はじめに
こんにちは。
最近、プロジェクトで新しいSwiftパッケージを試したいと思うことが増えてきました。
しかし、Xcodeを普段お使いの方には伝わるかと思うのですが、新しいパッケージを試すためだけの環境をすぐに用意するのは思ったよりも手間がかかりますよね。
とくにXcodeに慣れていない方(私もその一人です)にとっては、とりあえず試したい環境を作りたいだけなのに…と大変に感じると思います。
そこで、色々調べてみたのですが、ArenaというCLIツールを使うと簡単に作成できることがわかりました。
あまり知られていないかもしれないので、今回はこのArenaを使ってPlaygroundにSwiftパッケージを追加したプロジェクトを爆速で作る方法を紹介します!
本記事では以下の環境を想定しています
- macOS Sonoma 14.3
- Xcode 15.2
Arenaとは
公式サイトにおいて、Arenaは以下のように説明されています。
Arenaとは、SPM(Swift Package Manger)を用いて簡単にセットアップされたSwift Playground入りのXcodeプロジェクトを作成するためのmacOSのコマンドラインツールです。
また、Arenaは(パッケージとして)GitHubだけでなく、ローカルリポジトリも参照できます。特に後者においては、ライブラリ(パッケージ)を開発中にPlaygroundを作成するのに便利です。
手順
1. Arenaのインストール
インストール方法は以下の通りで、HomebrewやMintなどを用いてインストールできます。
# Homebrewの場合
brew install finestructure/tap/arena
# Mintの場合
mint install finestructure/arena
2. Arenaを用いてプロジェクトを作成する
今回は、APIクライアントライブラリのAlamofireを使用するプロジェクトを作成してみます。
arena
コマンドのパラメーターに、使用したいパッケージのURL全体あるいは省略形(組織名とリポジトリ名のみ)を入れて実行します。
# URL全体の場合
arena https://github.com/Alamofire/Alamofire
# 省略形の場合
arena Alamofire/Alamofire
実行に成功すると、Xcodeが起動し作成したプロジェクトが開かれます。
Arenaで作成したプロジェクトには、以下の2つが含まれています
-
Content
(Playground) -
PlaygroundDependencies
(Playground用パッケージ)

3. Swift tools versionを修正する
後述するエラーが表示されない場合はこちらのプロセスはスキップして大丈夫です。
XcodeのIssue Navigatorに以下のエラーが表示される場合があります。
package 'playgrounddependencies' is using Swift tools version 5.10.0 but the installed version is 5.9.0
この場合、PlaygroundDependencies
内のPackage.swift
ファイルを開き、swift-tools-version
を5.9
に変更することでエラーを解消できます。
エラーが解消されると以下のように自動でパッケージがダウンロードされます。
4. Swift Playgroundを移動させる
これでやっとPlaygroundでAlamofireが使える!と思いきや、実はまだ使えません。
これは、Content
がAlamofireが使用可能なPlaygroundDependencies
の外側にいるためです。そのためContent
をPlaygroundDependencies
内に移動させる必要があります。