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Microsoft AI Partner Training Roadshow に行ってきました!【体験日記】

Last updated at Posted at 2024-05-31

5月 29日(水)に東京にて開催された Microsoft AI Partner Training Roadshow に参加してきました!

参加は事前登録制 (先着順)、無料でした。
サイトによると、イベントの対象者は「開発者、データサイエンティスト、セールス&プリセールス担当者、最先端の技術者」だったそうです。

私はそのどれにも当てはまらないような気がしましたが (あえていうなら、先端の技術者....?)、とても楽しかったです。
MS の AI パートナー事例 (とても進んでいる) と Intelligent アプリの基礎に触れられ、貴重な体験になりました。

本記事は、このイベントの参加体験記です。

Microsoft AI Partner Training Roadshow とは

概要

Microsoft 社主催のパートナー向け in-person トレーニング イベントです。

3月 から 6月にかけて 6都市で開催されることが計画されているそうで、5/29 時点で日本以外にも米国、インド、ドイツなどすでに 5都市で開催されています1

イベントはキーノートに始まり、その後参加者は自身が選択した "Tech Track" (breakout session) で学びを深めることができます。

In March, we launched an in-person training series called the Microsoft AI Partner Training Roadshow to target six cities globally through June1, across India, the Bay Area, Germany, Japan and Brazil. Our inaugural event in India had 1,500 attendees from 40 partner organizations with 96 percent of participants agreeing that the event was valuable and 94 percent indicating they gained new skills to be successful in their roles. **The roadshow is focused on in-person training on AI, targeting 270 partner organizations, and includes a keynote session highlighting the unique value of Microsoft AI, Fabric and Copilot for Microsoft 365, followed by a sales excellence and technical excellence tracks .
From vision to reality: Microsoft’s partners embrace AI to deliver customer value - Microsoft AI partner training roadshow

スケジュール

東京版の日時・場所はこちらでした。

  • 日時: 2024年 5月 29日 (水) 10:00AM-6:30PM (9:00AM開場、受け付け開始)
  • 場所: グランドハイアット東京

当日のスケジュール

  • 09:00      受付開始
  • 10:00-11:00  Keynote
  • 11:00-11:30  休憩
  • 11:30-17:30  Tech Track
    • 12:30-13:30 休憩 (お昼ご飯あり)
    • 15:30-15:45 休憩
  • 17:30-18:30  まとめとネットワーキング

Tech Track は、以下の 4つから選択できます。

Track 1: 【基礎編】Azure Data&AI テックトラック(座学、ハンズオン) このハンズオン・シナリオでは、ユーザーがバーチャル・エージェントと対話し、商品、ユーザー・プロフィール、販売注文情報を検索できる「Intelligent Agent」の構築にフォーカスします。

参加者は、チャット履歴の保存と管理、Azure OpenAIを使用したベクトル埋め込みとチャット補完の生成、Azure AI Searchを使用したベクトル検索の実行、リアルタイムおよびトランザクションワークロードのためのデータの取り込みとベクトル化、会話フローのプロセス管理、顧客対応コパイロットのプロンプトエンジニアリングについて学習できます。2

Track 2: 【基礎編】Copilot for Microsoft 365 テックトラック(座学) このワークショップは、パートナーがMicrosoft 365の技術力を向上させ、新規顧客の獲得とユーザー1人当たりの平均売上(ARPU)を加速させることを目的としています。

アーキテクチャーを理解するだけでなく、顧客環境にCopilot for Microsoft 365を導入する方法、その前提条件、導入と適用を成功させるために必要な関連製品とライセンスについての知識も習得できます。

さらにこのワークショップでは、導入、カスタマイズ、変更管理など、パートナーとして提供できるサービスの種類についても学ぶことが可能です。2

Track 3: 【応用編】世界一速い Microsoft Build 2024 Recap このトラックでは、5 月 21 日から 23 日まで米国シアトルで開催される Microsoft Build に参加したMicrosoft社員やパートナー様から、直接、詳細な最新情報を得ることができます。発表された最新のアップデートとイノベーションを詳しく掘り下げ、最新のワークプレイス ソリューション、インフラストラクチャとセキュリティ テクノロジ、Azure データと AI、アプリ開発戦略などの主要分野を網羅いたします。

これらの内容がどのように生産性を向上させ、デジタル エコシステムの堅牢性を確保し、組織が、データと AI の変革力を活用できるようになるか、詳しく解説いたします。2

Track 4: 【応用編】Copilot拡張開発 テックトラック - Teams AI Summit 本セッションは、マイクロソフト本社の製品開発メンバーが来日し、Build2024で発表された内容を含む最新のCopilot拡張機能開発に関する情報を紹介します。

