。
見出し:寿司ラボ 2026
サブ:SUSHI LAB 2026 / TOKYO
日時:2026-01-18 (Sun) 13:00–18:00
注意書き(小さめ):※入場無料 / 事前登録推奨
すべての文字を「そのまま」正確に、読みやすく配置。装飾はミニマル。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

GPT Image1.5(以下:
←チャッピー)のほう、下の小さい文字がおかしい。Nano Banana Pro(以下:
)はばっちり。
に軍配。
2.数や色などの属性の正確性
属性の指定内容を守れるかどうか。
木製テーブルの上にマカロンをちょうど7個並べる。
色は「赤2、青2、黄2、緑1」。
上から見下ろす構図、影は自然、写真風。
8個以上や6個以下にしない。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

引き分けかな。
のほうは6つ縦になってるところに若干意図しないものを感じるが…
3.空間把握、レイアウトの正確性
バナーやサムネで大事な、配置の命令を聞く度合い。
16:9 の横長画像。
左上に赤い紙コップ、右上に青い紙コップ。
手前中央に黄色いレモン、奥中央に透明なガラス瓶。
すべて被らない。背景は淡いグレー。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

のほう、コップが宙に浮いている。まあでもこっちがアングルやシチュエーションを指定しなかったし正確といえば正確なのか…?アスペクト比は
のほうは対応していない比率なので横長ではあるが不正確。勝敗を付けるなら
かな…。
4.条件が多数の場合の一致度
・夜の雨上がりの路地
・ネオンは紫とシアン
・反射した水たまり
・右手に透明傘の人物(顔は映さない)
・左奥に自転車
・看板に RAMEN(英字)
・もう一つの看板に ラーメン(日本語)
・画面下に余白を20%確保
・フィルム写真の粒状感
・16:9
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

は日本語と比率がダメなのはもう比較したので見なかったことにして、残り8つは余白指定以外は守れている。
は自転車が奥でないこと以外は守れている。オマケで引き分けかな。
5.常識チェック
看板、制服、道具など、(こちらが知らなくて指定できなくても)それっぽく作ってくれるかどうか。
日本のコンビニのレジ周りを写真風に。
レジ横におでん鍋、肉まんの保温ケース、公共料金の払込票、レジ袋。
不自然な文字は避け、雰囲気重視。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

はぱっと見かなり自然な感じだが文字が破綻…というよりは文章が破綻している。「おもみません」…何を?
は色合いがすごくAIっぽいのは置いといて、公共料金の払い込み票がおでんの汁でべちゃべちゃになりそうなところに置いてあるのがマイナス。常識チェックというテーマを考えると文章が怪しくても
に軍配かな。
6.キャラクタの一貫性
作成したキャラをマンガ・ゲームなどで継続して利用できるか。
キャラクター設定:30代、短髪、丸メガネ、白いパーカー、青いスニーカー。
白背景のスタジオ撮影風、正面立ち、全身。
この人物を、同じ服装・同じ顔の特徴のまま、右向きの横顔にして。白背景、全身。
Nano Banana Pro


GPT Image 1.5


は「青い靴」と書くとブルー100%の靴を描いてくるな。そんな靴あんまりないよ。
は完璧だが左向きになっている。「向かって右」ではあるのでこちらの指定が悪かったか。
はプロンプトが日本語なので日本人、
は指定しないと白人になるのかな?キャラの一貫性という指標では引き分けか。
7.差分修正
ピンポイントで「ここだけ変えてほしい」というよく使う用途。変更点以外が維持されたかどうか。
変更前の画像はこちら

画像の構図は一切変えずに、空だけを夕焼けにして。建物や人物の色は変えない。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

