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サマリー

  • AI を使うと情報の理解や加工はしやすい
  • 一方で、それを行えるようにするまで行った後の結果の共有 は、多くの場合、自動化されない
    • 手作業で泥臭く行う必要がある
  • したがって、上記を 泥臭く行えることが一つのスキルとなり価値となる と考える

これを泥臭い共有と呼んでいます。

はじめに

情報は元来「人」に与えるものでしたが、AI 時代の昨今では「AI」にも与えると思います。

できればコーディングエージェントみたいにシームレスに読んでほしい――つまり人間がいちいち AI に手作業で与えるのではなく、勝手に読んでほしいわけですよね。残念ながら、そうもいきません。

例1:トランスクリプト

たとえば会議のトランスクリプトから精度の高い議事録を生成させたり、深い壁打ちを行いたいとします。

おそらく 手作業で トランスクリプトの権限を依頼 → 付与 → DL して入手 → AI に渡す必要があるでしょう。もちろん、チーム全員に共有したいなら、共有に向けた作業も必要です。さらに、会議が日に 2 件あって、そのすべてについて行いたいとしたら?自分が毎日 2 件分やるのか、誰かにお願いするのか、いずれにしてもそれなりに大変です。

エンジニアであれば「自動化したい」と考えるでしょうが、それが難しいこともすぐにわかります。なぜなら、こういったことを行うためには、プラットフォームに関する深い理解と権限、またプラットフォーム側のサポートが必要だからです。Teams で会議しているとして、トランスクリプトファイルを自動的に会議メンバー全員が DL できるようにする、は可能でしょうか?Teams 自体がサポートしていても組織のポリシーがサポートしてないかもしれませんし、ポリシーがクリアされていても、会議主催者に権限設定を毎回お願いしないといけないかもしれません。

……と考えてくると、非常に面倒くさいことがわかります。みんな忙しいですから、こんなことやってられません。

もちろん大前提として、そもそもトランスクリプトを有効にするのかどうかとか、有効にはしているが AI に渡してもいいのかとか、渡していいかどうかのレビューは誰がやるのかといった話もあります。

例1の機会損失

仮に例1で、AI にトランスクリプトを渡すのを諦めたとします。何が問題でしょうか?いえ、問題とは違うかもしれませんが、機会損失になると考えます。

現在ではすでに AI、もっと言えばウェブの対話型チャットやコーディングエージェントなどから LLM を呼び出せる時代です。要約も、深い会話も、好きなだけできます。

少し話は変わりますが、私は普段プライベートで日記を書いており、生成 AI に渡して振り返りをしています。GTD、PARA メソッド、Agile Results といったメソッドも取り入れていて、日次・週次・月次ごとの振り返りと、そのときそのときの軌道修正ができています。取りこぼしたタスクやその週の学びにも気づけますし、悩みがあればその場で深く対話したりもできます。バイアスや理想論も検出できますし、現状を踏まえたベストなバランスを選んだり、目標との整合や進捗を議論したりもできます。このレベルの広さと深さは、私ひとりではできないし、誰か人がいてもできなかったでしょう。LLM という、いつでも好きなときに好きなだけ使える存在がいるからこそです。

仕事も同じ段階に入りつつあると考えます。そして仕事は(状況次第ですが基本的には)会議や会話で進むものであり、それらのデータはトランスクリプトで残せます。したがって、トランスクリプトを有効にして、AI に与えられるようにできるかどうか が一種の分かれ目になります。

泥臭い共有

本題です。

泥臭い共有 とは、ここでは情報を AI に渡せるようにするために必要な泥臭い作業を指します。これは実質的に共有の話です。トランスクリプトといった「AIに渡す情報」を共有することと、AI に渡して「AI と対話した結果」を共有することの二点を含みます。

具体的な作業については、例1からもう一度抜粋しましょう。

  • トランスクリプトを有効にすること
  • トランスクリプトを誰でも DL できるようにすること
  • トランスクリプトを AI に渡して何らかの対話を行った結果を共有すること

また以下のような「決め」も必要です。

  • そもそもトランスクリプトを有効にしていいの?
  • トランスクリプトはどこまで共有していいの?
  • トランスクリプトは AI に渡していいの?どこまで渡していいの?
  • このあたりの判断の拠り所とプロセスはどうなってるの?
  • プロセスが煩雑または困難な場合、どうやってほぐすの?

さらに、以下のような説得も必要になるかもしれません。

  • トランスクリプトではなくツールが出した「要約」じゃダメなの?
    • Teams で言えばトランスクリプトの DL ではなく、Teams が自動生成する要約じゃダメなの?

こういった泥臭いことを、毎回やらないといけません。決めの部分は一度決めればいいですが、有効化や DL 権限や結果共有などは会議ごとに必要になります(使っているツールや組織のポリシー状況にもよります)。

そして、ここには通常近道がありません。すでに述べたとおり、ツール側の制約や組織側の制約によって自動化はできないか、できても限定的になるためです。

おわりに

私達はエンジニアであり、自動化や省力化やプロセス改善はお手の物だと思います。一方でビジネスであり組織である以上、泥臭さはつきまといます。泥臭さこそがビジネスの本質であり、エンジニアとて例外ではないとの信条を持つ人も少なくないと思います。

私は、この「泥臭さ」に「泥臭い共有」も加わりつつあると思うのです。大胆に言えばスキルの一つであり、これができることが価値の一つにもなる、と。

ちなみにチーム全員が身につけるスキルとするのか、それとも泥臭い共有を専任するポジションを据えるのかはまだ見えていません。もちろん自動化や AI エージェント化するのもアリでしょうが、すでに述べたとおり、組織的・社会的要素も絡むので現時点では難しいと思っています。皆さんはどう考えますか?

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