概要
Cognos Analytics 12.0.3でコンテンツ削除ルール発動時の動作が最適化されていますので共有です。
削除ルールとは、レポートを保存済みとして保存した時の、古いバージョンの保存済みレポートの削除です。
参考情報
Faster processing of content retention rules
https://www.ibm.com/docs/en/cognos-analytics/12.0.0?topic=components-faster-processing-content-retention-rules
詳細説明
これまでのCognos Analyticsのバージョンでは、レポートを保存済みレポートとして作成するタイミングで、古いバージョンの削除処理を行っていました。
この動作のため、例えばバーストレポート等で大量の保存済みレポートを同時に作成し、古いバージョンが同時に削除される処理では、一連の処理が長時間かかってしまう問題がありました。
この問題を解消するため、Cognos Analytics 12.0.3以降のバージョンでは、古いバージョンの削除処理は非同期で行われるようです。
この動作の変更により、以下のメリットがあります。
- 保存済みレポートの作成または更新処理が高速に実行されます。
- 削除操作は小さなバッチで実行されるため、トランザクション・サイズが削減されます。
- 期限切れのオブジェクト (期間ベースの保存ルールによって制御される) は、時間どおり (約 10 分以内) に削除されるようになりました。
以下の2つのパラメーターにより削除動作を調整できます。
CM.RETENTIONS_EXPIRATION_CHECK_INTERVAL
ルールに当てはまる古いバージョンが存在するかをチェックする間隔です。当てはまる場合、該当のバージョンは削除フラグが付与されます。
デフォルトは60秒です。
CM.RETENTIONS_OUT_OF_SCOPE_CHECK_INTERVAL
削除フラグが立っているバージョンをチェックする間隔です。当てはまる場合、該当のバージョンはContent Storeから削除されます。
デフォルトは60秒です。
注意点
この削除最適化の機能の実装のため、Content Storeのテーブル構造に更新が入っているようで、Cognos Analytics 11.2.4 FP3と12.0.3に入っているようです。
つまり、12.0.1と12.0.2には入ってないので、Cognos Analytics 11.2.4 FP3の環境をバージョン12にアップグレードする場合、必ず12.0.3以降を選択する必要があります。
とのこと、まあ自然に最新バージョン選択すれば問題ないとは思いますが、なぜか古いCognos Analytics 12のバージョンを選択するという時は気を付けましょう。