こちらの動画に出ている、フェルマーの最初補題が面白かった(自明すぎる)ので、証明してみました
命題:x^n + y^n = z^n の解が存在しないならば n >= 3 であることの証明
命題
$x, y, z, n$ を正の整数とする。
方程式 $x^n + y^n = z^n$ の解 $(x, y, z)$ が存在しないならば、$n \ge 3$ である。
証明
この命題を証明するために、 対偶(たいぐう) を用いる。
論理学において、命題 $P \implies Q$ の真偽は、その対偶 $\neg Q \implies \neg P$ の真偽と一致する。
今回の命題における対偶関係は以下の通りである。
- 元の命題: $x^n + y^n = z^n$ の解が存在しない $\implies n \ge 3$
- 対偶: $n < 3$ $\implies x^n + y^n = z^n$ の解が存在する
$n$ は正の整数であるため、$n < 3$ という条件は「$n = 1$ または $n = 2$」であることを意味する。
これらについて、実際に解が存在することを示せば証明完了となる。
1. n = 1 の場合
方程式は以下のようになる。
$$
x + y = z
$$
この式を満たす正の整数 $(x, y, z)$ は無数に存在する。
(例: $x = 1, y = 2$ とすれば $z = 3$)
よって、この場合解は存在する。
2. n = 2 の場合
方程式は以下のようになる。
$$
x^2 + y^2 = z^2
$$
これは幾何学における「ピタゴラスの定理」を満たす整数の組(ピタゴラス数)として知られており、正の整数解が存在することは明らかである。
反例(解の存在例):
$x = 3, y = 4$ とすると、
$$
3^2 + 4^2 = 9 + 16 = 25 = 5^2
$$
となり、$z = 5$ で成立する。
よって、この場合も解は存在する。
結論
$n < 3$(すなわち $n=1$ および $n=2$)の場合において、方程式を満たす解が存在することが示された。
したがって、対偶法により、元の命題「解が存在しないならば $n \ge 3$ である」は真である。
Q.E.D.
補足
ちなみに、この証明の逆である「$n \ge 3$ ならば解が存在しない」という命題は「フェルマーの最終定理」であり、証明には極めて高度な数学が必要となる。