Cognos Lifecycle Managerはご存知でしょうか。
Cognos 8 BI → Cognos 10 BI → Cognos Analytics 11など、Cognosをバージョンアップする際には、レポートの表示に差異が発生しないか確認すると思いますが、Lifecycle Managerは、そのレポートの差異の発見をアシストしてくれるツールです。
もちろん、レポートの差異は、同一バージョン間でもできますので、レポート改修の前後でのレポートに予想外の差異が発生していない事を確認する事も可能です。
Cognos 8やCognos 10のライセンスをお持ちの環境であれば、Cognos AnalyticsのLifecycle Managerを導入して使用する事は問題ありませんので、ご使用の環境で使えないか、是非ご検討下さい。
■ Lifecycle Manager導入方法
インストールモジュールは、Cognos AnalyticsのServerモジュールと同様です。
以下の画面で、「IBM Cognos Analytics ツール」を選択して、導入頂ければ大丈夫です。
導入後、Lifecycle Managerの起動が必要です。
スタートメニューから、「IBM Cognos LCM」→「LCM 開始」を選択します。
■ Lifecycle Managerへのアクセス
以下のURLにアクセスします。
http://hostname:9300/lcm_servlet/app/main
※ポート番号は、Cognos BIやCognos Analyticsと同一ノードに導入する場合、ポートが被ってしまいますので、以下のファイルの記載変更によりポートの変更が必要です。
C:\Program Files\ibm\cognos\lcm\wlp\usr\servers\lcm\server.xml
■ Lifecycle Managerの使用イメージ
ログイン後に、ソースとターゲットのCognosサーバーの、以下のURIを指定して、サーバー登録を行います。
Gateway URI
Content Manager URI
External Dispatcher URI
プロジェクト作成を行います。
プロジェクト作成の際に選択できる以下のプロパティが、Lifecycle Managerで比較できる差異になるので、ご確認下さい。
タスクを作成します。
Comparison:ソース及びターゲットのサーバーに同時に接続し、レポートを実行・比較。
Benchmark:ソースかターゲットの片側のサーバーに接続し、レポートを実行しておき、実行イメージをLifycycleManager内に保管しておく方式。後からソース側にベンチマーク結果を指定し、ターゲット側と比較する事ができる。
この後、Cognos Connection上のフォルダやレポートの単位で、比較対象を選択します。
■ 比較イメージ
比較結果の一覧が表示されます。
この場合、Cross01レポート、List01レポートは比較の結果差異あり、Report01は比較の結果差異なし、になります。
差異のあった、比較列の赤!を選択すると、以下のように、data、pdf、htmlでの差異の有無が表示されます。
dataの差異に関しては、以下のようなイメージです。
Before/AfterでCOL2というデータアイテムの値が、110→115に変化している事が分かります。
pdfの出力です。
こちらは例として、棒グラフを比較したものですが、フォントのサイズ、フォントのタイプ、グラフのサイズ、CCCのデータの値、を変更しています。
プルダウンで、フォントのサイズの差異を選択した結果、赤枠の箇所がずれていて残念ですが、AAAの文字のサイズが変化している赤枠と思ってください。
データの差異は、ここでは見れず、あくまで前述のdataでの検出になります。
htmlの出力です。
プルダウンをAREAで選択すると、AAAの文字に差異がある事がわかります。
WIDTHを選択すると、全体が赤枠で囲まれてサイズが異なる事がわかります。
また、Show overlay view を選択すると、以下のように前後のレポート実行イメージを重ねて表示することが可能です。
CCCの値の上の方が薄くなっているのが、差異の部分になります。
いかがだったでしょうか。
Cognos 8、Cognos 10の環境でも使えますので、使えるかどうか、是非ご検討頂ければと思います。