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Mac環境でPlatformIO IDEを用いてハードウェアコーディングをする時の環境セットアップについて

Last updated at Posted at 2019-06-28

ArduinoやM5Stackのコーディングの際に、PlatformIO IDEという開発統合環境を使って開発をしてみました。
スクリーンショット 2019-06-27 16.13.47.png

これまで、Arduinoの開発を行う時にはArduino IDEを用いていました。お馴染みのこの画面です。
スクリーンショット 2019-06-27 15.12.57.png
Arduino IDEを使っていて特に大きな不満はなかったのですが、チームでコーディングを行う際に、さまざまな利点があるということで、PlatformIO IDEを使って開発をしてみました。PlatformIO IDEの利点を紹介しつつ、Arduino UNOでLチカ(LEDを点灯させる基本的なプログラム)を行うまでの流れを説明したいと思います。

PlatformIO IDEとは?

マイクロソフト社のソースコードエディタであるVisualStudioCode(以下VSCode)や、オープンソースのテキストエディタであるAtomの拡張機能で、ArduinoやM5Stackを始めとするハードウェアプログラミングに適しています。なおこの記事では、ソースコードエディタにVSCodeを使っています。
スクリーンショット 2019-06-27 15.11.07.png
これはArduino IDEと比較して、以下の利点があります。

コーディングが楽になる

自分はこれが特に便利だと思ったのですが、検証か書き込みボタンを押さないとデバッグが行えないArduino IDE環境と異なり、コーディングをしている時に変数や関数の補完、そしてデバッグをしてくれます。
スクリーンショット 2019-06-27 15.17.03.png

ターミナルやシリアルモニタなど、様々な機能を1画面で見られる

Arduino IDEの場合は、シリアルモニタやターミナル画面が別ウインドウでしか表示できませんが、PlatformIO IDEの場合はそれを1画面で見られます。図のように、複数のプロジェクトの画面を開くことも可能です。
Qiita.png

CUIを用いて作業ができる

上の図からも分かるように、VSCode内でターミナルを開けるので、コーディングをチームで行う際に、Git管理をするのが楽になります。また、コマンドラインを用いてArduinoへプログラムの書き込みをしたり、ライブラリのインストールなどを行うことも可能です。

PlatformIOをインストールしてみる

ということで、VSCode、PlatformIOをインストールし、Arduinoにプログラムを書き込んでみましょう!
*この時のPC環境はmacOS Mojave, バージョン10.14.4でした。

VisualStudioCodeをインストールする

始めに、VisualStudioCodeをインストールします。公式ホームページhttps://code.visualstudio.com からDownload for Macをクリックしてダウンロードして下さい。
スクリーンショット 2019-06-27 16.25.26.png

PlatformIO IDEをインストール

VSCodeをインストールしたら、PlatformIO IDEをインストールします。
VSCodeを開き、左側にあるアイコンのうち、赤枠で囲ったEXTENSIONSのアイコンをクリックし、PlatformIOと入力して、インストールを行なって下さい。
アセット 1.png
これで環境のセットアップは完了です。続いて、新しいプロジェクトを作成して、エルチカのプログラムを書いてみましょう。

プロジェクトを作成し、ボードを選択する

アセット 2.png
PlatformIO IDEをインストールすると、VSCodeを起動する際に自動的に、PIO Homeというタブが開かれるようになります。
このタブの中にある、New Projectというボタンをクリックして下さい。
スクリーンショット 2019-06-27 16.53.36.png

続いて、Nameにプロジェクト名を、Board欄から、Arduino UNOなど、自分が使うマイコンボードを選択して下さい。
Finishをクリックすると、プロジェクトが作成されます。

ファイル構造について

プロジェクトが作成されると、このような図が出てくるかと思います。
アセット 4.png
枠線で囲った部分が、作成したLEDBlinkプロジェクト内のファイルになりますが、Arduinoに比べ、やたら沢山のフォルダがありますね・・・
まずは、ArduinoIDEで編集してきた.inoファイルの代わりに、srcフォルダ内にあるmain.cppファイルを編集すればOKと考えて下さい。
ちなみにプロジェクトを再度開く際には、platformio.iniファイルをVSCodeで開くとプロジェクトごと開くことができます。

ここに、Lチカのプログラムを書き込んでみます。今回はArduinoUNOに内蔵されているLEDを点灯させるため、以下のようなプログラムを書きました。
スクリーンショット 2019-06-27 16.57.34.png

スケッチを書き込み

スケッチを書き終えたら、Arduino UNOをMacに接続して、プログラムを書き込みます。
アセット 5.png
画面左下にある右矢印アイコンをクリックすると、書き込みが始まります。USBポートは、選択しなくても自動的にArduinoUNOのポートを認識して書き込んでくれます(これがすごく便利!)。
書き込みが始まるとターミナルが開き、書き込み状況を表示してくれます。
緑色でSUCCESSと表示されれば、書き込みは成功です!
書き込みが成功していれば、下図枠内のArduino内蔵LEDが点灯しているはずです。
アセット 6.png

その他豆知識

Arduino IDEで使ってきたinoファイルを引き継いで使いたい

プロジェクトを使ってみて分かる通り、PlatformIO IDEでは、Arduino IDEで使用してきた.inoファイルではなく、.iniファイルやmain.cppファイルから構成されます。そのため、今までArduino IDEで使ってきたファイルをPlatformIO IDEで使うために必要な手順を説明したいと思います。

始めに、PIOHome画面を開き、Import Arduino Projectボタンをクリックします。
スクリーンショット 2019-06-27 17.14.46.png
そして、ボードの種類を選択し、開きたい.inoファイルのフォルダを指定してから、Importボタンをクリックします。
ここで、Use libraries installed by Arduino IDEをクリックするようにして下さい。Arduino IDEでインストールしていたライブラリを、PlatformIO内で再インストールすることなく使用することができるようになります。
スクリーンショット 2019-06-27 17.16.05.png
これで、プロジェクトが作成されました。inoファイルは、srcフォルダ内に配置されます。
あとはmain.cppファイルの時と同様、ファイルを編集して書き込みを行うだけです。

必要なライブラリを追加でインストールしたい

追加でライブラリをインストールしたい場合には、一度PIOHomeを開き、Librariesタブを開きます。ここからキーワードを入力して、必要なライブラリをインストールできます。
スクリーンショット 2019-06-27 17.21.30.png
同様に、Boardsタブからはボードの追加を、Devicesタブからは認識されているデバイスの確認ができます。この辺りはほとんど、Arduino IDEでの操作と同じですね。

なお、ライブラリのインストールなどは、コマンドラインで行うこともできます。こちらのサイト https://qiita.com/hotchpotch/items/4777979835cf04453e2e などを参照して下さい。

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