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JavaScriptでのthis

Last updated at Posted at 2019-03-07

本記事を投稿しとうとしたきっかけ

JavaScriptの勉強をしていて、prototypeでのオブジェクト指向について勉強をやっていた時
thisの挙動がよくわからなくなったため、色々調べました。
その際に調べたthisについて、本記事で色々まとめてみたいと思います。
何か不足している情報などあれば、コメントください。。。

prototypeオブジェクト

よくJavaScriptで、機能ごとにオブジェクトにまとめたいなどあると思います。
その際に必ず、prototypeや、ES6だとclassに出会うことができると思います。

var UserInfo = function(userName, age, sex) {
    this.userName = userName;
    this.age = age;
    this.sex = sex;
}

UserInfo.prototype = {
    toString() {
        console.log('名称:' + this.userName);
        console.log('年齢:' + this.age);
        console.log('性別:' + this.sex);
    }
}

var userInfo = new UserInfo('太郎', 20, '');
userInfo.toString();
// -> 名称:太郎
// -> 年齢:20
// -> 性別:男

「名称」「年齢」「性別」の3つのメンバ変数を持ち、prototypeには、ユーザ情報について表示するtoStringメソッドのあるユーザ情報オブジェクトです。
メンバ変数に注目すると、thisが出現します。
そのthisで定義された変数は、prototypeで定義したメソッド内(上記ソースだとtoStringメソッド)などで用いることができます。

しかし、以下のソースを実行してみると、予想とは違う挙動になります。

var UserInfo = function(userName, age, sex) {
    this.userName = userName;
    this.age = age;
    this.sex = sex;
}

UserInfo.prototype = {
    toString: function() {
        console.log('名称:' + this.userName);
        console.log('年齢:' + this.age);
        console.log('性別:' + this.sex);
    },
    // 追記
    set: (userName, age, sex) => {
        this.userName = userName;
        this.age = age;
        this.sex = sex;
    }
}

var userInfo = new UserInfo('太郎', 20, '');
// 追記
userInfo.set('花子', 30, '');

userInfo.toString();
// -> 名称:太郎
// -> 年齢:20
// -> 性別:男

あれ?変わらない?

先ほどの追記したソースをみてみると、setメソッドはアロー関数(Arrow_functions)で記述されています。
勉強していく上で、いちいちfunctionって書くのがめんどくさくなり、アロー関数をたくさん書くようにしたら、上記のようなソースでハマりました。。。

よくわからないまま直そうとした際、とりあえず、アロー関数を普通のfunctionにしてみようと思い、戻してみました。
すると表示結果は自分の思っていたような正常動作になりました。

    // ...省略
    set: function(userName, age, sex) {
        this.userName = userName;
        this.age = age;
        this.sex = sex;
    }
}

var userInfo = new UserInfo('太郎', 20, '');
userInfo.set('花子', 30, '');
userInfo.toString();
// -> 名称:花子
// -> 年齢:30
// -> 性別:女

いやー、そんなに長くハマらずに済みました〜。

うん?つまり、アロー関数が悪い?

アロー関数とthisの相性が悪いのか?っと考え、色々調べてみました。
MDNさんのアロー関数の説明によると

2 つの理由から、アロー関数が導入されました。1 つ目の理由は関数を短く書きたいということで、2 つ目の理由は this を束縛したくない、ということです。

あぁなるほど〜束縛したくないからね〜。
裏側の実装とか、細かいことなどが理解していないと、上記の説明では理解に苦しみます。。。

さらに色々調べてみました。戦いですね。
するといい記事が発見できました。

@mejileben, @takkyunさん、ありがとうございます!
とってもわかりやすかったです!

そもそもthisというのは

簡潔にいうと、thisというのは

  • thisfunction を呼んだ時の . の前についているオブジェクトを指している
    @takkyunさんの記事引用

らしい。

.の前に何もなければ、グローバルオブジェクトthisは参照するらしい。
例として、以下のソースを見ていただきたい。

var userName = '花子';
var age = 30;
var sex = '';

var toString = function() {
    console.log('名称:' + this.userName);
    console.log('年齢:' + this.age);
    console.log('性別:' + this.sex);
}

var UserInfo = {
    userName: '太郎',
    age: 20,
    sex: '',
    toString: toString
}

