はじめに
こんにちは、エンジニア4年目の嶋田です。
この記事を開いていただき、ありがとうございます!
Dockerをインストールしようとしたとき、「あれ?Intel用とApple Silicon用で違うファイルがある…」って混乱したことありませんか?
PHPやJavaの開発環境を構築しようとしたら、「このライブラリ、ARM対応してないから動かない」ってエラーが出たり。
私もエンジニアになった頃、「CPUって何?なんで同じMacなのに違うの?」と全然理解できませんでした。
でも実は、CPUの違いを知っているだけで、エラーの原因がわかったり、環境構築がスムーズになるんです。
そこで今回は、初学者やこれからエンジニアを目指す方に向けて、CPUの基礎とIntel・Appleの違い、そして開発への影響をなるべくわかりやすくまとめていこうと思います。
この記事を読み終わるころには、「あ、だからこのエラー出たのか」「だからダウンロードページに2種類あるのか」といった理解ができるようになるはずです!
目次
CPUとは何か
「CPU」とは Central Processing Unit(中央演算処理装置) の略で、パソコンやスマホの"頭脳"にあたる部分です。
よく「パソコンの心臓」とも言われますが、正確にはすべての計算や命令を処理する司令塔です。
例えば、あなたがブラウザで「検索ボタン」を押したとき、
- CPUがその命令を受け取る
- 必要なデータをメモリから引っ張ってくる
- 計算して結果を画面に表示する
という流れで動いています。つまりCPUが速ければ速いほど、パソコンの動作が快適になるわけです。
CPUの役割をわかりやすく
CPUは「レストランの料理人」に例えるとわかりやすいです。
- 注文(命令)を受け取る
- 材料(データ)を集める
- 調理(計算)する
- 料理(結果)を提供する
料理人が優秀なら、注文がたくさん来てもスムーズに対応できます。
逆に遅いと、待ち時間が長くなってイライラしますよね。
それがパソコンだと「アプリの起動が遅い」「動画編集が固まる」といった現象になるわけです。
IntelとApple、何が違うの?
ここからが本題です。
- Intel:昔からパソコン向けCPUを作ってきた老舗メーカー
- Apple:2020年から自社製CPU「Apple Silicon(M1/M2/M3など)」を搭載し始めた
一番の違いは設計思想(アーキテクチャ)です。
※ Intel欄はIntel製CPU搭載のMac(〜2020年頃)、Apple欄はApple Silicon(M1/M2/M3…)搭載Macを指します。
項目 | Intel製Mac(x86-64) | Apple Silicon製Mac(ARM64) |
---|---|---|
アーキテクチャ | x86-64(CISC系) | ARM64 / AArch64(RISC系) |
コア構成 | 同質の高性能コア中心(Hyper-Threading対応モデルあり) | 高性能(P)+高効率(E)コアのハイブリッド(big.LITTLE) |
メモリ構造 | CPU用メモリとGPUのVRAMは分離。一部機種はRAM増設可 | Unified Memory:CPU/GPU/Neural Engineで共有・高帯域。増設不可 |
GPU/AI | 内蔵GPUまたはAMD外部GPU。Neural Engineなし | 強力な内蔵GPU+Neural Engine(機械学習向け)+メディアエンジン(例:ProRes) |
消費電力・発熱・静音 | 高め(機種差あり)。負荷時にファンが回りやすい | 低消費電力・低発熱・静音。ノートはバッテリー長持ち |
互換性(macOSアプリ) | x86アプリをネイティブ実行 | 多くのx86アプリはRosetta 2で動作(ネイティブが最速) |
Windows利用 | Boot Camp可/仮想化でx86 Windowsを高速利用可 | Boot Camp不可。Windows on ARMを仮想化(x86アプリはその上でエミュ) |
Docker/コンテナ | amd64イメージがそのまま動作(ARMはエミュ等が必要) | arm64イメージをネイティブ実行。amd64はエミュで遅くなることあり → multi-arch推奨 |
eGPU | 一部モデルで外付けGPU対応 | 非対応 |
iPhone/iPadアプリ | 不可 | 一部アプリをネイティブ実行可(開発者がMac配布を許可したもの) |
アーキテクチャって何?
「アーキテクチャ」とは、CPUが命令をどう理解して処理するかの設計方式のことです。
例えるなら、「日本語で話すか、英語で話すか」みたいなもの。
どちらも意思疎通はできるけど、文法や語彙が違うので、翻訳が必要になることもあります。
x86とARMの違い
x86(Intel)
- 複雑な命令を一度に処理できる
- デスクトップやサーバー向けに最適化
- パワフルだけど電力を食う
ARM(Apple Silicon)
- シンプルな命令を高速に処理する
- スマホやタブレット向けに生まれた技術
- 省電力で発熱も少ない
つまり、Intelは"パワー重視"、Appleは"効率重視" という違いがあります。
(という理解を私はしています…!)
自分のMacのCPUを確認する方法
- 画面左上の🍎マーク > 「このMacについて」をクリック
- 「チップ」の項目を確認
- 「Apple M1」「Apple M2」など → Apple Silicon
- 「Intel Core i5」「Intel Core i7」など → Intel
開発者にとってどんな影響があるの?
ここが一番気になるところですよね。実務では以下のような影響が出ます。
1. Dockerやエミュレータの挙動が変わる
Apple Silicon(ARM)のMacで、Intel向けのDockerイメージを動かそうとすると、エミュレーション(翻訳)が必要になります。
そのため、
- 動作が遅くなる
- 一部のイメージが動かない
といった問題が起こることがあります。
2. ライブラリやツールの対応状況
例えば、Node.jsやPythonなどは問題なく動きますが、一部のネイティブライブラリ(C++で書かれたものなど)はARM版がまだない場合があります。
その場合、Rosetta 2という翻訳機能を使って動かすことになりますが、パフォーマンスが落ちることも。
3. ダウンロードページで2種類のファイルがある理由
Dockerをインストールしようとすると、
- Intel Chip用
- Apple Silicon用
という2つの選択肢が出てきます。これは、CPUのアーキテクチャが違うから、それぞれに最適化されたバージョンが必要だからです。
間違った方をダウンロードしても、動かないか、パフォーマンスが落ちるだけなので、自分のMacのCPUを確認してから選びましょう。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございます!
CPUの違いがわかると、
- ダウンロードページで迷わなくなる
- エラーの原因が推測できる
- 環境構築がスムーズになる
といったメリットがあります。
まとめると、
- CPUは「パソコンの頭脳」
- Intelは「x86アーキテクチャ」、Appleは「ARMアーキテクチャ」
- アーキテクチャが違うと、ソフトウェアの互換性に影響が出る
- Dockerやライブラリのインストール時に、CPUに合ったものを選ぶ必要がある
というイメージを持っていただければ十分です。
もし「もっとメモリやストレージの選び方を知りたい!」と思った方は、次のステップとして調べてみてください。
私もまだまだ勉強中ですが、この記事が皆さんの理解の助けになれば嬉しいです。