Copilot for Microsoft 365と外部サービスの連携を実現するプラグインやGraph Connector、ローコードでAIボットの開発が可能なMicrosoft Copilot Studio、Teams上で実行可能なカスタムAIボット(Custom Copilot)を実現するTeams AI Libraryなど、Copilot、チャットインターフェース、AIをフル活用したソリューション開発に関する最新の技術情報を、具体的なユーザシナリオと併せてご紹介いたします。2

今回私は、せっかくなのでハンズオンを体験したいと思い、「基礎編」の文字に勇気を得て Azure Data & AI テックトラック (Track 1) を選択しました。

なお Tech Track は申込時に選択しますが、当日会場で「変更したかったり複数トラックに興味があったりする場合は、受付で相談してください」というアナウンスがあったので、ある程度柔軟に対応してもらえたようです。

A Day in AI Partner Training Roadshow

とても楽しい 1日だったので、振り返ります☆
(すこし長くなってしまったので、適宜目次ご活用ください。)

受け付け

まず開場はキラキラのホテルで、私は9:40ごろに到着したのですが、朝食がふるまわれていました (震え)
(デニッシュなどのパンやカットフルーツ、ダノンビオ ヨーグルト、カヌレ、etc. あとグレープフルーツなどの果物ジュースやコーヒー)

受付では、登録完了メールについているQRを読み込んでもらい、会場パスとノベルティをもらいました。
Image (4).jpg

家で改めて Copilot 印のキー チェーンをみると、マルチ端子の充電ケーブルでした!
ただ、入力端子が USB Type A で驚きました。(はじめて Type A 見たかも...)

Keynote

Copilot のプロモ ビデオと盛り上がる音楽で始まりました。

image.png

内容は、「AI トランスフォーメーション3におけるキー フォーカス エリア」 である以下の3つについてでした。

  1. 生産性
  2. エコシステム (≒ パートナー ビジネス)
  3. 信頼性、セキュリティ

一部あったデモは主に Microsoft Build で紹介されたもので英語でしたが、特にエコシステムというコンテキストで日本のパートナー企業の紹介があり、日本のオーディエンスのために用意されたコンテンツであると感じました。

日本のパートナー企業の事例紹介には特に時間が割かれており、各企業からスピーカーが登壇されていて、今回のキーノート プレゼンの目玉だったと思います。

以下、簡単に内容を振り返ります!

本記事の内容は、実際のキーノートの逐語メモではありません。
私が省略したり自分の言葉にしたりしてメモした内容を雰囲気で書き起こしたものです。

少し長くなってしまったので、適宜目次ご活用ください汗


1. 生産性

Copilot のデモやプレビューで収集したデータの紹介から、「約8倍の ROI (投資対効果) がある」 という宣伝がありました。

AI トランスフォーメーションにあたって、Copilot も追加ライセンス必要ですし、まずお金がかかる「投資」であるという意識は共通になってきている気がします。
が、AI によって生産性が向上するため、投資に勝る効果があるということでした。


2. エコシステム

Microsoft の AI 技術を活用した日本の企業事例が紹介されました。

SAP ジャパン株式会社

SAP SuccessFactors と Microsoft Viva Learning、Copilot を掛け合わせることで、以下を実現!

  • ユーザーが慣れ親しんだ Teams アプリ上で SAP SuccessFactors を開くことができる
  • SuccessFactors ページ上で Copilot チャットボットを使えるため、ユーザーは Copilot とのチャットを通して自分に合ったコンテンツを見つけることができる
  • 受講ステータスが両システムで同期されるため、スキル情報を活用して人事判断に繋げることができる

株式会社アドインテ

Retail media と 生成 AI を掛け合わせて、購買を DX している!

  • 配信用クリエイティブ制作 システム
    商品ページURLをフォームに入力すると、AI が配信用クリエイティブ (ペルソナ、広告テキスト、ハッシュタグ、画像) を生成する
  • 自然言語による POS (Point of Sale) 集計 システム
    チャットボットに自然言語で質問すると、AI が購買データを活用して POS 分析をし、結果を答えとして返してくれる

株式会社 日立製作所

2024年 4月の AI Challenge Day コンテスト優勝チームである日立の、RAG 精度向上ポイント紹介!

  • ツールの組み合わせ
    画像データ上の文字を AI に認識させるにあたり、ツールを組み合わせると認識率が上がる!
    ← Azure Document Intelligence など
  • Rephrase
    プロンプトがひらがなばかりだとして、適度に漢字を使って表現を換えた方が検索のヒット率が上がる!
    ← 漢字だけでなく、フレーズなどの言い換えも効果的
  • Reranking
    検索数を増やすと検索ノイズ (hallucination risk) も増えてしまうが、検索結果を並び変えて上澄みを利用すると回答精度が上がる!

