こちらは エンジニアパパママのこだわりのプログラミング教育法 Advent Calendar 2021 23日目、Perfume はゆかちゃんの誕生日をお祝いするために大量の記事を投下する一日です。ゆかちゃんがいてくれて、今年も幸せに暮らすことができました。Perfume あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!
さて。プログラミング教育関係ですが、私の思想やら子どもに何をしてきたか、についてはこれらの記事が網羅されているので、まずはこれらをオススメします。
- 子どもへのITリテラシー教育【前編】 ITエンジニアの親が、子どもたちにITとSNSを使わせるために試みたこと
- これから始まるプログラミング教育に対して保護者ができること
- 上記の書籍版 - 子どもに読んで伝えたい! おうちではじめるプログラミングの授業
これで終わってはナンセンスも良いとこなので、結局、それらも踏まえて自分の子どもに何をしたか。それから、自分の子どもの枠を超えて何をしたか。それらについて、こちらで紹介します。
結局、自分の子どもに対してプログラミング教育を行ったのか
我が娘たちに、特定のプログラミング教育を行ったか、と問われたら「していない」と答えます。おおよそ「教育」と呼べるようなことはしていませんが、環境だけは準備しました。環境というのは、次の三点です。
- パソコンは3歳から与える
- 面白そうな教材は渡しておく
- 押しつけない
1. パソコンは3歳から与える
わが家のモットーです。
これは結婚する前から考えていたことです。中学生くらいのころに「Macなら3歳でも使える」という話を伝え聞いて、「それなら3歳になったらMacを買い与えよう」と決めました。実際に長女が 3歳になった時に、まだブラウン管時代のモニタ一体型のiMacを買い与えました。ボンダイブルーではなく、花柄だった気がします。その後もeMacを買ったり、MacBookを渡したり、一部Windowsのしょぼいマシンを渡したこともあります。とにかく、3歳の時点で、PCとネットをいじれる環境を私から提供しています。
本当は渡すだけであとは放置したい気持ちではありますが、なんだかんだ言って3歳児に渡しても何もできません。デスクトップに適当にゲームを配置したりして、それの起動方法だけ教えてました。気がつくと、なんかいろんなこと勝手にやってました。四女に至っては、5歳前後には今は亡きアメーバピグにハマっていました。「その年齢で文章打てるわけないだろ」と中高生や大人たちにディスられたりして、煽り耐性まで身につけてしまいました。世の中には 5〜6歳にもなれば、大人より早いタイピングで文章打てる子どもがいる、と言うことを理解して欲しい。というか、ネット弁慶多すぎるので、黙って仲良くゲームしてて欲しい。
2. 面白そうな教材は渡しておく
娘たちが興味のわいたもの、または興味を持ちそうなものは、スパッと買い与えます。親が娘たちとモンハンやりたいが為に Switch 4台とかある家なので、ある程度は気にしません。
プログラミング教育に関わるものとして、実際に購入したものは、次のものがあります。
とは言え、こちらから良かろうと思って与えたものはたいてい続きません。そんなものです。結局、マリオメーカーとかの方が息が長く、今でもなんか作っているようです。このようにゲームでもなんでも、興味を持ってもらえそうなものを渡しては捨てられています(物理的に捨てられてはいない)。
3. 押しつけない
環境は準備するだけで、あとは子ども次第にしています。プログラミングできた方が便利ですし、将来的にも活用しがいのあるものですが、強制はしません。娘がやりたいと言われたら、それに必要な環境や知識、書籍などは良質のものを与えられます。両親ともにIT企業で働いていて、娘たちのITの理解は、同学年の他者と比較すれば高い方です。とは言え、娘たちにITエンジニアになってもらいたいかというと、そこまでの熱意はありません。興味ある情報やものは渡しますが、強制は一切しません。使われなかったら、それまでです。それで良いと考えています。
このような感じで、自分の子どもに対してのプログラミング教育にはとても淡泊です。ITリテラシー教育だけは真面目に取り組んでいますが、それ以外のことは興味を持たない限り、基本原則放置です。
