Anthropic の認定資格 CCAR-F(Claude Certified Architect - Foundations) を取得しました。日本語の情報がまだ少ないと思うので、試験の全体像、問題の傾向、勉強法、感触を書き残しておきます。
おことわり:
- 試験内容そのものは守秘義務があるため書きません。あくまで「どんな感じだったか」「どう備えればいいか」という粒度の話です
- 本記事は 2026-10-28 時点の話です
前提
私の立ち位置は以下のとおりです。
- AI エージェント開発業務を半年ほど、Claude 技術検証やデモ作成を 2 ヶ月ほどしていた
- 普段使うのは Claude Code CLI がメイン。Agent SDK や API、MCP サーバーは業務では使っていない
「Claude Code は毎日触っているが、周辺の製品群は知識だけ」というタイプだと思ってください。
CCAR-F とは?
AWS で言えば SAP というよりは SAA(Solutions Architect - Associate)くらいの位置づけ だと思います。
Claude Code を使いこなせるのは当たり前の前提で、その上で 正しい使い方を選べるか、トラブルシューティングできるか を問われます。「知っている」ではなく「場面に応じて判断できる」が争点です。
試験全般
- テストセンターまたはオンラインで受験
- 120 問、2 時間
- 各問は 4 択。たまに 5 択から 2 つ選ばせる問題もある
- 1000 点満点で 720 点以上が合格
- 終了後その場で結果レポートが出てくる
試験全般(公式情報ベース)
公式の情報を抜粋します。exam guide はリンク先が変わるかもしれません。
- 公式サイト: https://anthropic-partners.skilljar.com/claude-certified-architect-foundations-certification
- exam guide(en): https://everpath-course-content.s3-accelerate.amazonaws.com/instructor%2F6nizmqk8tpzpfjvt6qmmav7rh%2Fpublic%2F1783542750%2FClaude+Certified+Architect+%E2%80%93+Foundations+Exam+Guide.pdf
- exam guide(ja): https://everpath-course-content.s3-accelerate.amazonaws.com/instructor%2F34hhd92iyp94a0gtbr15cy5jk%2Fpublic%2F1792453693%2FClaude+Certified+Architect+-+Foundations+Exam+Guide+%28Japanese%29.pdf
- FAQ: https://anthropic-partners.skilljar.com/page/faq-certifications
以下サイトから抜粋します。
受験は認定パートナー企業のみです(ちなみに当社はグローバルパートナー)。ただし exam guide や FAQ はパブリックに公開されており、誰でも閲覧できます。
はい。認定資格は、Claude Partner Networkの組織に所属する方が対象です。申し込みには、認識済みの会社ドメインのパートナー用メールアドレスが必要です。個人のメールアドレスは使用できません。
結果は試験後、その場で表示されます。
オンラインで受験する場合もテストセンターで受験する場合も、試験終了時に画面にスコアが表示されます。テストセンターの受験者には、印刷されたスコアレポートも渡されます。
言語は英語と日本語です。2026 年 9 月までは英語だけだったので、これ以前のネット上記事は英語前提の対策が書いてあったりします。
試験と対策コンテンツは、英語と日本語で提供されています。なお、監督付き試験では、ブラウザの翻訳ツールを使用することは認められていません。
問題の傾向
3 つの問い方
問題は大きく 3 パターンに分かれると思います。なお以下の例は、例のために挙げた創作です。
1. 方法を問う
やりたいことがあって、どういう戦略や設定を取ればいいかを問う。
例: サブエージェントには調査だけやらせたくて、危険なコマンド実行はやらせたくない。どうすればいい?
→ エージェント定義の
toolsで許可リスト的に、disallowedToolsで拒否リスト的に除外する
2. 原因を問う
やりたいことがあって、A をやってみたが上手くいかない。なぜなのかを問う。
例: コードレビュー用のサブエージェントを定義して、メインエージェントから任せたい。しかしメインエージェントが自分でレビューを済ませてしまい、サブエージェントが起動した形跡は一切ない。サブエージェントの定義(description など)自体は問題なさそう。何が起きている?
