基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験(FE 試験)は、情報処理技術者試験の 1 つであり、IT エンジニアとしての基礎知識とスキルを証明する国家試験です。この試験は、経済産業省が認定する IPA(独立行政法人情報処理推進機構)によって運営されています。
応用情報技術者試験(AP 試験)など、上位資格があります。
出典: 試験区分一覧 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
試験の方式
試験形式について
基本情報技術者試験は、基本的に CBT方式で実施されます。これは、従来の紙ベースの試験ではなく、試験会場に設置されたコンピュータを使用して実施される試験方式です。この方式により、通年で受験が可能になり、試験終了後すぐに結果を確認することができます。
ただし、身体の不自由などの理由で CBT 方式での受験が難しい方のために、春期(4 月)と秋期(10 月)の年 2 回、筆記による方式の試験(特別措置試験)も実施しています。
参照元: 情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
CBT 方式では、テストセンターで用意したメモ用紙とボールペンを使用できます。
テストセンターで用意したメモ用紙と筆記用具(ボールペン)を使用いただけます(ご自身が所有するものは使用できません)。
出典: 試験中にメモを取ることは可能ですか。 | 【CBT】基本情報技術者試験(FE)/情報セキュリティマネジメント試験(SG) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
試験の出題形式
基本情報技術者試験は、科目 A と科目 B の 2 部構成になっています。
科目A | 科目B | |
---|---|---|
試験時間 | 90分 | 100分 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
出題数・解答数 | 出題数:60問 解答数:60問 |
出題数:20問 解答数:20問 |
合否は素点ではなく、IRT(Item Response Theory) に基づいて解答結果から算出された評価点をもとに判断されます。この方式では、各設問の配点が正答率によって調整されるため、単純な正答数だけで合否を判断することはできません。
各科目(科目 A、科目 B)の評価点が全て基準点(600点/1,000点満点)以上の場合に合格とします。
※ 同日に科目 A と科目 B を実施する。
※ CBT 方式によって実施する場合は、科目 A 終了後、科目 B を開始するまでの間に、最長で 10 分の休憩を取得することができる。
参照元: 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
試験の出題範囲
2024 年 10 月以降の試験で、出題範囲の一部が改訂されます。
AI や統一モデリング言語 (UML)、UX/UI 、サイバー攻撃、クラウド、ソフトウェア開発手法、マーケティング理論などの分野で、学ぶべき用語が多く追加されています。
また、情報セキュリティなどの分野で表記変更(ホワイトハッカー ⇨ エシカルハッカーなど)が行われています。
改訂内容の詳細については、以下を確認してください。
- 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験における出題範囲・シラバスの一部改訂について(近年の技術動向・環境変化などを踏まえた改訂) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
- 基本情報技術者試験(レベル2)シラバス(変更箇所表示版)
科目 A
科目 A は、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の 3 つの分野で構成されます。
- テクノロジ系: コンピュータの仕組みや開発技術に関する内容
- マネジメント系: プロジェクトやサービスの管理に関する内容
- ストラテジ系: 経営戦略や会計、法務に関する内容
基本情報技術者試験では、テクノロジ系だけでなく、会計や法務に関する問題も出題されます。
出題数 60 問のうち,評価は 56 問で行い,残りの 4 問は今後出題する問題を評価するために使われる。
┌── テクノロジ系
│ ├── 基礎理論
│ │ ├── 基礎理論
│ │ └── アルゴリズムとプログラミング
│ ├── コンピュータシステム
│ │ ├── コンピュータ構成要素
│ │ ├── システム構成要素
│ │ ├── ソフトウェア
│ │ └── ハードウェア
│ ├── 技術要素
│ │ ├── ユーザーインタフェース (旧: ヒューマンインタフェース)
│ │ ├── 情報メディア (旧: マルチメディア)
│ │ ├── データベース
│ │ ├── ネットワーク
│ │ └── セキュリティ
│ └── 開発技術
│ ├── システム開発技術
│ └── ソフトウェア開発管理技術
├── マネジメント系
│ ├── プロジェクトマネジメント
│ │ └── プロジェクトマネジメント
│ └── サービスマネジメント
│ ├── サービスマネジメント
│ └── システム監査
└── ストラテジ系
├── システム戦略
│ ├── システム戦略
│ └── システム企画
├── 経営戦略
│ ├── 経営戦略マネジメント
│ ├── 技術戦略マネジメント
│ └── ビジネスインダストリ
└── 企業と法務
├── 企業活動
└── 法務
出典: 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
科目 B
科目 B は、アルゴリズムとプログラミング(擬似言語による出題)と情報セキュリティの 2 つの分野で構成されています。
出題数 20 問のうち,評価は 19 問で行い,残りの 1 問は今後出題する問題を評価するために使われる。
分野別の出題数は,アルゴリズムとプログラミング分野 16 問,情報セキュリティ分野 4 問とする。
分野別の出題割合は「アルゴリズムとプログラミング」が 8 割、「情報セキュリティ」が 2 割です。
┌── アルゴリズムとプログラミング
│ ├── プログラミング全般に関すること
| ├── プログラムの処理の基本要素に関すること
| ├── データ構造及びアルゴリズムに関すること
| └── プログラミングの諸分野への適用に関すること
└── 情報セキュリティ
└── 情報セキュリティの確保に関すること
出典: 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
個別のプログラミング言語(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)による出題ではなく、普遍的かつ本質的なプログラミング的思考力を問うために、擬似言語を用いた出題が行われます。
擬似言語に関して詳しくは以下を参考にしてください。
過去問・サンプル問題
過去問の一部が公開されています。
サンプル問題(2023 年 4 月)も公開されています。