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転職してからもうすぐ4年。前の会社を辞めた理由について改めて考える。

Last updated at Posted at 2019-12-23

はい。おめでとうございます。本日はPerfumeはかしゆかの誕生日であり、たったそれだけの理由で、たくさんのblogを排出する日です。こんだけの分量を書いていれば、いったいいくらになるのだろうかと思いもしませんが、朝からずっと書き続けていて、疲労困憊です。

さて、これはSIer脱出を語る Advent Calendar 2019 23日目。何度もいいますが、本日はかしゆかの誕生日です(n‘∀‘)η ヤァーッホォー

昨日はcube_3110さんの「地元愛知のSIerから転職して東京に上京してきた話」で、明日はyukimura1227さんですね。みなさま、がんばってください。

SIer 脱出を語る

気がついたら超巨大SIerたるIBMを辞めてから 4年近く経過します。当時、さまざまな媒体に記録を残していたので、ここで振り返ってみていただけると、これまた幸いです。

転職ネタに関しては 1年の間に散々書いた感じです。

その後、お仕事に関して書いたものは、この一つですね。最初の一年は、前の会社とのギャップに驚きながら、自分がやってきたことがあっていたのか、まちがっていたのか、よく分からずに自分を信じて進んでいこうとしているように見えます。もちろん、辞めてすぐなのに色々と気をつかって書いてるな、えらいな俺、と思いながら読み返しています。

そろそろ本音で書いていくとしよう

さて、もうすぐ 4年も経過するので、あまり気を使うこともなくなってきたというか、どっかに本音は残しておかないと後悔しながら死にそうなので記していこうかななんて てへぺろ☆(・ω<)

会社をやめたホントの理由

どこへ言っても色々と様々な理由を語ってきましたが、本当の一番の、最大の理由は「あきた」です。つまんなくなった。

当時から、常々言ってたことがあります。「システムの先にあるビジネスを見て、インフラをデザインできないやつはクズだ」と。いまでももちろんそれを考えていますが、結局ね、インフラ屋さんがお客様とビジネスを語りながらアーキテクチャを組み立てていこうなんざ、インフラのデザイナーごときには厳しかったんです。名ばっかりは「ITコンサル」ではありましたが、一緒に仕事するアプリ開発者は、別の大手総合研究所やコンサル企業が多いんです。われわれの相手はお客様の情シスなので、保守派かつビジネス部門とサイロ化された組織。今後の戦略がよく見えないまま、アプリ屋と対抗する日々です。でも、立場が悪い。ビジネスに直結する、アプリを作る側にいるほうが強いんです。自分は、なんだかんだ言って、ビジネスを見ることができないのかってつらかった気がします。

だから、この構図を変えていかなくちゃとか、自社でもアプリ屋ビジネスサービスをもっと一緒にやっていくんだとは言っても、なかなかうまく行きようがありません。政治の問題だったり、自他ともにサイロ化されていたり。業種も同じようなとこにいたので、デザインするインフラも似たりよったりです。せめて規模が変われば、なにかが変わったんでしょうが、おかげさまで大規模なお客様しか相手しないようになっていたので、どこいっても同じような構成です。

バックエンドにはメインフレームがあって、連携用のシステムがあって、フロントが立っている仕組み。これって、大小様々などこの企業でも、SoE/SoRの考え方によって分類していけば、ほぼほぼこの構成になります。ただ、組み合わせ方が違ったり、利用しているハードウェア・ミドルウェアのブランドが違ったり、業種による考え方の違いで、階層が浅かったり深かったり。まぁでも、私のいたとこは、基本原則すべて同じ構成です。ハードウェアもミドルウェアも。

毎日していることは、似たような構成を準備しながら、計画と見積もりを作ることです。

私のロールは当時もプリセールスだったんですが、インフラのハードウェア・ミドルウェアの見積もり特化期間が異常に長くて、ほとんどの製品の見積がまるっとできるのは、一つの属人的強みでした。ハードウェアもブランドがいくつかあって、それ + ミドルウェアも色ごとにプロダクトの営業が立ってます。これらを統合して最終的にアカウントの営業が見積もりを準備します。そうは言っても、なにはともあれ、まずはこれの元ネタを準備しなきゃならない。

その元ネタの準備も私の仕事です。ソフトウェアのライセンス数は色ごとに数え方が違うし、ハードウェアは、ちょっと見込み数をまちがえると数億、数十億で単位が変わってくるし。胃が痛くなる仕事の割(実際に痛くなることはないんだけど)には、つまんない仕事です。1日でアーキテクチャのデザインを済ませたとしたら、そっから10日かけて見積もり作るみたいな日々です。ちょっと要求が変われば、もう一回やり直しです。だいたいやり直しのときに悲劇が発生して、何度か数億のまちがいのまま売り払ったこともあります。営業と一緒に、リカバリーしてもらいましたけどね。もう、こんな心臓に悪い仕事はないです。

