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株式会社じげんAdvent Calendar 2021

Day 18

Looker導入を機にデータガバナンスと分析基盤を整える話

Last updated at Posted at 2021-12-19

初めに

株式会社じげんの齋藤です。
データ分析基盤チームで、データガバナンスやデータ可視化を担当しています。

この度、じげんでは【Looker】を導入することになりました。
PoC(導入前トライアル)の結果と、データガバナンスの展望についてお伝えします。
おまけでデータ戦略で妄想している未来についても語ります。

ビジネスインテリジェンス&ビッグデータ分析ソフトウェア - Looker

今回はLookerのデータガバナンス、コーディングのコツは導入前のためスコープ外です。
主にBQ(BigQuery)のデータの流れの話になります。
Lookerのガバナンスの仕組みについては株式会社ZOZOさんのこちらのブログが詳しいです。

「データ集計基盤の改善でLooker導入に至ったワケ」 -株式会社ZOZO TECH BLOG

PoCについて

PoCでは、とある事業部の朝会シート(スプシ)をLookerに置き換えました。
データ分析基盤はBQの管理に、分析担当者やマーケはLookerの管理に集中できるようになります。

スプシ管理からLookerへ

PoCの内容

  • 朝会シート課題

    • データソースの種類が多く(BQ,手書き,スプシadd-onなど)管理が煩雑
    • KPIの定義が不明確(SQLや関数など)で、統一されていない
    • 分析担当が都度BQに必要なテーブルを作成するなど、全体像が見えない
  • PoCのスコープ

    • 各種KPIのLookMLでの定義
    • データソースのBQ(BigQuery)一元化
    • 必要なDM(Data Mart)をBQに作成

※ LookML: Lookerで導入しているデータモデリング言語

PoCを踏まえたLookMLルール

テーブルの可視化やグラフ化、分析用のモデルの作成は問題なく完了したものの、
POCの短期間で、LookMLとDMの構造でデータカオス化が進み、見通しが悪くなったので以下を決めました。

  • LookMLで(なるべく)しないこと
    • UNION
    • JOIN
    • UNNEST

LookMLでUnion,Joinを繰り返すと依存関係やフィルターの設定が複雑になる
LookMLでのUNNESTはviewが多数できて見通しが悪くなる
よって、BQで処理済のDWH(Data Warehouse)を作成する

  • LookMLで(なるべく)すること
    • KPIの定義
    • マーケ/ビジネス上の調整(月末利用率など)

マーケや分析担当が調整&確認しやすいようにLookMLで行う

Looker導入後のデータ分析基盤

Looker導入に合わせてデータ分析基盤も再設計し、以下流れでデータガバナンスを整えることにしました。

  1. Lookerで可視化が必要なデータ,テーブルの洗い出し
  2. 1の需要に必要十分なカラムをもつ、正規化しないDWHの作成
  3. DWHの作成に必要なDLの作成
  • 分析基盤の構造
    • DL 事業部単位。BQに作成。
    • DWH サービス単位。BQに作成。
    • DM サービス単位。DWHプロジェクトにデータセットを作成。
    • BI サービス単位。分析担当がルールに則って作成。

DL,DWHはデータ分析基盤チームが全事業部を管理。権限は限定。
DM,BIは分析担当者がLooker経由で管理。変更はGitで管理。

分析基盤の構造、DL/DWH周りの設計はこちらを参考にしました。
『ビッグデータを支える技術 ——ラップトップ1台で学ぶデータ基盤のしくみ』

まとめ

データ分析基盤構造

データ分析基盤インフラ設計
DL、DWH,BIを明確に分けることで、それぞれの工程が明確化して、権限の設定も簡単になった。

データの流れ
・内部データソース
①CloudSQL/GCS → ②DL(BQ) → ③DWH(BQ) → ④BI(Looker)
・外部データソース
①GCS(BQ) → ②DL(BQ) → ③DWH(BQ) → ④BI(Looker)

①→②では、欠損データの検出やプライバシー情報のハッシュ化など、最低限の処理を実行
②→③では、BIの需要に合わせ正規化の解除や結合、UNIONなどを実行
③→④では、必要カラムの限定やJOINなどのほか、ビジネス上の調整やKPIの定義を行う

データガバナンスのための決定事項

Looker導入に合わせては、以下のことを明文化した。

  1. データ基盤とBIの権限範囲の明確化
  2. DL,DWH,DMの構造決定、命名規則の明文化
  3. LookMLですること、しないことの決定

おまけ

データ分析基盤未来予想図

スクリーンショット 2021-12-13 16.10.10.png
じげんではLookerに加えてELTの各工程にツールを導入し、より強力なガバナンスの構築を目指しています。

以下3種類のツールを導入してデータガバナンスを網羅することを構想している。
・ETLツールのCloud Data Fusion導入して外部ソースなども一括管理
・データ変換ツールのDataFormを導入してDL,DWHを管理
・BI、可視化はLookerで管理

Looker,DataForm,Data Fusionにより達成できる未来

  • コードのGit管理
    • Data Fusion (データソース~DL)
    • DataForm (DL~DW)
    • Looker (DM~BI)
  • 権限範囲
    • DL~DWHまでをデータ分析基盤チーム
    • DM~BIを分析担当者

権限の明確化とGit管理によって、DLからBIまでの全工程でガバナンスを網羅できる
※これらを導入するのはこれからなので、結果はまだわかりません。今後に期待ください。

参考資料

-GCP Official Icons and Solution Architectures
インフラ構造を図示する際などに活用しています。

  • DataForm
    ELTのTに特化したツール。GCPに組み込まれて無料になり、BQとの連携が強化された。

-Cloud Data Fusion
Googleのデータ統合サービス。GUIでパイプラインの制御をすることが可能。

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