運命の2026年2月、職場の同僚の一言で、3年間眠っていた開発人生が再び目を覚ました。
コミュニティに疎かった私に、同僚がふと放った一言。
「Claude Code 使ってます?」
なんとなく Web でしか使っていなかった AI が、自分のPCの中に入ってくるという話。半信半疑で使ってみて、結果は衝撃だった。3年間放置していた開発人生が、また回り始めたのだから。その年代記を、今から始めてみる。
Part 1. テキストから始まった管理
3年寝かせたポーカーゲーム
約3年前、私はアイデアだけで温めていたポーカーゲームを ChatGPT と作っていた。当時のバージョンは 3.5 プロメテウスだったと記憶している。面白くはあったが開発スピードは遅く、「開発にかけては右に出るものがいない」と言われていた Claude に乗り換えて続けてみたものの — Web では伝えきれない限界の壁にぶつかり、結局プロジェクトを寝かせてしまった。
そんな中、同僚から「Claude Code」の話を聞いた。AI が自分の中に入ってきて、開発スピードが明らかに変わった。
そして初期、私はすべてをテキストで管理していた。
最後の Axxx 追加番号
最後の B001 バグ番号
c クライアント想定
s サーバ想定
cs/sc 両方想定、もしくはどちらか不明
[バグだらけ]
B001, cs, 7フェーズのベッティング後にハイロー選択画面が出ず停止
みすぼらしく見えるかもしれないが、これでも自分なりの管理法だった。
痛み ①:「5時間、週間使用量の上限」
Claude の使用量の上限はすぐにやってきた。代替環境を探しているうちに GitHub Copilot を知った。面白いことに プレミアムリクエスト で各種モデルを呼び出す方式。Pro プランで300回を手に入れた。
Claude Pro $20 + Copilot Pro $10
痛み ②:「プレミアムリクエスト使い切り」
300回もすぐに尽きた。無料モデル(当時の GPT-4.1、5-mini)で粘る方法を考えていたとき、以前なにげなく見た光景を思い出した。AI が md ファイルを作っていた姿。些細なことだと思っていたそれが、答えになった。
「あ、設計として残せばいいのか。」
Claude と Copilot が生きているうちに、無料モデルでも量産できる設計書工場を作り始めた。
# Control.gd 関数マップ(指示書作成者の参照用)
**目的**: 「どの関数があって、何をして、どこから呼ばれるか」を素早く確認
**対象ファイル**: client/.../Control/Control.gd
## A. ゲームフロー関数(呼び出し順)
| 関数 | 行 | 役割 | 呼び出しタイミング |
|------|----|------|--------------------|
当然ながら無料モデルが吐く設計書には限界があり、結局 Copilot の Pro+ に乗り換えた。
Claude Pro $20 + Copilot Pro+ $40
ああ…快適だ。Pro+ は1500回。設計は Claude に任せ、作業は Copilot で。効率が一気に上がった。
痛み ③:テキストで「家族たち」を管理するには
ワーカーが増えると、テキスト管理は手に負えなくなった。そこで導入したのが 「インデックス」。そして自分で管理する代わりに、ワーカーにこう指示した。
「記票しろ。」
## 現在の記票項目
| ID | 項目 | 状態 | メモ |
|----|------|------|------|
私は指示するだけでよくなった。もう自分で管理せず、ワーカーたちが自ら管理するように。とても楽になった。
「Claude Code」を知ってから、わずか1〜2ヶ月でテキスト管理 → インデックス委任までたどり着いた。そうしてゲームを完成させ、AI チームとホームページまで作って5月にローンチした。(👉 horriblegames.net — 決して怪しいサイトではなく、ポーカーゲームのデモです。)
痛み ④:インデックスがあちこちに散らばる
ここで気づいた。インデックスファイルが方々に散在していること、そしてより大きな問題 — AI は一貫しないということ。 毎回ルールを伝えても、伝えても、好き勝手に書く。
そこで作ったのが [インデックス採番機]。コマンドを登録すると自動でインデックスを埋めてくれるプログラム。FlowGate が生まれるまではこれを使っていた。
だが採番機も、毎回プリセットを管理しなければならず、ちゃんと登録しないとエラーになったり AI がうまく使えなかったりが多発した。それで — いっそシステム化することにした。
そうして FlowGate が誕生した。
Part 2. AI の嘘
FlowGate を使えば AI が嘘をつかなくなる、わけではない。ただ — 何回嘘をついたかが証拠として残る。
イライラ、そして証拠がない
ポーカーゲームを作りながら気づいたこと。バックエンドはデータの流れさえ掴めばそこそこやるのに、フロント・画面のバグは本当に直せない。
「これじゃないって、ああイライラする。」
この言葉を何度言ったか覚えていない。なぜか? 証拠がないから。 言ったという記憶だけが残り、AI が何をどう直したせいで進まなかったのかは消える。「うまくいかないから迂回してこうしろ」と指示した記憶しか残らない。
FlowGate を作ったが、それでもイライラ
FlowGate が完成したからといって、直せなかったバグが直るわけではない。ただ 面白い2つが生まれた。
第一に、証拠が残る。
会話でその都度確認することもできるが、昨日やったことを今日忘れるように、何かが残らなければ昨日が分からない。ところが FlowGate で残した証拠はそのまま残る。だから差が生まれた。
- 以前:「これは解決してから進まなきゃ。」
- 今:「今日解決しなくても、明日解決すればいい。」
FlowGate のアクションバー SSE バグは3日かかった。以前ならどこかにファイルで残さないと続けられなかったが、今はただ **「ここで切るか」**ができるようになった。
第二に、何回リジェクトしたかが見える。
その SSE バグは — 調査11回、作業13回のリジェクト。 以前はチャットで怒るだけだったが、今は自分が何回怒ったかカウントできる…というのは冗談で 😅、いつ同じ方法をやめて別の方法に切り替えるかを明示的に判断できるようになった、という意味だ。
たいてい同じ方法で2〜3回ダメなら別の方法、4〜6回さらにダメならまた別の方法… SSE バグもその回数でたまたま捕まったのだが、条件分岐バグ + デプロイの合作だったと記憶している。ともあれ、この作業を何回試したかを直接カウントできるようになったということ。
結論
FlowGate は AI の嘘を防いではくれない。その代わり:
- 証拠が残る → 作業を後回しにしても続けられる
- リジェクト回数がカウントされる → いつ方法を変えるか判断できる
- そして…自分が何回イライラしたかも数えられるようになった
テキストファイル1枚から始まり、インデックスへ、採番機へ、ついにはシステムまで。*「AI がやり終えた」と「実際にできている」*の間のギャップを埋めようとした、4ヶ月間の記録である。
👉 FlowGate: github.com/horrible-gh/FlowGate