1. 概要
PicoJig-WLは、Windows PCからUSBまたはWi-Fi経由で Raspberry Pi Pico W のペリフェラルを制御できるソフトウェアです。
以下のプログラムがセットになっています。
-
ラズパイPico W 側:
- ファームウェア (FW)
-
PC 側:
- C#の制御用ライブラリ (
PicoJigLib.dll) -
PicoJigLib.dllを使用するコンソール用サンプルプログラム (C#版とPython版) - GUIアプリ
- C#の制御用ライブラリ (
本ガイドでは、Python版のサンプルプログラムを使用するためのセットアップ方法と使い方について記載しています。
2. 対応ペリフェラルと使用するピン
各ペリフェラルで使用するマイコンのピン割り当ては以下の通りです。(※括弧内は物理ピン番号です)
| ペリフェラル | 使用するピン |
|---|---|
| GPIO (入力用) | GP3(5番), GP4(6番), GP5(7番), GP8(11番), GP9(12番), GP10(14番), GP11(15番) |
| GPIO (出力用) | GP12(16番), GP13(17番), GP14(19番), GP15(20番), GP20(26番), GP21(27番), GP22(29番) |
| ADC | ADC0: GP26(31番), ADC1: GP27(32番), ADC2: GP28(34番), ADC4: 温度センサ |
| UART (UART0) | TX: GP0(1番), RX: GP1(2番) |
| SPI (SPI0) | RX: GP16(21番), CSn: GP17(22番), SCK: GP18(24番), TX: GP19(25番) |
| I2C (I2C1) | SDA: GP6(9番), SCL: GP7(10番) |
| PWM | GP2(4番) |
3. 必要なもの
3.1 ハードウェア
-
Windows PC
-
.Net FrameWorkのバージョン: .NET Framework 4.6.2以降
- Windows 11では、標準の .NET Framework 4.8 でそのまま動作します。
- 非対応: .NET 5 以上(互換性がないため動作しません)
-
.Net FrameWorkのバージョン: .NET Framework 4.6.2以降
- Raspberry Pi Pico W
- USBケーブル (PCとPico Wの接続用)
- Wi-Fiルーター (Wi-Fiモードを使用する場合。2.4GHz帯 IEEE 802.11b/g/n対応、WPA2暗号化)
3.2 ソフトウェア
-
Pico W側
-
ファームウェア (FW):
PicoJig_WL_XXXXXXXX.uf2
-
ファームウェア (FW):
-
PC側
- PicoJigLib.dll
-
サンプルプログラム(Python版):
PicoJigLibSample.py - Python
4. セットアップ
4.1 FWの書き込み
- FWファイル(
PicoJig_WL_XXXXXXXX.uf2)をこちらからダウンロードします。 - Pico Wの BOOTSEL ボタン(白いボタン)を押しながらPCにUSBケーブルで接続します。
- PCに
RPI-RP2というドライブが認識されます。 -
RPI-RP2ドライブにFW(PicoJig_WL_XXXXXXXX.uf2)をドラッグ&ドロップして書き込みます。
4.2 WindowsにPythonをインストール
Python公式サイトのダウンロードページから Windows installer (64-bit)をダウンロードし、インストールを行ってください。
※ バージョンは Python 3.14.5 にて動作確認を行っています。
【重要】 インストール時の最初の画面で、「Add python.exe to PATH」(または「Add Python to environment variables」)のチェックボックスに必ずチェックを入れてから「Install Now」をクリックしてください。
4.3 Pythonパッケージのインストール
PowerShellでコマンドを実行して下記の2つのパッケージをインストールしてください。
-
pythonnet: PythonからC#のDLL (PicoJigLib.dll) を呼び出して使用するため -
pyserial: USB接続時にPCで利用可能なCOMポートの一覧を取得するため
pip install pythonnet
pip install pyserial
4.4 PythonサンプルプログラムとPicoJigLib.dllの配置
Pythonサンプルプログラム(PicoJigLibSample.py)と PicoJigLib.dll は、こちらからダウンロードします。