それなのに、自分以外の子どもにプログラミング教育論を語るのか
語ってしまうのがおっさんのサガです。おそろしい。
では、どこに何をしてきたのかというと、我が自治体の小学校へのプログラミング教育の支援です。プログラミング教育の入った要綱が発表されたころに PTA会長となった私は、現在の会社のボランティア思想と思惑がいろいろとマッチしたこともあり、小学校のプログラミング教育支援を思いつきます。
ICTの支援
という範囲になると、教育委員会への支援なども入ってきますが、プログラミング教育、に絞ると次の3つが支援してきた内容です。
- Hour of Code で興味を持ってもらう
- Scratch でゲームを作ってもらう
- 教師にもScratchを試してもらう
1. Hour of Code で興味を持ってもらう
Scratch などビジュアルプログラミングや、実際のプログラミング言語を利用する、1時間程度で終了可能な課題型プログラミング体験です。
学校によって、授業の時間に試してもらったり、学童クラブの生徒さんたちに定期的に開催したりしました。一般的に、興味ある子どもたちが揃うケースが多いので、恐ろしいほどの熱狂と集中力で楽しんでくれます。2割くらいの子どもたちは、時間になっても引っぺがすまでやめません。
授業の時間を利用して体験をしてもらった場合でも、ほとんどの子どもたちがのめり込んで質問がやまないような状況が生まれていました。こういった体験系は保護者の方のスキルレベル次第のところもあり、初めて、という子どもたちも多かったです。
2. Scratch でゲームを作ってもらう
とある小学校のクラブ活動に、NPOの方に協力いただいて、半年間のカリキュラムを準備して実施しました。2学期から3学期までの10回くらい、1回40分の講義つき Scratch体験活動です。最終的な目標は「(好きな)ゲームを作る」ことに設定しました。課題を与えて、何かを作り上げるよりかは、自分たちで楽しんで何かを作ってもらいたい、興味を持ってもらいたいと考えての目標設定です。「こんな風にゲームっぽいことできるんだよ」みたいなサンプルを見せたりしながら、よりゲーム性を高めていくものを見せ合いました。
最初の 6回くらいまでは、Scratch の基礎を「ひとつ」だけ教えて、それを試してもらったり、他の気になる機能を使ってもらいます。終わりの2〜3回くらいは、ゲームを作る時間に充てるという回にしていました。最後は、生徒たちからできあがったものを発表してもらいました。
子どもたちも毎回楽しそうにアップグレードしていってくれて、脱落者もおらず、それなりにみんなゲームっぽいものができあがったことは良い思い出です。なお、参加者は 10名程度でした。
3. 教師にもScratchを試してもらう
子どもばっかりでも、実際に教える側の立場の人にも理解が必要、ということで、教師にも試してもらったことがあります。生徒よりも「できる」「できない」の格差が大きかったことが印象的です。大人になると、理解してからでないと先に進めない方がいるようで、それが足かせに見えました。
子どもたちの場合、そもそも概念が分からなくて詰まって投げ出してしまうケースもあります。しかし、ほとんどの子どもたちは、何らかを試してみて正解から遠かったとしても、まず何かをするというケースが多かった印象です。
とある学校では、このような生徒たちの体験と、教師の体験をまとめて教育委員会へ報告がなされています。我が自治体のプログラミング教育の一部に関われたことは、今でも嬉しく思います。くわしくはここで紹介できませんけどね。
まとめ
小さい子どもたちにとって、ビジュアルプログラミングは興味を担う一端になるでしょう。すぐに可視化できることは、脱落者を下げることのできる、とても魅力あるコンテンツです。Scratch に限らず、多くのビジュアルプログラミングがあります。こういったもので、興味を引き出して、その後どうするか、が今の私の課題です。ビジュアルプログラミングとプログラミング言語の間のハードルは高すぎます。
来年からは、また中学校のPTAに関わることになりますので、中学生と一緒に考えていけたらいいなという心づもりです。