はじめに
2020年から日本でもテレワークを導入している企業が増えています。
私自身基本的にテレワークになっているのですが、テレワークは人と人との繋がりが薄れる印象があったのでハラスメント問題とは無縁だと思ってしまっていました。
この記事を見たことがきっかけで考えを改めました。
テレワークとハラスメント
海外の調査ですが、調査対象者の4分の1以上が、テレワークによって嫌がらせと職場での敵意が増加したと答えているそうです。
画像のクレジットProject Include
画像はtechcrunch.comより
この結果には驚きました。
理由として一番考えられるのは**「1対1の閉鎖的なコミュニケーションへの依存度が高くなっている」**からだと思われます。
例えば後輩が先輩に質問する場合、テレワークでは音声通話またはビデオ通話が基本になります。
(簡単な質問であればチャットで終わると思いますが)
その際に、職場では第三者の目がありましたがテレワークでは当然第三者の目がありません。そう考えるとかなり閉鎖的な状況であるとわかります。
テレワークでハラスメントを防ぐために(上司編)
ハラスメントは様々なパターンがあり、必ずしも上司から部下に対してではないですがもっとも起きやすいと個人的に感じるためこのケースを想定します。
知らず知らずのうちに加害者になっていた、誰かを苦しめていたなんて嫌ですもんね。
1.チャットはオープンで行う
1対1の個人チャットは確かに便利ですが基本的にはチームのチャットを使いましょう。
やはり第三者の目は必要です。
2.ビデオ通話の頻度を考える
テレワークではビデオ通話による「顔を合わせること」が必要だと言われています。
ですがあくまでも自宅はプライベートな空間です。人に部屋を見られたくない人もいるでしょうし、同居する家族も実は嫌がっているかもしれません。
ビデオ通話のために化粧をしたり身なりを整えたりする必要も出てくるでしょう。
決まった曜日の決まった時間に行うくらいなら良いかもしれませんが最低限突発的な実施はやめましょう。
3.公私混同して話さない
上司も部下も自宅にいるため、どうしても公私混同してしまいます。
アイスブレイクとして多少のプライベートの話をすることは推奨されているかもしれませんが会社にいる時と同じ(第三者に聞かれても問題ない)かどうかを意識しましょう。
4.生活音についてはダメ出ししない
生活音はどの家庭にもあります。テレワーク中に子供が騒いでいる家庭もあるでしょう。
音声通話に深刻な支障をきたす場合を除いて我慢することが必要です。
深刻な支障をきたす場合は「注意」ではなく「お願い」に留めるべきです。
生活音についてのダメ出しをされると常に気をはっていないといけなくなり、過度なストレスを与えてしまいます。
5.オンライン飲み会に誘わない
これはかなり難しい問題です。
「オンライン飲み会は断りづらい」と言われています。
自粛が推奨されているコロナ禍に「ちょっとこの後予定が・・・」とは言いにくいものです。
開催するにしても断りやすい空気を作ってから開催するべきです。
6.技術的な説明は事前に図にしてから行う
口頭だけの説明は理解に限界があります。
オフィスにいた頃は紙にざっと図を書きながら説明できましたがテレワークではそれが難しいです。
口頭での説明のみなのに「なんでこんなに理解力がないんだ」なんて思わないためにも多少手間でも図に書いてから説明すべきです。その図は使いまわせます。ナレッジを共有すればみんなが幸せになれます。
7.言葉遣いに注意する
チャットでは文字だけで会話することになります。文字だけの場合冷たい印象を受ける人が多いです。
オフィスにいる時は乱暴な言葉遣いでも声のトーンなどで冗談ぽく伝わることもあるかもしれませんが文字だけだとそうはいきません。
絵文字を使った方が良い・・・とまでは言いませんが配慮すべきです。
8.サボりを疑わない
サボりを疑っても良いことはないです。
タスクを定量的に計ってその成果の積み上げで判断しましょう。
成果物さえ出せば途中15分寝てたって問題ないはずです。
成果が出ていない場合は上司のマネジメントスキルの見せ所です。
テレワークでハラスメントを防ぐために(部下編)
部下の立場からでもハラスメントを防ぐ方法があります。
1.不快に感じたらすぐに相談する
これはテレワークに限らずですね。
本格的なハラスメントになる前に不快に感じたらすぐに相談しましょう。
ハラスメントは被害者も加害者も不幸になります。
会社にコンプライアンス部門がなければ誰でも良いのでまずは相談してみましょう。
2.チャットはオープンで行う
何かを失敗したり質問する時に大人数に知られることが恥ずかしいと思うこともあるかもしれません。上司に個別チャットで報告することを繰り返していると自然と連絡が**「1対1が当たり前」**になってしまいます。
失敗の報告が恥ずかしくても、チームのオープンチャットで話すようにしましょう。
3.カメラに写るものに配慮する
何か言われる前に言われない状況を作りましょう。色々聞かれるの面倒臭いですし。
部屋の構造的に難しいかもしれませんが背景に何も映ってなければつっこまれることもなくなります。
さいごに
ハラスメントは被害者も加害者も不幸になります。
ただでさえコロナ禍でストレスの多い生活です。ひとりひとりが気をつけたいですね。
参考サイト