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iTerm2で初回起動時に決まったディレクトリ開いてコマンドを実行したい

Last updated at Posted at 2025-12-02

macOS のターミナルを使って開発をしていると、「毎日同じディレクトリを開いて同じコマンドを実行している」と感じることはないでしょうか?

フロントエンドなら npm run dev、バックエンドなら docker compose up
毎回同じことを繰り返していては、せっかくの開発時間がちょっともったいないですよね。

そこで今回紹介するのが、iTerm2 の「Window Arrangement」と「Profiles」機能を組み合わせて、起動時に複数タブを自動で開き、必要なコマンドも同時に実行する方法です。

version

  • iterm2
    • 3.6.6

1. iTerm2で自動起動を実現するための2つの方法

iTerm2 を自動化するには主に2つの機能を使います。

① Window Arrangement(ウィンドウ構成の保存)

  • 複数のタブ
  • 各タブのカレントディレクトリ
  • スプリット構成
  • ウィンドウ位置やサイズ

そのままスナップショットとして保存 しておき、iTerm2 起動時に自動で復元してくれるしくみです。

GUI で簡単に保存できるため、複雑な設定が不要で、最も手軽な方法です。

② Profiles(タブごとに設定を分ける機能)

Profiles は iTerm2 の “テンプレート” のようなものです。

  • 設定したディレクトリで開始する
  • 色・フォント・キー設定など
  • タブ起動時に自動で実行するコマンド(最重要)

などをタブごとに定義できます。

この Profiles を Arrangement に組み込むことで「複数タブ構成 × タブごとの起動コマンド」が実現できます。

2. まずは Window Arrangement を理解する

ここでは、iTerm2 のウィンドウ構成保存機能 Window Arrangement をわかりやすく解説します。

2-1. 手動で起動状態を作る

まずは通常どおり iTerm2 で必要なタブを開き、

  • タブ1:フロントエンドのディレクトリ
  • タブ2:バックエンドのディレクトリ

など、普段使う環境を手動で構築します。

これは後でそのまま保存されるので、必ず「起動時にこの状態がほしい」という形にしておくことが大切です。

2-2. Window Arrangement として保存する

メニューから Window → Save Window Arrangement
Save Window Arrangement.png

を選び、名前を付け(例:startup)で保存します。

すると、settings > Arrangements 内のタブに保存された構成が表示されます。

2-3. Arrangements から Default(★)を設定する

settings > Arrangements で対象の Arrangement を選び 「Set Default」ボタンを押すと ★ がつきます。

arrangements.png

この ★ がついた Arrangement が iTerm2 の起動時に自動で読み込まれるものです。
(最近の iTerm2 は “Open at startup” のチェックボックスがなく、Default 設定に統合されています)

3. Profiles を使ってタブごとに自動実行コマンドを設定する

Window Arrangement だけでは、タブの配置やディレクトリは復元できますが、特定のコマンドの自動実行はできません

そこで登場するのが Profilesです。

3-1. 新しい Profile を作成する

Preferences → Profiles

を開いて、左下の「+」を押して新しい Profile を作成します。

  • 例:
    • startup-frontend
    • startup-backend

など、タブごとに作っておくと管理しやすいです。

3-2. Profile で実行コマンドを設定する

Profile の設定画面にある 「Send text at start」 にコマンドを書くと、タブが開いた瞬間にそのままターミナルに打ち込まれ、実行されます。

send text at start.png

入力例(フロントエンド用)

npm run start

入力例(バックエンド用)

docker compose up

3-3. Initial Directory との組み合わせ

Profile の中の “Initial Directory” をコードディレクトリにしておくとより確実です。

initial directory.png

  • “Directory” を選び、絶対パスを書く
  • or “Home Directory” のままでも Send text at start があれば動く

4. Profiles を使って作ったタブ構成を Window Arrangement として保存する

Profiles ができたら、

  1. startup-frontend の Profile で新しいタブを開く
  2. startup-backend の Profile で次のタブを開く

という具合に、自動起動したい環境を組み立てます。

そしてもう一度、

Window → Save Window Arrangement

を実行します。

これで、

  • タブ構成
  • ディレクトリ
  • タブごとの起動コマンド

すべてがそろった状態で保存されます。

5. iTerm2 を起動すると自動的に全タブが開き、コマンドも実行される

ここまで設定すれば、iTerm2 を立ち上げた瞬間に

  • フロントエンドのタブが開き npm run start を開始
  • バックエンドタブで docker compose up が走り出す

いつも行っている作業を自動化できました。

6. よくある失敗と対処法

✔ Arrangement が復元されない

  • → システム設定で「アプリケーション終了時にウィンドウを閉じる」を有効化
    • macOS の「ウィンドウ復元」が邪魔していることがある

✔ Send text at start のコマンドのパスが変わった

  • → Arrangement を作り直す必要がある
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