0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

自動運転AIの性能ってどう測るの?主要指標を例に解説

Posted at

はじめに

自動運転AIの開発において、
「結局、どのくらい安全で賢いの?」を数値化することは非常に重要です。

現在はnuScenesというデータセットが事実上の標準となっており、
そこでの評価指標を理解することは、最新の自動運転技術を理解することに直結します。

本記事では、認識から判断まで主要な評価指標を噛み砕いて解説します。

1. 物体検出(3D Object Detection)

AIが正しく”見えているか”を判断する指標です。

カメラやLiDARのデータから「周囲の状況」をどれだけ正確に把握できているかを測っています。

LiDARデータとは、、、

レーザー光を照射し、その反射から得られた「周囲の形や距離を表す3次元の点の集まり(点群データ)」のことです。

参考:https://jp.mathworks.com/discovery/lidar.html

mAP (mean Average Precision)

検出の見逃しの少なさ空振りの少なさを測る、最も基本的な指標です。
値が高いほど性能が高いです。

nuScenesでは、予測位置と実際の位置の中心距離で正誤を判定します。
具体的には、0.5m、1.0m、2.0m、4.0mという4つの距離閾値それぞれでAPを計算し、その平均を取ります。

例えば、閾値2.0mの場合:

  • 予測位置と実際の位置が2.0m以内 → 正解
  • 2.0mより離れている → 不正解

として、すべての閾値での精度を平均化します。

5つのTP誤差指標 (True Positive Metrics)

mAPで「正解」とみなされたものに対し、さらに細かく「どのくらいズレているか」を評価します。
値が低いほど性能が高いです。

指標 意味 具体例
mATE (mean Average Translation Error) 中心位置のズレ 車の位置が実際より30cm横にズレている
mASE (mean Average Scale Error) 大きさのズレ 軽自動車を大型トラックのような大きさで描いている
mAOE (mean Average Orientation Error) 向きのズレ 車が北を向いているのに、北北東向きだと誤認している
mAVE (mean Average Velocity Error) 速さのズレ 時速40kmで走る車を、時速30kmと見積もっている
mAAE (mean Average Attribute Error) 状態の判定ミス 走行中の車を「駐車中」と間違えて認識している

NDS (nuScenes Detection Score)

上記のmAPと5つの誤差指標を、重み付けして合算した「総合通信簿」です。

「見逃しがないか」だけでなく「速度や向きも正確か」を
1つのスコアで示せるため、論文などで重視されます。

次の式で表されます。

NDS = 1/10 * [5*mAP + Σ(max(0, 1-TP_error))]

2. トラッキング (Multi-Object Tracking)

動いている物体に同じIDを振り続け、時間的な一貫性を保つ能力です。
ずっと追いかけられているかを測ります。

AMOTA (Average Multi-Object Tracking Accuracy)

トラッキングの正確さを表す総合指標です。

例えば、交差点で車の前を通り過ぎる歩行者を、ずっと「歩行者A」として追跡できれば高スコア。途中で「歩行者B」に入れ替わったり(ID Switch)、見失ったりすると下がります。

AMOTP (Average Multi-Object Tracking Precision)

追跡している物体の「位置精度」の平均です。

「追跡し続けている状態」において、その物体の座標がどれだけ正確かを測ります。

3. プランニング (Planning)

認識した情報をもとに、自車が通るべき「未来の道筋」を決める能力です。

L2誤差 (L2 norm)

AIが決めた「走行ルート」と、人間のドライバーが実際に走った「正解ルート」がどれだけ離れているかを計算します。

例えば、

  • AIの計画:「5秒後に、今の位置から30m先の左側にいる」
  • 人間の実績:「5秒後に、今の位置から32m先の左側にいた」
    この2点間の直線距離がL2誤差です。

この値が小さいほど、人間の運転に近い、自然な走りができていると評価されます。

まとめ

自動運転AIの評価は大枠次のようになります。

  • 何があるかを当てる(mAP, NDS)
  • 動きを正確に追う(AMOTA, AMOTP)
  • 人間のように走る(L2誤差)

自動運転AIってどうなっているの?というブラックボックスの中身が
どうなっているかがわかると技術の進化が見えて面白いですね。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?