3. 信頼性、セキュリティ

Microsoft の AI が信頼性とセキュリティにおいて他社と差別化できる点として、以下が挙げられていました。

  • IdP (Active Directory, Entra ID) とのシームレスな連携
    i.e. 「いつ誰がアクセスしているのか」、「いつ誰がどんなプロンプトしているのか」モニター、監査することができる
  • リージョン透明性
  • PTU (Provisioned Throughput Unit) 予約
    基盤のチップセットの供給が追い付いていない業界課題があるが、MS 独自の取り組みとして顧客はPTUを予約できるため、正しいthroughput で提供できる (PTUのリソース予約による)
    ←基盤側もどんどん投資予定があり、Build で発表された AMD との協業もこれを後押しする目的がある
  • エッジ処理

AD や Entra ID に言及があり、基盤系の住民としてテンションあがりました

株式会社エクサウィザーズ

法人向けのセキュアな生成 AI ソリューション、「exaBase」を提供している

  • データ処理は国内
    Azureの東日本リージョンのOpenAI API 使っている
  • RAGOps
    exaBase studio 上の新機能。運用しながら、ユーザー企業のエンジニアが精度チューニングできる!

日本 AMD 株式会社

最近の AMD の取り組み、注力領域について紹介がありました。

私の方に前提知識が無かったせいで半分以下くらいしかメモ取れませんでした。。

  • Azure クラウドを通してcompute power を提供
    ← より多くの顧客にリーチできる
  • Green Technology
    ← AMD の強み!
  • エッジ処理
    ← 例) NPU や SLM

休憩

Keynote と Tech Track の間の休憩時間や、昼休憩、Tech Track 中に適宜ロビー (ホワイエ?) で休憩ができました。

コーヒーが飲み放題 (!) で、クッキーやミニタルトといったお菓子もサーブされていました。
水も、リサイクル可能な缶ボトルの水を貰い放題でした。

Image (1).jpg

お昼は、Tech Track 中に長めの休憩時間が設定されており、そこでお昼休憩とお昼ご飯をとることができます。
お昼ご飯はお弁当形式で、素敵お弁当でした。
Image (2).jpg

なお Community Conference ではお昼ご飯がバイキング形式でとても混雑しており、私はランチ戦争放棄したのでご飯にありつけなかったことを思い出しました。
それに比べて、今回のようにお弁当の形で配ってくれたら落ち着いて食べれるので、とても嬉しかったです。

ホテル会場だからか、スポンサーの AMD 様が気合をいれているのか、とてもラグジュアリーな気分にさせてくれるイベントでした。

Tech Track

各 Tech Track で部屋が分かれており、参加者は各自申し込んだトラックの部屋に行きます。

私は Track 1 を受講しました!

  • Track 1: 【基礎編】Azure Data&AI テックトラック(座学、ハンズオン)

このハンズオン・シナリオでは、ユーザーがバーチャル・エージェントと対話し、商品、ユーザー・プロフィール、販売注文情報を検索できる「Intelligent Agent」の構築にフォーカスします。
参加者は、チャット履歴の保存と管理、Azure OpenAIを使用したベクトル埋め込みとチャット補完の生成、Azure AI Searchを使用したベクトル検索の実行、リアルタイムおよびトランザクションワークロードのためのデータの取り込みとベクトル化、会話フローのプロセス管理、顧客対応コパイロットのプロンプトエンジニアリングについて学習できます。
--- イベント ページ より抜粋。(2024/5/30 閲覧)

ハンズオンは "Bring Your Own Device 形式" で、部屋にはすべての席で机と電源タップが用意されていました。

Image (3).jpg


座学

私のような事前知識が無い人でも学びを見つけられるような内容でした。

以下が座学セクションで触れられた内容です。

すみません、箇条書きで端折ります ><

  • Intelligent App components
  • Microsoft Azure AI principal & portfolio
  • LLM (Large Language Model), SLM (Small Language Model)
  • Azure OpenAI components, key concepts
  • リスク低減層 (Model 層 > Safety System 層 > System Message 層)
  • Azure AI Search (ベクトル検索、Semantic Ranking, RAG, Azure OpenAI "on your data")
  • Copilot Stack and how Azure AI Studio provides the "unified experience" in achieving it
  • Azure Cosmos DB
  • AKS (Azure Kubernetes service)