→ メインエージェントの許可ツールに Task ツールが含まれていないので、サブエージェントを呼び出す手段がない
3. トラブルシューティングを問う
やりたいことがあって、A をやってみたが上手くいかない。どう修正すればいいかを問う。つまり「原因 + 方法」の複合です。
問題文はとにかく長い
日本語の問題文は、AWS SAA と同等か、それ以上に長い です。
ケーススタディやテーマトークで見るような「場面」が設定されていて、そこに「~~のためにエージェントで~~をしたいのですが」という「意図」がひっついて、その意図に対して方法か原因かトラブルシューティングが選択肢で問われます。
場面と意図の理解が重要 です。問題文や選択肢のキーワードや雰囲気だけ見て暗記で押し切るのは厳しい気がします。
なお和訳の品質は問題ありませんでした。最近の賢い AI による翻訳と同等レベルだと思います。
出題範囲
今回出たのは大きく以下の 4 つです。
- Claude Code CLI
- Claude Agent SDK
- API(Messages API と Batch API)
- MCP サーバー
私は普段 1 しか使っておらず、2・3・4 は使っていません。対策中も「知識として知らなくて」間違えることが多く、そこは暗記で乗り切りました。わからないことや覚え方は Claude に聞けばいいので、昔よりはだいぶ楽です。
基本用語は押さえておかないと通用しない
たとえば以下を全部、自分の言葉で説明できるでしょうか?
- CLAUDE.md
-
.claude/ディレクトリ - settings.json
- サブエージェント
- Task ツール、Grep ツールなどの組み込みツール
- 余談ですが、現在では Task ツールではなく Agent ツールが正しい ようです。このように exam guide ベースだと一部知識が古いことがあります
- フロントマター
- Messages API と Message Batches API
-
claude -pコマンド - Claude Agent SDK
- fork
- MCP サーバー
- コンテキストウィンドウ
試験は、これら基礎を 当たり前に知っている・使える前提 で、「この場面でどれを何故使うか」を問います。基礎ができていないと歯が立ちません。
また開発寄りの試験なので、開発周りの用語も押さえておかないとつらいかもしれません。
- GitHub 系: PR とは何か、など
- 構造化系: JSON でスキーマを厳密に定義する、など
- ツール系: Grep(ファイルの中身を検索)や Glob(ファイル名を検索)など
どう勉強する?
やっぱり実際に使ってみるのが良い
AWS と違って 個人でも試しやすい のが Claude の良いところです。会社で学習してもいいですが、私生活の時間と、月 20 ドルの Pro プラン(使用量がオーバーしやすいなら 月 100 ドル Max プランも射程)の出費が許すなら、私生活で遊ぶのが一番身につくと思います。
Claude Code で遊ぶなら、こんな入り方がおすすめです。
- 気になることを調べさせたり、レポートをつくらせたりする
- 自分が欲しいツールをつくらせてみる
- Claude や開発に関してわからないことがあれば Claude 自身に聞く
exam guide から問題集を自作する
公式の exam guide を元に、Claude に問題集や模試をつくらせます。これで 8~9 割取れれば本番も取れると思います。
問題集のつくりかたは以下のとおりです。私生活でも可能で、パブリックに公開されている情報だけで行えます。
- 試験準拠でつくらせる(exam guide を渡す)
- 公式ドキュメントも与えてつくらせてもいい
- 単一の HTML ファイルで作らせる(ブラウザで読める)
- ボタンを押したら正解を確認できるようにする(赤い下敷きで隠すアレの再現)
- すべて採点する機能をつける(1問ずつ正解確認だと模試的に採点したい場合に手間)
- 3 問、5 問、10 問、30 問、60 問などランダムに出題するモードをつける
- exam guide の問題パターンは 60 個くらいしかないので、同じパターンで複数バリエーションをつくらせる
- 5 バリエーションなら 60 × 5 = 300 問になる
間違えた後の振り返りも Claude に投げれば、なぜ間違えたのか、何を押さえるべきかまで返ってきます。
公式の研修や社内のイベント
公式の研修もあるらしいですが、私は使っていないので何も言えません。手を動かして理解することが大事なので、自分で動かせる環境がない人は検討してみてもいいかもしれません。
あとは部門や全社で開催されている勉強会に乗るのもアリです。受験資格を持つ認定パートナー企業であれば、その手の集まりはあるはずですし、ない場合でも開催もしやすいはず。
感触として
Claude を数ヶ月以上当たり前に使っていて、テキトーではなく内部動作や仕様の理解に努めているエンジニア であれば、まあ受かると思います。目安は、上述した用語を自分の言葉で説明できるかどうかです。
ただし資格特有の「知識ゲー」や「読解」はあるので、模試をつくらせて何度か解いて慣れておいた方が確実です。
感想
便利な時代になりました。調査も、問題集の作成も、間違えた後の振り返りも、Claude 一本で全部できてしまいます。
一方で、この試験が問うているのは 応用と判断 です。知識を暗記していれば良いわけではなく、「今どういう場面で、どういう意図で、だからこれが良い」まで判断できるようにならないといけません。まさにそこを問われる試験でした。Claude を使う実務でも同じことが求められているので、良い腕試しになったと思います。
