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low-code機械学習ライブラリ「PyCaret」でモデルを可視化してみた

Last updated at Posted at 2020-04-21

概要

やること

列挙してみると下記の通りですが、pycaretの自動化により数行で実行できます。

  • ①データ(クレジットカードのデフォルト)をロード
  • ②前処理
  • ③モデル比較(アルゴリズム間の性能比較)
  • ④パラメータチューニング
  • ⑤モデルの可視化(★ここがメインなので、冒頭でここを説明★)

やってみる(⑤モデルの可視化)

  • 手順上は 1番最後 なのですが、この記事の目的が可視化なので、最初 に扱いたいと思います。

⑤モデルの可視化

  • 出来上がったモデル(tuned_model)に対してモデルの特性を可視化していきます。
  • evaluate_model関数に、出来上がったモデルを渡すことで、下記のメニューが表示されます。
  • tuned_modelがどう出来上がったか?は後述します。まずは可視化を説明。
evaluate_model(tuned_model)
  • クリックするだけで、ROC曲線、学習曲線、混同行列等々、様々なプロットが可能です。
  • 気になったものを取り上げて、一つ一つ見ていきたいと思います。
    evaluate_model.gif

AUC (ROC曲線)

  • AUCとは書いてありますが、ROC曲線を描画できます。
  • 2クラス分類だったので、Positive/Negativeクラスに対して2種類描画されます。
    download.png

Confusion Matrix

  • こちらもよく見る混同行列です。ヒートマップで出力されます。
    download.png

  • 二値分類だと見栄えが寂しいですが、多値分類になると色々な間違え方が見えてきます。
    mc_conf.png

Error

  • 実際のクラス毎に、Positive/Negativeのどちらに予測をしたか?が表示されます。
    download.png

  • こちらも多値分類だと、より有用性を感じることができます。
    mc_err.png

Dicision Boundary

  • 決定境界です。Creditデータセット は、「デフォルトか、否か?」の不均衡データです。

  • よって、Positiveクラスが ごく少数 なので、境界が見えづらいですね。
    db.png

  • 多値分類ですが、均衡性がある程度とれたデータセットでは、決定境界を確認できます。

  • 以下は、lightGBMの決定境界なので、Treeベースアルゴリズムのギザギザ とした境界が確認できます。
    mc_db.png

  • なお、こちらはおまけですが、決定境界を比較することでアルゴリズムの特徴を理解可能です。

# Logistic
Regression
K Nearest
Neighbour
Gaussian
Process
境界 lr.png knn.png GP.png
特徴 線形アルゴリズムの為
決定境界もまっすく
近傍点をグルーピング
するような境界
ベルカーブを意識させる
滑らかな曲面

Threshold

  • しきい値毎の、precision/recall/f-measureが出力されます。
  • 求められる予測特性に対して、しきい値をどの程度に設定すればいいかの検討に利用できます。
    download.png

Precision Recall

  • 同じく予測特性の議論に利用できるのが、Precision-Recallのグラフです。
  • PrecisionとRecall共に、どの程度のしきい値であれば、予測特性を満たすか?の検討
    に利用できます。
    download.png

Learning Curve

  • 学習曲線(学習の回数 vs 精度)が表示されます。
  • TrainとCVセットに対してスコアが表示されるので、Underfittng/Overfittingの判断に利用できます。
  • 学習曲線とunder/overfittingの判断については、StanfordのAndrewNg先生の資料が参考になります。
    income_lc.png

Validation Curve

  • モデル毎の正則化パラメータに対する、Trainセット/CVセットのスコアが表示されます。

  • LightGBMの場合は、max_depth(木の深さを制御する)パラメータを横軸に取ります。

  • このモデルの場合、

    • max_depth=4のときに、汎化性能(CVスコア)が高い。
    • それ以上のときは汎化性能は上昇しない一方、Trainセットに対して(若干)過学習している。
    • よって、max_depthを制御したほうが良さそう。
  • といった判断に利用できます。
    income_vc.png

  • 正則化を制御するパラメータはモデルにより異なるため、横軸はアルゴリズム毎に異なります。

  • 例えばロジスティック回帰では、正則化のパラメータは C なので、横軸はCとなります。
    download.png

  • 各アルゴリズムで、横軸になるパラメータを下記にまとめておきます。

  • 詳細は、ソースコードを参照。なお、LDAは未サポートです。

アルゴリズム 横軸 アルゴリズム 横軸
Decision Tree
Random Forest
Gradient Boosting
Extra Trees Classifier
Extreme Gradient Boosting
Light Gradient Boosting
CatBoost Classifier
max_depth Logistic Regression
SVM (Linear)
SVM (RBF)
C
Multi Level Perceptron (MLP)
Ridge Classifier
alpha AdaBoost n_estimators
K Nearest Neighbour(knn) n_neighbors Gaussian Process(GP) max_iter_predict
Quadratic Disc. Analysis (QDA) reg_param Naives Bayes var_smoothing