// toStringの . の前はUserInfoです。
// よって、thisはUserInfoを参照するわけです。
UserInfo.toString();
// -> 名称:太郎
// -> 年齢:20
// -> 性別:男

// toStringメソッドをいきなり呼ぶと
// . の前には何もないため、thisはグローバルオブジェクトを参照するわけです。
toString();
// -> 名称:花子
// -> 年齢:30
// -> 性別:女

グローバルオブジェクトについては、知っている前提で話を進めます。
もし、わからない方がいれば

Global object (グローバルオブジェクト)

を参照してください。

以下のソースは、グローバル領域とグローバルオブジェクトについてのソースとなります。

// グローバル領域でthisを参照すると、グローバルオブジェクト(Window Object)が出力されます。
console.log(this);
// -> Window {postMessage: ƒ, blur: ƒ, focus: ƒ, close: ƒ, parent: Window, …}

// グローバル領域で変数を定義。
// すると、以下のargはグローバルオブジェクトのメンバ変数として追加される。
var arg = "argument0";

// 以下は全て同じものを参照している。
console.log(arg);        // -> argument0
console.log(this.arg);   // -> argument0
console.log(window.arg); // -> argument0

なるほど、だんだんわかってきましたぞ。

あ。アロー関数は?

そもそもアロー関数を使用したら、うまくいかなかったというのに、少しthisの話が長くなってしまいました。。。
それでは、アロー関数でのthisの挙動はどうなるのでしょうか?
こちらも簡潔にいうと

  • アロー関数式で宣言された関数は、宣言された時点で、thisを確定(=束縛)させてしまうのです。
    @mejilebenさんの記事引用

こちらも実際にソースをみてみましょう。

var arg = "argument0";

// アロー関数でメソッドを定義
// 定義した時点でthisの参照先は束縛されます。
var func = () => {
    console.log(this.arg);
}

// 上記で宣言したメソッドをメンバ変数として追加。
var obj = {
    arg: "argument1",
    func: func
}

// こちらは、先ほどと変わらず、グローバル領域の変数を参照します。
func();      // -> argument0
// アロー関数で定義した時点でthisの参照先が決定するため
// objを参照せず、その外側の領域(グローバル領域)を参照します。
obj.func();  // -> argument0

いやー、結構わかってきたぞー

thisでの挙動についてある程度理解しました。
そこで、自分なりに色々意地悪なソースを考えてみたりして。。。
皆さんも、以下のソースで実際にどのような出力結果となるか考えてみてください!

arg = "arg1";

function consoleLog() {
    console.log(this.arg);
}

var obj1 = {
    arg: "argument2",
    func: consoleLog
}

var obj2 = {
    arg: "argument3",
    func: () => {
        console.log(this.arg);
    }
}

var obj3 = {
    arg: "argument4",
    func: function() {
        var arg = "argument5";
        var subFunc = () => {
            console.log(this.arg);
        }

        subFunc();
    }
}

var obj4 = {
    arg: "argument6",
    func: function() {
        var arg = "argument7";
        var subFunc = function() {
            console.log(this.arg);
        }

        subFunc();
    }
}

consoleLog(); // -> ???
obj1.func();  // -> ???
obj2.func();  // -> ???
obj3.func();  // -> ???
obj4.func();  // -> ???

ちょっと応用がきいているのではないかと思いますが、考えてみる価値はありそうです!
答えは、Chromeなどの開発者ツールのコンソールに上記ソースをはっつけていただいて、実行すれば答えがわかります!
個人的には、obj4func実行時の出力結果が難しいのではないかと思っています。
ただ、thisの最初の説明にあった箇所を思い出せば解けると思います。
どんなにスコープがネストしても、いきなり . の前にオブジェクトがないfunctionを呼び出したりすると。。。

まとめ

ここまで、説明が足りない箇所もあったかと思われますが、ざっとまとめてみました。
JavaScriptでのthisは少し複雑だなと感じました。
あとは、何も考えずにアロー関数をバンバン用いるのは危険であることもわかりました。(気をつけます)

thisの操作に慣れると、ソースも安全に組むことができますし、正しいthisの使い方でコーディングできると思われます。
また、thisを正しく理解して用いると、コード量も減るのではないか?とも感じました。

もっとthisについて、上記以外の複雑なとこがあれば教えてください!
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました🙇‍♂️

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