この記事を作成した経緯
普段ネットワークエンジニアをしていますが、新規案件獲得のためサーバ提案をすることになりました。提案資料の作成担当は僕と先輩なのですが、先輩はサーバに関してはノータッチということなので、自分でサーバ構成のたたき台ぐらいは作成できるようにならなければいけないと思い、LPIC306を始めました。そこでストレージについていろいろと学ぶうちに、ストレージの種類について頭ごちゃごちゃになりましたので、本記事ではDAS、NAS、SANの違いとそれぞれの特徴について解説します。
DAS,NAS,SANとは
正式名称は以下の通り
- DAS(ダイレクト・アタッチト・ストレージ)
- NAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)
- SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)
DAS,NAS,SANはストレージの接続方法の種類です。
また、自分が勘違いしていた点として、過去の案件で使用したストレージからNASやSANは製品名とイコールであると思っていました。(例として以下の通り)
- NAS: Buffaloの「TeraStation」
- SAN: 富士通の「ETERNUS」
正しい理解として、あくまでストレージの接続方法の種類を示しているのであって、使い方によってはBuffaloの「TeraStation」がSANに、富士通の「ETERNUS」がNASとして使用されることもある。
ストレージ概要図
左から【ストレージ種類】→【接続方式(物理)】→【接続方式(論理)】というフローで図を作成しました。
まずストレージの種類は以下の通りです。
- 内蔵HDD
- 外付けHDD
- 磁気テープ
- CD ROM
今回はサーバに使用するストレージの概要図ということで、内蔵HDDと外付けHDDを深堀していきます。
DAS(Direct Attached Storage)
DASはネットワークを介さず、専用線で接続されたストレージを指します。
ネットワークを介さずということはLANケーブルを使用せずUSBやIDE(SATA)で接続するイメージです。
NAS(Network Attached Storage)
NASはネットワークストレージ、IP接続でデータ共有を目的とするストレージを指します。IP接続を目的とするため、LANケーブルまたは光ケーブル(FC)を使用します。ストレージへのアクセス方式として、Windowsファイル共有(SMB)Linuxファイル共有(CIFS)やHTTP/FTPプロトコルを使用します。
SAN(Storage Area Network)
SANはネットワークストレージ、かつブロックストレージとしてデータ共有を目的とするストレージを指します。NASと同じでIP接続でデータ共有をするため、接続方式はLANケーブルや光ケーブル(FC)を使用しますが、NASとの相違点は接続方式(論理)の部分にあります。
- NAS:ファイルストレージ
- SAN:ブロックストレージ
NASは普段Windowsでよく使用しているファイル形式を使用する形ですが、SANは複数のサーバが1つのストレージを利用(1:複)する目的であるため、ファイルストレージのような階層構造ではなく、もっと低いレイヤーで使用される形式となっている。その代わりきめ細やかな制御を行うことが可能となり、効率的なパフォーマンスが可能となる。
そのため、SANではNASで使用していたファイルアクセス方式ではなく、iSCSIというブロックストレージ向けの接続方式が採用される。光ケーブルを使用する場合の接続方式は、FC(Fibre Channel)やiSCSIを光ケーブルで使用可能とするiSCSI over Fibre Channelとなる。
以下、用語解説
IDE(Integrated Drive Electronics)とは
コンピューターにハードディスクを接続するための規格、SATAが出てくるまで主流であった。
SCSI (Small Computer Systems Interface)とは
コンピュータと周辺機器を接続するための規格
iSCSI (Internet Small Computer Systems Interface)とは
IPネットワークを利用してSAN(Storage Area Network)を構築するプロトコル規格。つまりSCSIのネットワーク版
SCSI とiSCSI の違いとして、SCSIは直接接続で使用され、iSCSIはネットワーク経由で使用される。
まとめ
これでサーバ提案書にNASでいくのか、SANでいくのかを論理的に説明できる気がする。あとは冗長化を理解せねば。。。