【重要】 PicoJigLibSample.py と PicoJigLib.dll をPC内の同じフォルダに配置してください。
5. サンプルプログラムの操作
5.1 PicoJigLibSample.pyの起動
PowerShellを開き、PicoJigLibSample.py を配置したフォルダに移動(cd コマンドを使用)します。
その後、以下のコマンドを実行してサンプルプログラムを起動します。
python PicoJigLibSample.py
5.2 USB経由での制御
-
PicoJigLibSample.pyを起動後、コンソール画面に通信方式の選択メッセージが表示されます。▼ 通信方式の選択
@Please select a communication method. 1: USB (COM) 2: Wi-Fi (TCP/IP) Select Method > -
キーボードで「1」を入力し、
Enterキーを押します。 -
利用可能なCOMポートの一覧が表示されるので、接続先のCOMポート名(例:
COM3)を入力してEnterキーを押します。 -
接続が完了するとメインメニューが表示され、ペリフェラルの制御が可能になります。
5.3 メインメニューの操作
接続が完了すると、コンソール画面に以下のメインメニューが表示されます。
実行したいコマンドの番号を入力して Enter キーを押してください。
▼ メインメニューの表示
--------------------------------------------------
Please select a command to execute.
1: Get FW Info
2: Get Wi-Fi Config
3: Set Wi-Fi Config
4: Get ADC Value
5: Get GPIO Config
6: Set GPIO Config
7: Get GPIO I/O Value
8: Set GPIO Output
9: Get UART Config
10: Set UART Config
11: UART Send
12: UART Receive
13: Get I2C Config
14: Set I2C Config
15: I2C Send
16: I2C Receive
17: Get SPI Config
18: Set SPI Config
19: SPI Comm (Send/Receive)
20: Start PWM
21: Stop PWM
22: Get FW Error
23: Clear FW Error
24: Erase Flash
0: Disconnect
--------------------------------------------------
[Current Connection: USB (COM) - COM3]
@Select Menu
Enter: Show menu, Number: Execute >
5.4 各コマンドの動作
各コマンドのパラメータや動作の詳細は、サンプルプログラムの利用ガイドを参照してください。
5.5 Wi-Fi経由での制御
Wi-Fi設定 (初回のみ)
Wi-Fiモードを使用するためには、初回のみUSB経由でPico WにWi-Fiルーターの情報を設定し、Flashメモリに保存しておく必要があります。
- Pythonサンプルプログラム (
PicoJigLibSample.py) を実行し、通信方式として「1: USB (COM)」を選択してPico Wに接続します。 - メニューから「3: Set Wi-Fi Config」を選択し、Pico Wに設定したいIPアドレス、SSID (2.4GHz帯)、パスワードを入力します。
- 設定完了後、Pico Wが自動的に再起動され、約5秒後にUSB経由で自動再接続されます。
- Pico W本体のLEDが「点滅」から「点灯」に変わっていれば、Wi-Fiルーターへの接続は成功です。
- メニューから「0: Disconnect」を選択して一度通信を切断します(通信方式の選択画面に戻ります)。
Pico WのIPアドレスを指定して接続
- Pico WがWi-Fiルーターに接続され、本体のLEDが点灯していることを確認します。
- 通信方式の選択画面で「2」を入力して
Enterキーを押します。 - 事前に設定したPico WのIPアドレス(例:
192.168.10.100)を入力してEnterキーを押します。 - 接続が完了するとメインメニューが表示され、Wi-Fi経由でのペリフェラルの制御が可能になります。
6. ライブラリ仕様
ライブラリ(PicoJigLib.dll)の仕様については、PicoJigLib.dll利用ガイドをご参照ください。
7. 免責事項
本記事の内容や本ソフトウェアの使用により生じた、いかなる損害やトラブルについても、作者は一切の責任を負いません。ご利用は自己責任でお願いいたします。