Feature Importance

  • このモデルがどの特徴量を重要視しているか?が表示できます。
    download.png

Manifold Learning

  • t-SNEを利用した多様体学習(次元圧縮)の結果を表示します。
  • モデルというよりは、用いている特徴量、データ自体に分解能があるのか?
  • 2値分類の場合、Positive/Negativeに分離可能なのかが確認できます。
  • 今回のデータでは、前処理で24列->90列まで特徴量を増やしている(後述)なので、90列を次元圧縮により2次元にし、その結果を可視化しています。

download.png

Dimensions

やってみる(①データロード~④チューニング)

①データロード

  • pycaretには、様々なデータが搭載されています。詳細は、Getting Data - PyCaretを参照。
  • 今回はクレジットカードのデフォルトを予測してみたいと思います。
from pycaret.datasets import get_data
# creditデータセットをロードします。
# profileオプションをTrue指定すると、pandas-profilingによるEDAが走ります。
data = get_data('credit',profile=False)

②前処理

  • creditデータセットは、2値分類(予測対象は、 default列)です。
  • よって、分類のライブラリをインポートし、targetにdefaultを指定します。
from pycaret.classification import *
exp1 = setup(data, target = 'default')
  • 様々な前処理が自動で走ります。
  • このデータセットの場合は、24列→90列まで特徴量が展開されます。
    image.png

③モデル比較

  • 下記で、複数の分類アルゴリズムに対するモデリングが可能です。
  • 求める予測の特性にもよりますが、まずは、AUCで並べておきます。
compare_models(sort="AUC")
  • GBM、XGB、CatBoost、LightGBM等が並びます
    evaluate_model_v2.gif

④パラメータチューニング

  • AUCが一番良かったRandom Forestでも良いのですが、比較的計算の早いlightGBMで試してみます。
tuned_model = tune_model(estimator='lightgbm')

tune_model_v1.gif

  • 指定できるアルゴリズムは下記の通りです。docstringでも確認できます。
アルゴリズム estimatorの指定 アルゴリズム estimatorの指定
Logistic Regression 'lr' Random Forest 'rf'
K Nearest Neighbour 'knn' Quadratic Disc. Analysis 'qda'
Naives Bayes 'nb' AdaBoost 'ada'
Decision Tree 'dt' Gradient Boosting 'gbc'
SVM (Linear) 'svm' Linear Disc. Analysis 'lda'
SVM (RBF) 'rbfsvm' Extra Trees Classifier 'et'
Gaussian Process 'gpc' Extreme Gradient Boosting 'xgboost'
Multi Level Perceptron 'mlp' Light Gradient Boosting 'lightgbm'
Ridge Classifier 'ridge' CatBoost Classifier 'catboost'

まとめ

  • モデルの可視化の方法をバラバラと書いてしまったので、最後に用途毎に整理して終えたいと思います。
  • 入力データ→モデリング→結果を想定し、下記5用途でグルーピングしてみたいと思います。
    • A) 入力データや特徴量自体を理解する。
    • B) モデルが見ている特徴量を理解する。
    • C) モデルの学習状況(学習が足りない、過学習)を判断する。
    • D) モデルの予測特性や、目的が達成できるしきい値を検討する。
    • E) モデルの予測性能や予測結果を理解する。
用途 観点 可視化手段
A)入力データや特徴量自体を理解する。 正/負のデータが分離可能か Manifold Learning download.png
同上 Dimensions download.png
B)モデルが見ている特徴量を理解する。 どの特徴量が重要か Feature Importance download.png
C)モデルの学習状況(学習が足りない、過学習)を判断する。 予測性能向上を学習回数増で実現できるか Learning Curve income_lc.png
正則化により過学習をおさえられているか Validation Curve income_vc.png
D)モデルの予測特性や、目的が達成できるしきい値を検討する。 求める予測特性に対応するしきい値はどれか Threshold download.png
PrecisionとRecallの関係性はどうか Precision Recall download.png
E)モデルの予測性能や予測結果を理解する。 AUC(予測性能)はどの程度か。 AUC download.png
結果の境界線を理解する Decision Boundary mc_db.png
予測の間違い方を理解する Confusion Matrix mc_conf.png
同上 Error mc_err.png

最後に

  • 長文に、お付き合い頂きありがとうございました。
  • よろしければ、いいね、シェア、してもらえると嬉しいです。
  • ある程度、反響があったら、使いこなし編(パラメータ説明等)も書いてみようと思います。

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