#Cognos Analytics 11.1.7 新機能紹介
Cognos Analytics 11.1.7が2020/7/30にリリースされました。
このバージョンは、長期サポートバージョン(LTSR)となりますので、他のバージョンと違い、基本2年、延長1年のサポートが受けられるバージョンとなります。
Cognos Release 11.1.7 is a Long-Term Support Release
https://community.ibm.com/community/user/businessanalytics/blogs/nickolus-plowden/2020/07/30/ltsr
11.1.7に追加された新機能を紹介します。
#全般
新しい開発者向けAPI
Cognosでの開発者向けAPIと言えば、Cognos SDKというJavaベースのものでしたが、JavaScriptベースで動作するREST APIが追加されたようです。
・レポート/ダッシュボード/フォルダ、などの各種コンテンツの一覧や情報取得
・各種コンテンツのプロパティの変更
・各種コンテンツの削除
・ダッシュボードの作成や編集
・ユーザー/グループ/役割の管理
等々をこのAPIで行う事ができるようです。
SDKより便利なのか、学習が必要ですね。
全般的なUIデザイン変更
CA11.1.6でもポータル画面等のUIデザインが変更になっていて、カーボンデザインなるデザインのアイコン等に変わっていましたが、11.1.7でもさらにカーボンデザインを追求する方向でデザインが変わっています。
アセットの検索
Cognos Analyticsで再利用可能なアセット類は、以下のサイトで見つける事ができますが、CAのポータル画面の検索機能からでも検索可能になりました。
IBM Data and AI Accelerators
https://community.ibm.com/accelerators/?context=analytics&product=Cognos%20Analytics
#ダッシュボード
軸ラベルのの改善
この辺りの軸のラベルが斜めに表示されたり、間隔が最適になるよう、表示上の改善が組み込まれているようです。
数値の軸ラベルには、対数表現が使用できるようになりました。
また、数値間隔、最小値、最大値の設定も可能になったようです。
パイチャートのラベル
パイチャートに、データアイテムのラベル表示、数値表示、その両方の表示を選択可能になりました。
画像は両方を選択しているイメージです。
凡例
凡例が多すぎる場合、画像のように省略で表現されるようになりました。
ウォーターフォールでのサブカテゴリー
画像のように「年」でウォーターフォールを表現するだけでなく、サブカテゴリーとして「四半期」を追加する事で、年をさらに四半期で分割して表現できるようになりました。
ツリーマップの表現
ツリーマップの表現を、画像のように縦方向に揃える、横方向に揃える、などの選択が可能になりました。
テンプレートのカスタマイズ
自作のダッシュボードをテンプレートとして保存時、新規作成時にカスタムテンプレートとして呼び出せるようになりました。
データアイテムの検索
データアイテムを選択時に、打ち込んだ途中の文字に応じて選択候補が画像のように表示されるようになりました。
データをCSV形式でエクスポート
データをCSV形式でエクスポート可能となりました。
クロス集計での条件付きの色指定
クロス集計で、条件付きの色指定が可能となりました。画像のように、指定された条件でセル背景と文字の色が変わります。
ブレットチャートでの範囲による背景色指定
ブレットチャートで、最小範囲、中範囲、最大範囲に分けて背景色の指定が可能となりました。
チャートタイトル
チャートのタイトルを、「データアイテム名」、「カスタム指定」、「なし」から選択可能となりました。
#レポート
以下のダッシュボードで紹介した新機能については、レポートでも同様に組み込まれていますので、再度の説明は割愛します。
軸ラベルのの改善
凡例
ウォーターフォールでのサブカテゴリー
ツリーマップの表現
基準線
視覚化の棒グラフで、この様な基準線を表示する事ができるようになりました。
複数数値アイテムを配置しての比較表現サポート
こういう数値アイテムを複数置いての比較表現が、多くのチャートで使用可能になりました。
このバージョンで使用可能となったチャートタイプは以下となります。
Area
Bar
Column
Hierarchical packed bubble
Packed bubble
Point
Clustered combination
Stacked combination
Line
Tiled map
Pie
Radar
Tree map
Waterfall
Word cloud
組み合わせグラフ
この様な、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた、組み合わせグラフが視覚化で使用可能になりました。
パイチャートラベルの位置指定
パイチャートでのラベルの位置が、画像の様なパイの外側だったり、内側に配置したりと、配置位置の指定が可能になりました。
データ・セット
パッケージやデータモジュールから、特定のデータアイテムを集めて「データ・セット」というものを作成できますが、データ・セットのパフォーマンスがこのバージョンで向上しているようです。
データ表のフィルターの改善
CA11.1.6の新機能として紹介した「データ表」のフィルター機能で、「Deselect all」が使用可能になるなど改善がされているようです。
特定のページのみの実行時のフォーマット選択
レポートの開発時に、作成イメージを都度チェックすると思いますが、ページ単位での実行時に、画像のように出力フォーマットを指定して実行可能となりました。
#閲覧
以下のダッシュボードで紹介した新機能については、閲覧の機能でも同様に組み込まれていますので、再度の説明は割愛します。
クロス集計での条件付きの色指定
データアイテムの検索
チャートタイトル
軸ラベルのの改善
#データモデリング
行列式が使用可能に
マニュアル読んでもパッとわからない記述になっていますが、Framework Managerで粒度違いのファクト表をつなぐ時に使用していた「行列式」と同じ役割のものが、データ・モジュールでも使用可能となったようです。
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSEP7J_11.1.0/com.ibm.swg.ba.cognos.ca_mdlg.doc/c_ca_mdlg_col_dpndcy.html
サンプルのカレンダー
サンプルのカレンダーデータ・モジュールが利用可能となっています。
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSEP7J_11.1.0/com.ibm.swg.ba.cognos.ca_mdlg.doc/c_ca_rel_date_samples.html
また、以下のような日付を操作するフィルターもサンプルに組み込まれているようです。
Current week
Prior week
WTD (week to date)
Prior WTD
Same week last year
Framework ManagerでのBooleanデータアイテム認識
久しぶりにFramework Managerに新機能が組み込まれましたね。
Booleanの列を取り込んだ際に、以前はUnknownになっていましたが、本バージョンからは「Boolean」タイプとして取り込まれるようです。
※これはデータソース側のDBベンダーにより動作が依存するとのこと
#管理
テーマの切り替え
CA11.1.7のデフォルトのテーマ(見た目)は、IBM Carbon Xですが、古いバージョンからのアップグレードの場合、テーマはIBM Classicが設定されます。管理の「カスタマイズ」の「テーマ」の中で切り替えが可能です。
スケジュール設定画面の変更
レポートのPDF定期保存などの際に設定する、スケジュールの設定画面が変更になっています。
外部データソース接続
データサーバーでSalesforceの接続が可能になりました。
データサーバーでMicrosoft Analysis Services 2019の接続が可能になりました。
Cognos Analyticsで接続のテストを行っているデータベースベンダーのリストが更新されています。
Vendor-supported client driver versions that were tested for each Cognos Analytics 11.1.x release
https://www.ibm.com/support/pages/node/1106607