はじめに
私はスーパーマーケットのデリカ部門で勤務しています。
デリカ部門では、
- 原材料不足時の対応
- 客注手順
- 開封期限
- 棚卸し手順
など、多くの業務知識がベテラン社員の経験に依存しています。
新人や異動者が分からないことを確認するたびにベテラン社員へ質問する必要があり、教育コストや作業効率の面で課題がありました。
そこで今回は、Difyを利用して 「ベテラン社員の知識を共有する業務支援AI」 を作成してみました。
課題
現場では次のような質問が頻繁に発生します。
- マヨネーズの開封期限は?
- タルタルソースは何日使える?
- 原材料が不足したらどう対応する?
- オードブルの客注はどう受ける?
- 棚卸しはどこから開始する?
これらはマニュアル化されていても、必要な情報を探すまでに時間がかかります。
また、経験の浅い従業員はベテラン社員へ確認することが多く、教育負荷の増加にもつながっていました。
解決策
解決策
Difyを利用して、社内FAQを検索できる業務支援AIを作成しました。
利用者はチャット形式で質問するだけで、登録されたナレッジから回答を取得できます。
AIがベテラン社員を置き換えるのではなく、よくある質問への一次回答を担い、最終判断が必要な内容については社員へ確認する運用を想定しています。
AIがベテラン社員を完全に置き換えるのではなく、
よくある質問への一次回答を担い、
最終判断が必要な内容については社員へ確認する運用を想定しています。
システム構成
今回構築した構成は非常にシンプルです。
ユーザー
↓
知識検索
↓
LLM
↓
回答
ナレッジには以下の情報を登録しました。
実際の回答例
質問
インストア客注
回答
基本オードブルのみの承りです。
最短2日後から受付できます。
質問
マヨネーズの期限
回答
開封日を含めて6日です。
苦労した点
最初はナレッジを登録しても期待した回答が返ってきませんでした。
登録済みの内容を質問しているにも関わらず、
登録されている情報では確認できません
と返されてしまいます。
原因を調査したところ、知識検索ノードの検索設定に問題がありました。
当初設定
- 全文検索
- スコア閾値 ON
改善後
- ベクトル検索
- TopK = 5
- スコア閾値 OFF
たところ、登録したFAQを正しく参照できるようになりました。
RAGはナレッジを登録するだけではなく、検索設定が非常に重要であることを学びました。
Difyを選んだ理由
今回はノーコードで構築できるDifyを採用しました。
DifyにはRAG(検索拡張生成)機能があり、独自のナレッジを登録して回答生成に利用できます。
プログラミング経験が少なくてもAIアプリを作成できる点が魅力でした。
期待効果
- 新人教育の効率化
- 作業ミスの削減
- 確認時間の短縮
- ベテラン社員への問い合わせ削減
- ナレッジの属人化防止
今後の展望
まずは、開封期限など答えが明確なFAQを中心にナレッジ化を進めていきたいと考えています。
その後、
原材料不足時の対応
客注対応
イレギュラー発生時の判断
など、状況によって対応が変わる業務にも適用範囲を広げていきたいと考えています。
また、GoogleスプレッドシートやMakeと連携し、
- 在庫数の在庫数の自動確認
- 原材料不足時の通知
- 振替記録の自動作成
- 発注支援
なども実装していきたいと考えています。
回答精度向上への取り組み
現在は文章をそのままナレッジとして登録しています。
今後はFAQ形式で整理することで、回答精度の向上も検証していきたいと考えています。
例えば、
Q:マヨネーズの開封期限は?
A:開封日を含め
て6日です。
Q:インストア客注は?
A:基本オードブルのみ承りです。
最短2日後から受付できます。
また、質問の表現揺れにも対応できるよう、
質問例
マヨネーズの期限
マヨ何日?
開封後いつまで?
といったパターンも登録し、検索精度向上を図っていきたいと考えています。
現在は文章をそのまま登録しているが、
今後はFAQ形式で整理することも検討している。
Q:マヨネーズの開封期限は?
A:開封日を含めて6日です。
また、
・マヨネーズの期限
・マヨ何日?
・開封後いつまで?
など、質問の表現揺れも登録し、
回答精度向上を検証していきたい。
今後の改善点
登録されていない内容については、AIが推測で回答すると誤った情報を伝えてしまう可能性があります。
そのため、
登録されている情報では確認できません。
社員に確認してください。
と返す運用を想定しています。
また、最終判断は人が行い、AIはよくある質問への一次回答を担うことで、誰でも安心して業務を行える環境づくりを目指したいと考えています。
将来的には、開封期限のように答えが明確なFAQから始め、客注対応や原材料不足時の対応など、より複雑な業務知識にも活用範囲を広げていきたいと思います。
さらに、Googleスプレッドシートに
- 質問
- 回答
- カテゴリ
- 更新日
- 確認者
などをまとめ、ナレッジを更新しやすい仕組みも検討していきたいと考えています。
おわりに
今回初めてRAGを利用した業務支援AIを構築しました。
実際に構築してみると、AIモデルそのものよりも、
「どのようにナレッジを整理し、どのように検索させるか」
が重要であることを実感しました。
また、AIがすべてを判断するのではなく、人とAIが役割を分担しながら業務を支援する仕組みが重要であることも感じました。
今後も現場の課題をAIで解決できる仕組みづくりに挑戦していきたいと思います。
同じように店舗業務や現場業務のナレッジ検索AIを作られている方がいましたら、改善案などぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。