というか、なんで俺が見積もり作ってたんだ。

トラブルでもない限りは、ただただ面倒な仕事をただひたすら並行して、何個も何個も準備していくだけの日々です。打ち合わせも多いし。

他の理由は

他の理由は決定打というよりも、積もりに積もってもう「ああ、もうやめたろ」って気持ちになりました。それが、2015年の夏ころです。長年かけて、地味にボディーブローされてきたものは、次のようなものです。

  • 休息の時間がない
  • 評価されない
  • 給与が低い

休息の時間がない

休みだって深夜だって電話かかってくるのは、精神衛生上、ほんとに良くない。

運用やっていたときは、まだ若かったし運用やっているという自負があったので耐えられました。が、プリセールスなのに休日対応とか、深夜対応とか、ふつーに電話もかかってくることあるし、有給やぞって感じのことも多かった。アカウントチームだから、チーム一丸となって対処しなければならないってのはわかるけど、それならプリセっていうロールはいらんかったな。というか、仕事をする範囲と責任が不明確なの、ホントしんどかった。上へ上がったからか、上へ上がったのかいけなかったのか。そうなのか?仕事の役割が広がるのはいいけれども、関係のない責任が増えるのはホントしんどかった。もちろん、それに関しては私だけではなく、他の同僚も同じように感じたに違いない。でも、ほんとにそれは仕方なかったのか。

評価されない

具体的な仕事の評価基準や、評価方法については述べません。それに20年のうち、半分くらいは正当に評価されてたなという実感もあります。そして、この評価されないとは、そのことじゃないです。

どっかにも書いたんだけど、わたしが最初は一人で黙々と作ったヘルプデスクシステムが好評で、要件が増えていってアプリ屋さんに移管され、気がついたら知らぬ間に横展開されてたときには「あれ、おかしいな」って4年目くらいに気がついたんです。このときは、気がついてたのに。

その後も日本で初めてとか、お客様からの感謝状とか、いろいろとやった割には、私には何もおりてこなかった。感謝状もらってるお前は隣のチームのリーダーやろ、とか上司じゃなくて、お前かよってこともよくあったのです。他にも、ここ何十年で上から数えてなんぼか?ってくらいのでかい案件とってきた、その中の一つのグループのプリセのリーダーだったのに、チームに俺の名前が入ってなかったとか。お客様からおかしいなとか言われることもしばしばだったんだけど、アピールが少なかったのか、文句を言わなかったのがいけないのか、さっと手柄を持ってかれることが多くて、なんて不透明な会社なんだろうなーと風通しの悪かったの覚えてる。

いや、実際はアピールしたんだ。「仕方ないよ」って言われたから、最後はもう何も言わなかった。「仕方ない」って思うようになっていた。

給与が低い

同業他社の同じような年齢と比較しだすと、低くて会社が心配になるレベル。

最初の頃は、年収ポンポンと上がっていったんです、実際。バブル崩壊していたので、その当時と比較したら全然ポンポンとは上がらなかったんだけど、就職氷河期真っ只中なのに、毎年ちゃんとそれなりに昇給してた。職位も上がりやすかったり、上がり方も明確だったし、職位が上がればベースの給与が上がったし。でもそれだけじゃなかった。昇進に関しても日本企業的なものもあったり、歳を重ねるについれてだんだんと昇給額(率)も下がり、職位は上がっても給料のグレードが上がらなかったり。わかりやすくモチベーションを上げるものが渋られていくと、それはもう、テンションだだ下がりですわな。

それでも、これだけのテクノロジー企業、他業種よりもちょっと低いだけだし、国産よりもマシだろとか思ってたんですけどね、当時は。評価基準とか、職位を上げるためのハードルがどんどん上がっていくさまに追いついていくことができなくなって、諦めました。職位が上がっても、給与が上がる保証なかったし。そこまで無理することもできる余裕なかったんだわ。

転職してみて感じたこと

4年近くたって、わかったことがいくつかあります。

  • 称賛される文化の重要性
  • 大企業はたしかに体力がある 

称賛される文化の重要性

弊社は、ちょっとやそっとで褒められます。「いいね」もされるし、バッヂもくれます。承認欲求を得る方法がたくさんあります。というか、まず「褒めてくれる」ってスゴイです。相手を立てて、それでも何か、あれこれちがうなって事があれば、ちゃんと指摘してくれます。なんて褒め上手な人多いんだ、ここ。

前の会社は、なんか作ったらまずレビューされます。指摘だけされて、はよ直せってことになります。不可解だったり納得いかないことでも、だいたい「それでも、こうして」なんて言って、一緒にお客に持っていって「ほら!!言ったじゃん!!!!」みたいなことあっても謝罪は特にないです。まぁ上司は保守的な人が多かったので、このケースはよく有りましたね。もちろん褒められることはない。

まわりからはそうでもなかったんですけど、私にとってはそれなりに良い上司がいたこともあります。何が良かったんだろうって今になって思い返すと、彼は正しい評価と給与(報酬)を与え、「いいじゃん」って言ってくれたこと。周りの評判悪かったけど、彼はモチベーションの与え方を知ってた気がします(わたしに対しては)。