これは面白い。「建物や人物の色を変えるな」という指示を厳粛に守っているのは
のほうだが、そのせいで空だけ赤くて異様な写真になっている。
のほうは環境色に合わせて建物や人物の色を変えている(ちょっとズームされているのはアス比の問題か)。今回のケースでは
が用途に相応しいだろうが、完璧に守らせたいときは
という使い分けが出来そうだ。差分修正という指標では完全に
に軍配か。
8.画像の合成
2~3枚の画像を入力で渡して、自然に合成できるかどうか。合成用画像はこちら。


1枚目の商品の質感はそのまま保持。
2枚目のキッチンに自然に置き、光源方向も合わせて。
影を追加して“本当にそこにある”ように。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

、コーヒーメーカーでかくね?こんなもんかな?
は背景こそ同じだがテーブルが別のものになっている。大きさこそ正確な気がするが…。指示を守っているのは
のほうかな。
9.難しいモチーフの描写
物理法則に則った光の反射・透過・屈折や破綻しやすい手など、難しい部分の描写力
透明なワイングラスを持つ手のクローズアップ。
ガラス越しに背景がわずかに歪んで見える。
指は5本、爪の形も自然。写真風。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

これはどちらもお見事。引き分け。
10.サイズ等の派生・変更
同じデザインの印象を保ったままサイズなどを変更する
同一キャンペーンのバナーを3サイズで作る:
(A) 1:1、(B) 16:9、(C) 9:16。
テーマは「冬のセール」。文字は WINTER SALE、価格は 30% OFF。
配色とモチーフは統一、各比率でレイアウト最適化。
Nano Banana Pro



GPT Image 1.5

くんから「だからアス比は3つしかないって言ってんだろ!」という苦情が聞こえてきそうである。まあ指定外のアス比で3つ出されるよりは1枚の画像にまとめて正確なアス比にしてくれたほうがまだありがたいか。
に軍配。
11.固有モチーフの描写
金沢駅の鼓門など、固有のモチーフを正確に描写できるかどうか
金沢駅の鼓門(Tsuzumi-mon Gate)のローアングルからの超写実的な建築写真。
巨大な木製の柱が二重螺旋構造でねじれながら、曲線の格子状の屋根を支えている。
天気は雨で、濡れた木材が駅の緑色のアンビエント照明を反射している。
ねじれた木の梁の構造的整合性に焦点を当てよ。
梁は互いに融合することなく、論理的に接続されていなければならない。
Architectural Digest誌のスタイル。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

門の梁はカーブしていないので
がかなり正確。以前のgeminiの画像生成では全然うまく行かなかったので進化を感じる。
もまあまあ頑張っているが完全に
に軍配。
冬の兼六園の夜景写真。多数の立派な唐崎松が『雪吊り』によって支えられている。
中央の支柱から数十本の金色の縄が円錐状に枝へと伸びている。激しい雪が降っている。
縄は下からの暖かいライトアップで照らされている。
縄は真っ直ぐで、張り詰めており、互いに絡まったり雪の中に消えたりしていないこと。
縄の上にリアルに積もる雪のディテール。
Nano Banana Pro

GPT Image 1.5

、雪吊りはここまで太くないしAIっぽさがどうしてもぬぐえない。
は完璧。灯篭が追加されたせいでアングルが固定されたが現実もこうなっているはず。
総評
Nano Banana Pro ---------- 6勝
GPT Image 1.5 ------------- 1勝
引き分け ---------------------- 4分
Nano Banana Proの完勝!!……とはいえ引き分けも多かったので、コストが安いことを考えれば十分使っていけるだろう。
は青100%シューズや写真の差分変更などでわかるが「指示を厳密に守る」傾向にあり、逆に、縦になったマカロン、宙に浮いたコップ、追加された兼六園の灯篭などを見るに「指示されてない部分はこちらの意図から外れやすい」傾向にありそう。
はそのあたり、「指示はいまいち守られない」が「指示されてない部分はこちらの意図に近く補完」してくれるように思える。
両者の使い分けの際に今回の比較が役立てば幸いである。なお、プロンプトの作成にはチャッピーとgeminiの両者にご協力いただきました。