実際のレクチャーでは、基本概念から Microsoft 目線への掘り下げがあって興味深かったです。
例えば、SLM の例として MS が開発した Phi (ファイ) が紹介されていました。
また、「現在 Microsoft Copilot の裏では GPT-4 (LLM) が動いているけれど、これを Phi に変えられたらクラウド側で消費する GPU がかなり節約できて、現在のリソース不足問題にアプローチすることができる。Windows 上に Phi を入れてエッジ処理するというのも同じ思考のアプローチだ。」といった熱い語りもありました。


ハンズオン

MS のハンズオン系オンライン研修でもよくある、VM と検証シナリオが 2画面表示されるラボを使ったハンズオン研修でした。

シナリオは「自分のコパイロットを作ろう (Build Your Own Copilot - Japanese)」 で、日本語テキストでした。(ただし翻訳は若干拙い)

シナリオは大きく 6セクションに分かれており、あらすじを読むとそれぞれ以下をするようでした。

  • ラボ 1: Azure 上にリソースを作成し、スクリプトをローカルで動かしてデバッグする
  • ラボ 2: Azure Cosmos DB と Azure Cognitive Search へのデータロード、vector index の作成
  • ラボ 3: System Message 設定
  • ラボ 4: データを追加し、vector を作り直す
  • ラボ 5: 新しいデータ型、フィールド、ファイル型を追加する
  • ラボ 6: Semantic Kernel の新しい Plugin を作成し、シェイクスピア風に回答する Copilot を作成する

ラボ環境にはコピペできる PowerShell コマンドやサンプルコードが用意されており、環境情報 (主にリソースの ID やキー) を変換すればいいだけになっていました。

基本的にシナリオ説明をよく読んで写真もよく見れば、事前知識の無い人でも進められる作りでした。

私は幸いエラーとか出さずテンポよく進められたのですが、会場ではラボ 2までしか進められませんでした。
ラボは環境は保存でき、イベント後も数日間はアクセスできるそうです。
講師の方々も「時間内に終わる人の方が少ないんちゃうか」みたいなことを言っていました。

イベント後にラボ環境にアクセスするには、一番最初のラボ初回サインイン時に Microsoft アカウントを使う必要があったようです。
(代替方法はアクセス キーだが、これは当日のみ利用可能)

私はアクセス キーでサインインしていて、次の日ラボを launch しようとすると「Sorry, this lab is not available to you.」メッセージに阻まれてしまいました。

ラボを完走することはできませんでしたが、ベクトル検索や System Message など、座学で知ったキーワードが早速出てきてワクワクしました。
実際に Azure 環境を触ったり Visual Studio Code 上で JSON ファイルを更新したりするので、ちょっと開発の裏側を覗くことができたように思い、嬉しかったです。

まとめとネットワーキング

17:30 を過ぎると、一旦 Tech Track としてはお開きになりました。
残りのラボの難しい点の予告説明があり、部屋は 18:30 まで利用可能で講師の方々にも質問可能とのことでした。 (これに甘えて 30分粘るも当然終わらず)

ロビー (ホワイエ?) では軽食がふるまわれており、知り合い同士で歓談したり、名刺交換をしたりというネットワーキングの場になっていました。

私はネットワーキングに苦手意識があるのですが、たまたま Tech Track で前職の先輩に会えたり、ハンズオンで隣の席だった方と話せたりして、おかげさまで普段より交流することができて嬉しかったです。

さいごに

Microsoft AI Partner Training Roadshow は、その名の通り、AI Partner として鍛え上げてくれるイベントでした。

Tech Track も想定参加者のロールに応じて各自が興味のあるものを選択できるようになっており、AI 時代のロールが定まっていない身としては目移りしてしまい、身体がひとつしかないのがもどかしかったです笑

私はまだ知識も足りずラボも完走できませんでしたが、but I've got to take a glimpse into behind the scenes of custom Copilot as well as the growing AI partner community and that, itself was a huge takeaway! (座学パートで AI 系インデックスが自分の中に増えたことも added bonus でした!)

あとちょうど業務のタイミングとして、つい最近プロジェクトの結合試験がひと段落ついたところだったので、神イベントのおかげもありリフレッシュできたように感じました。

またこういった機会があれば参加したいです!

  1. イベント ページ には、3月 から5月末までにかけての 5都市のスケジュールが公開されています (2024年 5月 30日現在):Hyderabad, India (March 1, 2024), Bengaluru, India (March 19, 2024), Santa Clara, USA (May 15, 2024), Bonn, Germany (May 22, 2024), Tokyo, Japan (May 29, 2024)。ブログによると 6都市目はブラジルになるそう。 2

  2. Tech Track 概要:イベント ページ より抜粋。(2024/5/30 閲覧) 2 3 4

  3. 業界の話題がすでにデジタル トランスフォーメーション (DX) から AI トランスフォーメーションに進化していることにふと気が付きました (遅い?)

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