大企業はたしかに体力がある

大規模プロジェクトを運営していて、そのプロジェクトが炎上したときに、それを挽回するための会社としての能力があることを「体力がある」なんていい方をしたりします。が、ここではそのことではありません。

無能を保持するキャパシティがあるという意味で、体力があります。

いまの弊社、ベンチャー気質な会社な状態のときに入社しているのでよく分かりますが、体力がありません。もうほんとに人がいません。「お願いです、頼むから転職してきてください」って思えるの、今の会社に来てからです。もちろん、それだけ業務拡大してるってのもあるでしょうが、そうじゃなくても、ほんとに少数精鋭なんです。

少数精鋭だとどうなるでしょうか。無能を抱える余裕がないんです。育てる時間もなければ、それを置いとく時間もありません。他の人の足を引っ張りますからね。だから、できるだけそういった人が入ってこないように時間をかけて吟味(採用時)します。運悪く入ってきてしまっても、最適な場所がないか調整しながら、配置を考え直します。それもすばやく。

それほど、できる人がそこにいてくれないと、会社が回らない状況なんです(辞めていくからじゃなくて、事業拡大のスピードが速いから)。

大企業の場合、それを抱えて運用できてしまうだけの能力があります。1人が駄目でも、それを数人でカバーすることで、運用できてたりします。カバーする側としては、疲弊するし、交換してほしかったり、はやく辞めねぇかなとか思うことも多々ありますが、さすが大企業、本人の意思決定権が強いために、なかなか変わりゆかないことが多いです。なんとか運用できちゃってるし。飲み会が多いのも、その所為じゃないかって思いますね。今の会社来てから、一緒に仕事している人たちで飲みに行くような機会ないですわ。なんか、仲のいい人やチームとたまに行くだけって感じ。毎日のように飲んでる人達もいるけど。これは違う話な気がする。

このように、当時、そこにいたときには気が付かなったボディーブローがずっとたまり続けてたんだなって思い返せます。

そうだ転職しよう

といって、簡単にできないのが転職です。最後に、いまの周りの転職者たちとの会話で気がついた、今の転職事情について述べて終わりにします。

まず、社内で異動ができるなら、社内転職も考えてみるのも良いでしょう。エンジニアだからといって、エンジニアじゃないといけないってことはないでしょう。弊社内では、エンジニアから営業になったり、エンジニアからサポートへ行ったり、まったく別の分野で活躍している人がいます。ポストセールスからプリセールスへ来てる人もいますね。

今になって思うんですけど、今のプロダクトスペシャリストのタイプが自分はちょうどよいみたいで、それだったら前の会社でもそういった職種あったななんて今になって思うこともあります。行かないけど。

そんな社内転職するような大きな会社じゃなかったり、そもそも社長や役員と仲が悪いってことになると、もうそりゃ「転職だ...!!!」みたいになるでしょう。前に誰か言っていましたが「Twitter(SNS)で会社辞めまーすって言って、3人くらいからお話しこないなら、辞めたほうがいい」ってのを聞きました。まったく同じこと考えてます。

前には転職のアドバイザーなどつけたほうがいいよなんて書いてましたけど、これはこれ。情報の入手先として、一つはいいかもしれませんが、今はリファーラル採用が主です。リファーラルで「いいよ、うちおいでよ」って言ってもらえないのであれば、実力が足りてない可能性が高いです。実力のある人は、何も言わなくても「いつ、うちにくるんだい」って言われることも多いです。採用する方も、採用される方も、リファーラルのほうが相手のことを一段階進んで理解ができるので、採用率も上がると考えられます。

まず、転職するときには行きたいところと、やりたいこと、できることがマッチしているかどうか、カジュアルに話を聞いてみて、それから先に進んでいくようにするのが良いでしょう。わたしもよく、弊社に興味がある知り合いと会話することあります。それでいざと受けていただいても、必ず入社できるというわけではありません。ただ、興味と実にあうかどうか、最初はそれだけの判断であっても、中の人と会話してみてから次に進むのは悪くない選択肢です。

まとめ

前の会社と自分がマッチしてなかった部分があって、それがずっと長い年月を積み重ねて溜まってきたから「つまんない」となったのか、ほんとに会社の事業がおもしろくなくて「つまんない」と思うようになったのか、そこは実は定かではないんです。ただ、言えることは 2015年の夏前に「今は、転職するって選択肢が40代でもあるんだ」ということを知り、自分も転職していいんだって思えてからは、突然気持ちも身体も軽くなりました。

ずっとそこにいなきゃいけないって考えるよりも、ああ自分はまだ他のとこへ行けばいいじゃないかって考えることで、心にも余裕が生まれ正しく物事を考えられるようになるかもしれません。まずは、今のままだけが全てじゃないって考えられることから始めてみましょう。

で、この流れであれば、弊社紹介して「うちにおいでよ」とか書くんですが、今回はここでやめておきます(๑•̀ㅂ•́)و✧

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